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純潔のLily ~絆、そしてHydrangea~  作者: サンドリバー
4/12

霊力使用者~スピリットユーザー~

ミーンミーンミーン・・・


そろそろ気温も上がってきて、冬服も姿を完全に消しています。テストも終わり、学生のみんなはソワソワしてきています。そうです、夏休みが近づいてきているのです。私にはこの夏でやっておきたいことが一つあります。それは、津由と一緒に何でもいいからイベントを行うことです。さっそく誘いに行こうと思ったのですが、


智佳 「津由、今日も寝ちゃってる」


最近の津由は休み時間になると机に突っ伏して寝ていることが多くなってきています。夜更かしでもしてるのかな・・・?でも、もうすぐ夏休みなので浮かれて夜更かしぐらい誰でもしちゃいますよね。などと解決し、帰り際に誘うことにしました。


放課後


智佳 「津由~ちょっといい?」


津由 「あ、智佳さん」


なんだかんだであれから私たちは一緒に帰ることが多少ながら多くなりました。


智佳 「夏休みなんだけど、どこか空いてる日はない?」


津由 「・・・どうだろう、まだ予定があやふやだから」


智佳 「そっか、じゃあ予定がわかったら教えてね!」


津由 「うん、すぐに返事を返せなくてごめんね」


智佳 「気にしないで!誰にでも予定の一つや二つあるはずだから!」


今の津由なら、多分一日くらいあけてくれると信じていたのでそこまで強引には勧誘はしませんでした。そうして翌日、津由の回答は・・・


津由 「8月の6日なら、何とか空けれるかな?といっても遅くまでは無理だけどね」


智佳 「ありがとう!!!それじゃあどこ行く?」


やっぱりOKをもらえると嬉しいですね。初めの頃の友好関係を絶っていたころとは大違いです。そして、私たちは色々と計画を立てていきました。その結果、プールに行くことになりました。そのプールは家の近くの市民プールです。津由が人ごみには居たくないという理由で大型プールに比べ、人の少ない市民プールになりました。


そして数日後、一学期の終わりを告げる、終業式も終えたその帰り道。私と津由は二人で帰っていました。


智佳 「それじゃあ、8月6日だね!忘れないでよ!」


津由 「ふふっ、またね」


智佳 「ばいば~い」


さて、二人でプール、楽しみだな~そんなことを考えながら帰ってる、その時です。道の端っこに何やら光る石のようなものを見つけました。


智佳 「きれい・・・でも、これってどこかで見たことあるような・・・?」


その石を拾い上げてみると、急に思い出しました。


智佳 「これって!津由が持ってるやつの色違いだ!」


いつしか勉強を教えてもらってる時に気づいた石の色違いです。津由の持っているものはエメラルドグリーン色、この拾ったものは黒紫色。


智佳 「う~ん・・・洗ったらきれいな色になるのかな?」


まぁとりあえず持って帰ることにしました。津由とお揃いの小物があると、さらに話に花が咲くと考えたからです。そうして私は上機嫌で鼻歌を交えながら家に帰りました。家に帰ると、早速その石を洗おうとしたのですが、


智佳 「あれ・・・?全然きれいにならない?」


やっぱり水洗いでは石の濁りは何ともなりません。やっぱり専門の人が削らないとダメなんだな~と考えながら、洗うことはあきらめました。そして、その石は津由の持っていたのと同じようにゴムを通せそうな穴が開いていました。私はもう使っていないヘアゴムを適当にもってきて、津由と同じように腕に巻けるようにしました。そしてさっそく腕に巻きました。


智佳 「これで、津由とお揃いかぁ~」


その石を眺めていた、ある瞬間でした。


  カッ


なんだか石が激しく輝いたような気がしました。その輝きは明るいもののとても暗く、表現のし難いような輝き方や色合いでした。まぁ、輝いたのは気のせいでしょう、ということにしておきました。そして私は一日中その石をつけていました。もちろん寝る時もです。


その夜。不思議なことが起こりました。


??? 「・・・か・・・・・・て、・・・・・・か」


智佳 (う~ん・・・こんな夜中に誰・・・?)


