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あとがき

 翌朝、見舞いに来た患者の親族から通報を受けて駆け付けた警官達は、その光景に戦慄し、吐き気を催した者も多くいたという。病院内は壁や天井が先決で染め上げられ、そこかしこに肉片や蟲の死骸が転がっていた。原型を留めていればましな方、といった状況で、殆どが身元を確認することすら叶わなかった。この事件は大々的に報道され、今世紀最大の事件として、人々の記憶と、そして記録に残された。

 だがしかし、殆どの人間はこの事件の真実を知らない。患者の大多数が苦しむ前に死を迎えていた事、そして、体中に刃物を突き立てられ、蟲を這わされ、どこまでも苦しみぬいてからみじめに死んでいった少年の事を。

 この事実は、警察側からもみ消され、歴史の闇へ葬られる事となる。事実を知るのは、現場跡を実際に目撃した数人の警察官と、少年の父親だけであった。

 


 ――語り忘れていたが、この病院が建設される前、この地には代々伝わる医者の名家の屋敷があったという。その一族は、とある青年の失態によって全てを失い、患者はその青年を恨みながら、青年は自身の失態を深く悔やみながら、この地で命を散らしたそうだ。

 これが何か関係があるとは言わないが、もしかすると、彼らの『思念』が今も残り続け、それによって今回の惨劇が起こったのかもしれない。

 皆さんがお住いの地はどうだろうか。かつてその地に住んでいた人の、強烈な思念が残っていれば、今夜にでも、貴方の枕もとに現れるかもしれない。

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