高校二大祭り・体育と文化
夏休みも終わり、再び学校が始まりました。久しぶりに制服を着たのでリボンのつけ方とか忘れたり・・・してはいませんが、本当に久しぶりな感じがします。ですが、一学期の頃と大きく変わってしまったことがあります。それは私と津由の状況について。その心配もさておき、津由はいつも通りに登校してきました。
智佳 「津由、おはよう。無茶な戦いはしてない?」
津由 「おはよう。戦いについてはほかの精霊の仲間に頑張ってもらってるから大丈夫」
今日は初日のため、特に授業もなく、始業式と軽いホームルームだけで終わりです。そのホームルームでのことです、
先生 「今日はもうすぐ行う体育大会での種目を決めるぞ!」
というわけで、種目を決めることになりました。
智佳 「津由、何に出る?」
津由 「う~ん、別に決めてないんだけど・・・」
そんなこんなで悩んでいると、ある生徒が
生徒 「紫陽花さんって確か足早かったよね?よかったら200m走出ない?」
津由 「別にいいけど・・・」
そうして津由は200m走に決まり、私は余った台風の目に決まりました。そして、この時期にはもう一つイベントがあります。それは文化祭です。ですが、夏休みなどはヤル気のある人たちが勝手にやってくれてるから、私たちは特に何もしてないのですが、特に問題ありません。まぁ、シフトなどはやらされるんですけどね。私たちのクラスは喫茶店をやるようです。そうして、私たちはウエイトレスをやることになりました。
智佳 「あ~あ・・・ウエイトレスか~・・・津由はきれいだからいいけど、私なんて需要ないだろうなぁ・・・」
津由 「智佳にはその優しさがある。だから自信を持って対応すればそれだけで最高のウエイトレスになれると思うよ」
智佳 「ありがとね」
他愛もない会話をしているときっと戦いなんてなかったらもっと楽しく過ごせてたんだろうな~などと考えることもあります。もし戦いで、命を落としてしまったら・・・そんなことを考えても仕方ないので今は一緒にいることを大切にしていきたいと思いました。
そんなこんなで体育祭の日になりました。私たちの高校の体育大会は赤、白、青、橙の4グループに分かれて戦います。200m走は始めの種目なので、開会式の途中に津由は抜けていきました。開会式中なので声は出せませんでしたが、津由に向けて頑張って!と視線を送りました。津由もこくんと頷いてくれたので多分通じたんだと思いました。
そして、200m走の時間。津由の走る順番は4番目です。順番が近づいてくると見ているこっちが緊張してきました。そして、津由の番です!
「位置について、よ~い・・・」
ドン!!!
ピストルの合図で津由は走りだしました!精霊同士の生死を巡った時のスピードではありませんでした。でも津由は全力で走っていたので、私も応援席の最前列で全力で応援しました。
智佳 「頑張れ!!!津由!!!」
その声は届いたかどうかはわかりませんでしたが、津由の後半の加速はすさまじく、なんと一位でゴールしました!やっぱり津由は精霊の力がなくても十分な運動神経を持ってるんだなと改めて心に刻まれました。200m走の総合順位などの発表が終わると、津由は応援席に戻ってきました。走ったグループでは一位でしたが、総合では上の下くらいの成績だったそうです。
智佳 「津由!お疲れ!めっちゃ早かったね!流石!」
津由 「ありがとうね智佳。智佳の応援、ちゃんと届いてたよ!きっとそのおかげ!」
その言葉を聞き、私の応援でもちゃんと役に立ててるんだな、と思いました。そして私の競技、台風の目は中途半端な結果で終わりました。最終的に、私たちのグループは2位で終わりました。1位との差はとても僅かでした。
智佳 「惜しかったね~私たちが1位をとれてたら勝ってたかもね・・・」
津由 「ううん。智佳は本当に頑張ってたと思うよ。まだ来年があるんだからそこで1位を取ったらいいよ!」
智佳 「うん!そうだね!来年同じクラスになれるかどうかわかんないけどお互い頑張ろうね!」
津由 「まだ気が早いよ」
智佳 「えへへ~そうだね~」
そうして、私たちは来年も同じクラスになりたいなとか喋って帰宅しました。これから文化祭、修学旅行、クリスマスなどいろんなイベントがあるので今年だけでももっと仲良くなれて、来年には最高の友達になれてると思っていました。
この時が平和に続くものだと・・・
その夜、いつものように津由の戦闘の夢を見ました。私の体には津由の精霊力が含まれているので、津由の激しい行動はたびたび夢で見ることがあるのです。その夜津由が戦っていたのはこの間私たちに奇襲をかけてきたあの悪霊でした。
??? 「へぇ~今回はあのお邪魔虫は付いてないんだ~」
津由 「あの子は・・・智佳はお邪魔虫じゃない、大切な友達だッ!それに智佳は戦いには巻き込めない!巻き込んじゃいけないッ!」
そういうと津由は精霊力を一点に束ね、まるで矢のごとく悪霊に向かって飛ばした!しかし、悪霊はするりとかわすと
??? 「ぬるいぬるい。そんなんで妾を倒そうとするなんて、傍ら痛いわッ!」
そういうと、悪霊も津由のやったように黒い精霊力を一点に束ね、矢のごとく飛ばした!だが、悪霊の放つものは津由の放ったものよりもはるかに数が多い。あまりに多くの数なので、津由はかわすことができず、悲鳴を上げて吹き飛んだ。
智佳 「津由・・・負けるなッ!!!」
私は祈ることしかできませんでした。悪夢により、この夜はあまり寝ることができませんでした。
翌日、文化祭当日。
正直、文化祭の日の登校したかどうかの判断はとてもアバウトでした。そんな中、一人だけ学校を休んだ人がいました。それは、紫陽花 津由。学校に来ていないと知った瞬間、私は非常に嫌な気がしました。昨日の夢で見た場所・・・それは学校の近くの山でした。幼いころに行ったことがあったので覚えていたのでしょう。幸運にも文化祭での私のシフトは午後からだったので、先生の目を盗んで、その山へと向かいました。