第2話 まったり拠点の街に来ました
誤字脱字ご容赦下さい。
スキル-身体能力小向上を発動して疾走中。
小向上に抑えないと地面に大穴が空きます。
のんびり、まったりの日々を過ごせればと、魔族領とは王都を挟んで反対側の辺境伯領に隣接する、温泉避暑地で有名な男爵領の街へ薬草を採取しながら目指してます。
仲間と別れ2日目の夕刻、目的地の街へたどり着きました。
男爵領の街、入り口の門
街に入る審査をしてる守衛さんに、スキル-収納より事前に出しておいた荷物袋から、剣聖さんから頂いた身文書ではなく、オイラが勇者と言われる前の身文書を取り出して見せ
『滞在許可を頂けますか』
勇者の本名を知ってるのは、仲間でも剣聖さんに聖女さんだけ、王都でも数名。
容貌も仲間以外では王族と大臣級の重鎮だけなので、身文書を出しても勇者と気付かれる心配はありません。
「滞在許可カードの発行に小金貨5枚、街に入るのに銀貨2枚、その袋だけなら荷の持ち込み税は要らん」
荷物袋から、小金貨を入れてる小袋を取り出し中から5枚を渡し、続いて、腰の袋から小銭袋を取り出し銀貨2枚を渡します。
たぶん、剣聖さんから頂いた身文書なら、即、街住人と認められたと思いますが、領主の男爵さまに連絡が行き、オイラの居場所が発行元の伯爵さまから剣聖さんに、それは聖女さんにも伝えられ、会いに来られたら面倒なので小金貨5枚は必要経費です。
守衛さん、身文書の名前蘭を見て。
「ユウだな」
『はいユウです』
滞在許可カードに、ユウと名前を記入して渡されました。
「無くすなよ、街住人と認められる前に無くすと、また小金貨5枚だぞ」
『残金では足りないので気を付けます』
ぶっきら棒だけど根は優しそうな守衛さん、色々と聞いちゃいます。
まずは資金の調達
『この街で生活費を稼ぐ手立てって有りますか』
「他の街と同じように、商業ギルドか産業ギルドの支部が有るから相談してみろ、お薦めは、産業ギルドの方だ」
「念のため言っとくが、薬草関連の依頼、この街では奨めない」
薬草関連を奨めない理由って何と思いましたが、他にも聞きたいことが有るので突っ込まず。
次は泊まる宿
不慣れな街、宿探しで苦労したく無いので
『お薦めの宿屋はありますか』
「面倒見の良いオヤジがやってて、食堂も併設されてる格安宿屋、名前が"格安宿屋"って言うんだ」
場所を街の地図で教えてくれました。
優しいそうでは無く、優しい守衛さん
『ありがとう御座いました』
街に入り
教えて貰った宿屋
中に入り、厨房に居たオヤジさんに
『守衛さんに紹介されて来ました、部屋、空いてますか』
「空いてるぞ」
しまった、宿屋の名前で安いと思い込んで、守衛さんに宿泊代を聞かなかったよ。
高かったら
『宿泊料金は』
ドキドキです
「飯なしで銀貨7枚、風呂は宿泊客なら共有浴場が無料で入れるぞ、街自慢の天然温泉だ」
良かった、名前通り格安。
飯無しで銀貨7枚は高く感じますが、半分は税金で街の治安維持に使われるのが一般的、街の外から来た宿泊客が1番の治安低下理由ですから。
ご飯代を考えると1日で大銀貨1枚は必要のようです。
『まずは1週間お願いします』
荷物袋から、大銀貨を入れてる小袋を出し中から5枚渡して
『銀貨1枚分は、飯代の前払いです』
オイラのお財布は、小金貨袋、大銀貨袋、小銭袋の3つに分けてあります。
「計算出来るんだな」
部屋の鍵を渡され。
「2階の3号室だ、外出時は鍵を預けてくれ」
2階へ上がり、一番奥が3号室でした。
ベットだけの部屋に荷物袋を置いて、早速、共有浴場へ。
広い大浴場
体を洗いすっきりです。
