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『純粋少女』

ソラが部室を出た後、クロマはノートパソコンで誰かとメールをしていた。パソコンを見ながら笑うクロマの姿は、笑っているわけでも喜んでいるのでもない。言わばゲス顔である。突然、部室のドアが開いた。するとローブを着た何人かが部室に入ってきた。ローブの手には、鉄パイプなどがあった。クロマはゲス顔のまま、立ち上がり、挑発をした。

「やあ、皆さんこんにちは、いやーでも物騒な物持ってるねー。もしかして・・・・・

俺を倒しに来たのか!よし、なら来い!俺が全てを受け止め・・・・・ぐほぉ!」

ローブの一人がクロマが喋ってる最中に腹にグーパンチを決めた。だが、このグーパンチは強い訳ではない。クロマが弱すぎるのだ。体力は皆無に等しく、骨もクソ弱い、なので、クロマはこのグーパンチで、病院送りとなった。実に残念なクロマであった。


その頃、ソラの元にある一人の女子生徒がいた。

「澤映 夕です。気軽にユウと呼んでください。」

いきなりの自己紹介にソラは戸惑ったが、

空気にのり、自分も自己紹介する事にした。

「俺は、宇堂 宙、ソラと呼んでくれ、よろしく。」

とても簡素な自己紹介をした。当たり前だろう、なんせ誰かもわからない可愛い女子がいきなり自己紹介をしてきたのだから。

「あの、貴方は『探偵部』の方ですか?」

ユウは、首をかしげながら質問してきた。

ソラはその質問に驚いた。だが、ソラは何か嘘をついてはいけない気がした。ので、質問に答えることにした。

「ああ、そうだ。一様探偵部だ。」

そう言ってソラは顔を上げると、ユウの表情に驚いた。何せ先程までの真顔を無きことにするほどの笑顔をしていたのだから。

「ふぇ!?」

ソラはその表情に思わず声を上げてしまった。

お、落ち着け、落ち着け、落ち着け、平常心だ。

そう心の中で言いながら、自分を落ち着けた。

「やっぱり!探偵部でしたか!探偵部って人助けとかをしてるんですよね!」

「・・・・・・・・・・」

ソラは何も言えなかった。むしろ逆のことをしてるなんて言えなかった。ユウは、そんなソラを露知らず、話を続けた。

「確か今年できた部ですよね!作った人はとても素晴らしい人なんでしょうね!」

ソラはもう何も言えなかった。作った人はこの学校の文化を潰した人なんて、言える訳なかった。ましてやこんな純粋な少女に、

ユウは喋り続ける。

「私、探偵部に入ろうと思ってます。あれ?なんでソラさん、顔が青いのですか?」

ソラはいきなりの質問に戸惑った。

「え?ああ、うん大丈夫・・・・・って探偵部入るの!?」

「はい!」

ユウはとても澄んだ声で答えた。

ソラは実に焦った。もし、クロマにユウを見せたら、間違いなく洗脳される・・・・・それはダメだ!

ソラは頭の中の考えをまとめ、返事をしようとした。しかし、ユウの方が早かった。

「あのですね、部室見学をさせて頂きたいのですが・・・・・大丈夫ですか?」

「え、あ・・・・・・・・・・ちょっと待ってね。」

ピロリン!という携帯音がし、ソラは慌てて携帯を見た。クロマからのメールだった。



《ハロー、ソラ君!いやー今回襲われちゃってさ、病院送りにされましたーwww。という訳で明日学校来ないからよろしく!》


ソラはメールを見た瞬間ガッツポーズを決めた。

「じゃあ、明日でいいかな?」

「はい!」

そう言ってユウは急いで帰っていった。

ソラはとてつもない幸運に巡り会った。

「よし、クロマがいないか、・・・・・・・・・・ラッキーだぜ。」

悪役のようなセリフを言いながら再び、ソラはガッツポーズをした。ソラにはある一つの考えがあった。

「目指せ!リア充!!」

非リア充の悲しき叫びが響いた。


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