聖女のセイン
共有魔法袋を毎日、朝、昼、晩と何度も確認。
セインが剣聖宛てに入れた婚姻承諾書の催促手紙がそのまま。
「なんで見ないのです!」
家族用の共有魔法袋、王都の大教会に置いてきた事を大後悔中。
先程見た、ユウの疲れた姿。
わたくしの癒やしを断り、逃げるように立ち去った後、この屋敷には居ないはずの魔族領屋敷の執事を務めている妖精種族女王が、ユウの部屋から夜着の姿で出てきて、艶々肌でニヤけ顔をしてマオの部屋へ入って行くのです。
毎晩、人族&魔族結界が張られているユウの部屋、何故、妖精種族女王は入れたの?
昨晩、セインも忍んで行って結界に阻まれたので、張り忘れでは無く招き入れたの?
「早く見なさいよミカズチ~~~~」
突然、マオの部屋から「ド~~~~~ン」と凄まじい音。
何事かと驚いていると、専属メイドと成ったサー、今の音に何食わぬ顔で
「セインさま、お部屋を1階、主さま自室の隣へ移すよう、マオさまより言いつかったのです」
吸血種族女王より、人族の正妻と成れば、ユウの左隣部屋へ移れると言われていて、剣聖へ婚姻承諾書の取得に焦っていたのですが、魔族の正妻と紹介されたマオから部屋移動の承諾。
現時点では外見が幼く、人族では10代前半にしか見えないので敵視対象ではないのですが、仲間でも同盟者でも無い相手。
「部屋の移動、この屋敷の執事に使用人長は承諾しているの?」
不思議顔のサー
「必要無いと思います」
「吸血種族女王さま、吸精種族女王さまでも、マオさまの怒りを買うと大変な事に」
「先程の音、たぶん、マオさまの怒りの蹴りが飛んだのだと思います」
先程の音が蹴り?
誰が蹴りを受けたのか思い至り、すっとしたセインは、マオが頼もしく思えたのです。
早速、2階から1階へ荷物移動の準備、ユウの収納を使えば不要と気付いて、お願いに行こうとすると、サー、バス、キュの3人があっという間に移動、続いて男装の魔法使いの部屋の荷物も移動させたのを見て。
「サー、バス、わたくしの専属メイドですわよね」
頷く2人へ
「サー、バスが必要な精気って、これでも平気」
セインが右手へ癒やしの効力を宿して差し出すと、目を輝かせるサーとバスにキュまでが
「頂いても」「貰えるの~」「宜しいのですか」
試しと、サーから中指を咥え、至極の表情。
続いて、バスが親指を咥え、至極の表情。
最後に、キュが小指を咥え、至極の表情。
サーとバスは魔族、わたくしが生きている間だ使えても人族と比べたら長命なので、幼少時で一番必要な精気を与えてくれるなら喜んでと。
あとは教団の者達とお父さまに魔族メイドを認めさせれば問題なし、礼儀作法には不安が有るも護衛としての能力は魔族中でも上位、見目も問題なし、もう離しませんわよ。
この先、王都に公爵領へ行く時も同行と伝えると
「主さまに、念のため許可を頂ければ」
主さまってユウですわね、任せなさい!
前にマオから聞いていた、サー、バス、キュの3人のユウへの口づけに求める物が、精気と言っていたのに納得。
その後、マオから相談があるので、明日の朝食後に時間が取れるかと聞かれ、男装の魔法使いと部屋へ伺うと伝えたのです。