??? 「・・・佳・・・きて・・・智佳」


智佳 (もしかして、私を呼んでる?)


??? 「智佳!起きて!智佳!」


智佳 「うわぁ!」


と、私は飛び起きました。なぜなら、目の前に光る丸い物体が浮いていたからです。


智佳 「これは・・・?」


??? 「やっと起きたね、智佳」


智佳 「え、ええーーー!!!」


なんと、声の正体はこの光る丸い物体でした。


エビル 「いやぁ、自己紹介が先かな?僕の名前はエビル、精霊だよ」


智佳 「エビル、私に何か用なの?」


エビル 「あ、そうそう。君が拾ったあの宝石についてだよ」


智佳 「あれか~、それで、この石がどうかしたの?」


私は腕に付けている石を出して言いました。


エビル 「その石はね、僕たち精霊の力を使いこなせる子にしか見えない石なんだ」


そうして、精霊エビルは自分たちの特性や目的について教えてくれました。どうやら精霊は自分でこの現実世界に干渉できるほどの力は基本的には持っておらず、特性を持った人間に協力してもらうことによって現実世界に現れた悪霊を退治することが目的のようです。でも、いきなりなので全く実感がわきません。すると、その状況を悟ったのか


エビル 「その表情はまだ信じきれてないって感じだね。それじゃあちょっと空でも飛んでみよっか」


智佳 「え!?空飛べるの!?」


エビル 「もちろん!それじゃあ窓を開けて!」


智佳 「うん、それで?」


エビル 「僕の後に続いて言って!『我、汝との契約を交わし、霊力使用者~スピリットユーザー~の能力を使用ス』」


智佳 「我、汝との契約を交わし、霊力使用者~スピリットユーザー~の能力を使用ス」


その瞬間、体が輝きだして拾った石と同じような色合いの閃光の翼が生え、服装もそれっぽくなっています。急にそんなことが起こったので、それは誰でも思考停止は起こりますよね。


智佳 「すごい・・・」


エビル 「まだまだこんなものじゃないよ!それじゃあ空に飛んでみよう!」


智佳 「でも、まだ飛び方とか・・・」


エビル 「大丈夫大丈夫!基本的に力の操作は僕が行うから!勇気を出して窓から飛び出してみよう!」


智佳 「ここ二階なんだけど・・・信じるよエビル、えいっ!」


二階なので多分最悪の事態は避けれると考え、エビルの言葉を信じて私は窓から飛び出しました。


エビル 「重力コントロール、モード・飛行へとシフト」


なにやらエビルが呪文のようなものを唱えると、


    フワッ


重力とはなんだったのか、私飛んでます!


智佳 「おお!すごい!それで、どうやって移動するの?」


エビル 「う~ん・・・手とか足とか動かすのと同じ要領で体を動かすだけなんだけどな・・・」


・・・飛ばしてくれたエビルには悪いのですが、全くわかりませんすると、エビルが突然大きな声をあげました。


エビル 「あ!!!後ろからコウモリも大群が!!!」


智佳 「えッ!!!」


その瞬間私の体は高速で宙を移動しました。


エビル 「ゴメン、嘘。でも、思うように動けたでしょ?」


智佳 「死ぬかと思った・・・」


エビル 「まぁ、そんな感じに反射の応用で無意識に動かせるようになったらいいから~」


智佳 「うん、これで私もスピリットユーザーになれたかな?」


エビル 「もちろん!今日は悪霊が現れなかったけど、もし出た時のためにこれから攻撃や防御の技も教えるから覚悟しててよね!」


智佳 「は~い」


その後、まだ飛び慣れていないのでエビルのサポートの中、ようやく家にたどり着くことができました。そして、エビルは石の中に消えていきました。正直、この後にアラーム音が鳴って、なんだ夢かっていうオチを想像していました。ですが、そのまま夜が更けていったのです。つまり、この出来事は現実だったということです。


智佳 「あ、寝てないや」


私はため息を一つ漏らしました。

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