表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

『部活潰し』

五月、だんだん日差しが強くなっていくこの季節、部活に入っている高校生達は、必死に練習に励んでいるのだろう。汗水流し、時に涙を流し、友情を深めていき、青春を満喫するのだろう。ここ、シンノウ高校も他と変わりがなく、どこにでもあるような学校であった。だがこれは過去形になった。シンノウ高校は40の部活があり、とても部活が盛んであった。しかし、この四月に32の部活が廃部となった。決して人数がいなかったという理由ではなかった。何故なら体育会系の部活のほとんどが、廃部となっているからである。廃部となった部活に入っていた部員は口々に言った。

『部活潰しがやってきた』と・・・・・・・・・・

第五校舎二階、ここに探偵部の部室、社会科室がある。

とてもシンプルなつくりだが、ほとんど何もないため、広々としている。この部室で、宇堂宙、ソラは対応に追われていた。しかし、依頼ではなかった。ソラはクレームの対応に追われていたのである。何故、探偵部にクレームがきているのか、それはある噂が広まったからである。

『部活潰しが探偵部にいる』

この噂のおかげで探偵部にクレームが多くきたのだ。

更に最悪なのは、クレームと一緒にクレーマーまで来たのである。静かな探偵部部室に怒号が鳴る。

「部活潰しはどこにいる!」「早くだせや!」「おらぁ!」

とても気持ちのこもった言葉にソラは対応していった。

「申し訳ございません、この探偵部に部活潰しなどおりません。」

ソラは自分が考えた最上の答えで対応した。クレーマー達が黙り込んだ。ソラはそれを見て、安心したが、クレーマーの一人の男が突然、ソラの襟首を掴み、怒鳴った。

「るっセぇんだよボケェ!早く出せっていってんだろが!」男は息を荒くして言った。

ソラはとても呆れた。

この男、頭に血が上りすぎて話が理解できてないのかな?はぁ・・・・めんどくさ。

ソラはそう思いながら左手で、自分の首筋を押した。

「おい、お前!何してんだよ!あ、もしかして怖いのか?チビりそうなのか?だいじょうぶでちゅか?」

男は調子に乗っていた。この時点で男は気づくべきだった。ソラの目が変わっていることを。

「・・・・・るせぇよ」

「あ?」

男は突然変わったソラに少々怯えた。ソラはその瞬間、男が襟首を掴んでいた手を振り払った。そしてソラは叫んだ。

「るっセぇのはお前の方だよ!いねぇつってんだろが!わかんねぇのかよ!」

そう叫ぶと同時に、腕を振りかぶっていた。そして

「テメェら、うぜぇんだよ!」と叫びながらその男にパンチを食らわせた。男は開いたドアから飛んでいき、2km先にある第三校舎に激突した。それをみたクレーマー達は恐れおののき、逃げさった。そしてソラはまた、首筋を押した、ソラは近場にあった椅子に座り呟いた。

「・・・・・やり過ぎた。」

そう言って椅子に座っていたソラの後ろから拍手が聞こえた。しかし、ソラは振り向こうとはしなかった。後ろには一人の青年がいた。

「ブラボーブラボーいやーよくやってくれたね。」

青年はソラに賞賛を送った。ソラはそれに反応せず、ある言葉を青年に言った。

「やあ、こんにちは探偵部部長さん、いや『部活潰し』さん。」

ソラはそう言いながら、青年のほうを向いた。

ソラの目は、元にもどっていた。

青年は不気味な笑顔を見せた・・・・・・・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