石鹸は、聖女さんが使ってた凄く良い香りで泡立ちも最高の品、スキルー収納にどうするのって程沢山残ってるので1個貰っちゃいました。
貰った石鹸の香りは柑橘系、他にも色々と違う香りの石鹸があります。
温泉に浸かり手足を伸ばして
『あ~、ごくらく、ごくらく』
夕飯は格安宿屋1階の食堂
銀貨2枚で麦のシュワシュワも飲めて腹一杯。
格安宿屋のオヤジさんが作るご飯、オイラが作るより美味しいのに驚き、自慢じゃないですがオイラ料理は得意なんです。
理由は、仲間が食に五月蠅かったのと、スキル-鑑定で食材を見ると美味しく調理する方法が分かるんです。
オヤジさんとの会話で、オイラが街に入ったのは東門、街には四方に門が有ると知りました。
「若造、女みたいな良い匂いがするな、高級娼館にでも行ったのか」
『行って無いですよ、そもそも1度も行ったこと無いですよ』
「行ってたら今日は娼館泊まりか」
聖女さんの石鹸は封印です。
部屋に戻り
ベットが硬いので自前の布団を上に引こうと、スキル-収納から出そうとしたら何かが引っかかって
『あ!』
男装の魔法使いさんの鞄がドンと床に落ち、中身が散乱しました。
見てはいけない、あれや、あれが、思わず
『こんなの履いてるんだ、付けてるんだ』
ドキドキしながら、鞄に戻すため手に取りましたが、匂いを嗅いだりはしてませんからね。
ただ、じっと見ちゃいました、胸の起伏が少なくて付けてもずれちゃうだろうに、普段の服装からは想像できない派手で高級生地を使用しているあれや、あれでした。
仲間と別れた時、馬に積めなかった荷物はオイラのスキル-収納に入れたまま、聖女さんの、あれや、あれにも興味を注がれ鞄に手を掛けたら
【見るんじゃないわよ】
聖女さんの叫びが脳内に木霊、手を引っ込めました。
【どうしても見たいなら、白い袋が勝負用、黒い袋は一昨日の晩忍んでいった時に履いてた匂い付きが入ってますわ。】
聖女さんの恥じらった声が脳内に、幻聴は怖いです。
その晩、男装の魔法使いさんの、赤いの・ピンクいの・黒いのが脳裏に
『誰に見せるんだ、白にしとけよ、白に』
自分の寝言で起きたのには驚きです。
その後、寝付けず、聖女さんの黒い袋が気に成りだし、幻聴なのか念のため存在を確認してみようと自分に言い訳をして鞄を。
あります、白い袋に黒い袋が、匂い付きって衛生上良くないよね。またも自分に言い訳をして、スキル-浄化をと黒い袋を取り出したら
『浄化だと!見るのだ、手に取るのだ、匂いを嗅ぐのだ』
悪いオイラの囁き、危うく勇者を辞めて変態に成るところを
【やっぱり恥ずかしいから駄目・だめ・ダメですわ。】
聖女さんの恥じらいの叫びが脳内に木霊、悪いオイラを撃退。
悪いオイラ、最後の抵抗で黒い袋は浄化せずスキル-収納の時間経過無しへ移し替え、現状維持保管されました。
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同時刻
教会の最奥での出来事
突然、聖女さん
「やっぱり恥ずかしいから駄目・だめ・ダメですわ」と叫び
隣の控えの間で待機していた見習い修道女が何事かと驚き、寝室に入ったところ身悶えるする聖女さんを見て対応に困ったそうです。
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聖女さん
聖女のスキル-想いの伝達
特定の相手が、聖女さんの事を想った時の思考を覗き見できるスキル。難点は、見た内容に対する思いしか伝えるられない制限があること。
勇者を相手として、常に発動しています。