第3章 悪魔 ベルゼブブ
次に行くのはベルゼブブ。狂羅が説明を始める。
「ベルゼブブに取り憑かれたら最後と言っていい。かなりの聖人でいなければ離すことは難しいといわれている。今なら外国から悪魔払いを呼ぶか殺すかだ。あとあいつは見た目だけ雑魚そうなハエの姿だからな」
今度はさすがに遠い。城は目立つが。
「問題は誰が操られているかだ。今回の事件のことだ。ベルゼブブも相当な奴を選ぶだろう」
「そうだね。…っていうか遠すぎない?」
少しの沈黙。なるのは風を切る音、魔界ということで不気味でもある。
「これも魔法の力だな」
結論付けた狂羅。雑談が始まる。
「こないだあの四姉妹に会ってさ。季癒がなんとかって言ってたよ」
「ふーん」
沈黙がまた、続き、そしてつく。
「ん?…っやっぱり操れるのは一人か」
小声だがとても響き、入りながらも狂羅は考える。城の中はとても静かでトサトサと歩く音が響く。少々崩れており星が見える。
「妙じゃないか?こんなに静かだ…。!朱子!後ろに下がれ!」
とても慌てて言う。朱子はとっさに後ろに下がり構える。
目の前の柱が崩れる。そしてギリシャ神話の有名な魔物の一つ、ミノタウルスが現れる。
「こいつ!今回操られているのは!」
「違う!こいつからは一滴も狂気を感じない!手下だ!」
急いで朱子は自慢の怪力を見せつける。数メートル吹っ飛んだがすぐに起き上がる。
「こいつは自滅することが多い!回り込むんだ!」
ミノタウルスは斧で柱を壊しながら攻撃してくる。
「今だ!そこの柱壊せ!」
狂羅の指示で最後の柱を壊す。見事天井が落ちてきてミノタウルスを潰す。上に部屋がなく屋根も一緒に壊れる。
「ふう、それじゃ、探そっか」
先に進む二人。
「…」
誰かが見ている。
ずいぶん廊下を歩いてきた。
「おっ着いた」
部屋の中には一人、ぽつりと立っていた。ちなみに後ろに大きな檻の中に一人の人間。
「せ、瀬乃華⁉︎」
檻に入っていたのは好奇心旺盛な小説家、小告瀬乃華。
「ごめんなさいー。興味深々で銭子ちゃんも連れて、たまたま来た城がここだったんですー」
巫女の東風谷銭子。屍の山を作り上げたようだ。
「新しい身体が来た」
たしかに瀬乃華より銭子の方が強い。
「ふええ、銭子ちゃんー」
泣き始める瀬乃華。
「なに、ちゃっちゃと済ませるか。ちょっと荒いやり方になるが怒るなよ朱子」
「う、うん」
その方法とは、狂羅も悪魔ということで銭子に取り付きベルゼブブを追い出すという作戦。
「ほい」
ベルゼブブを追い出すのに成功。思いっきり朱子が殴る。
あっさり撃退。どうしてこうなった。
「ちゃんと帰れよ。じゃあな」
城を去り次に行く二人。