謎と戦いと学園と
「も、申し訳ありません!カイザー様!。」
先の戦いで敗れたレガードは、カイザーという男の前に呼び出されていた。
「次に失敗したら、もうあとはないと思っておけ、といいたいところじゃが、今回は特別に許してやる。我が軍の中でもかなりの強さを持つお前が負けた機体というのも気になることじゃしの。じゃが、このつぎに失敗し、またさらに失敗したらもうあとはないと思っておけ。」
「はっ!」
(うーむ・・・・・・。猛将として知られるレガードがやられる機体とは・・・・。はて・・・?いや・・・・まさかな・・・・。)
カイザーには、何か見当がついてるように見えた。
ここは、I県M市のとある住宅。ここには、男1人と女3人がいた。そしてその空気は、今にも爆発寸前になっていたのだった。いうまでもなく、水鳥姉妹、和也、そしてこれまた以外、明の姿であった。ちなみに今日は全員非番であった。
「なっんっでっ!あんたがここにいるのよ!」
「別にいたってかまわんだろう。」
爆発寸前の空気を作っているのはこの2人であった。
「別に明もいたっていいだろ陽子。一緒に戦う仲間なんだしさ。」
「そうよぉ~。陽ちゃん。」
和也と香奈枝に言われて反論できなくなってしまった。
(なによもう。コイツさえいなければお姉ちゃんはどこかでたぶらかして今頃は和也と2人きりで・・・・。)
などと考えて顔を紅潮させているととたんに和也が
「おい顔赤いぞ陽子。熱でもあるのか?」
そう言って顔を近づけて自分の額に手を当てる。わずかばかり和也の息が顔にかかる。と同時に心臓の鼓動も徐々に高まっていく。
「わ!・・・・・ち・・近い!」
反射的に手で払ってしまう。
「わ、悪ィ。」
陽子の思考回路がショートしようとしたそのとき、1本の電話がはいってきた。
「もしもし。」
電話に出たのは香奈枝だった。
「香奈枝准尉ね。メイリスよ。」
「艦長!」
艦長から電話がかかってきたのには全員驚いたようだ。
「陽子曹長はいらっしゃるかしら?あと、瑛少尉と天児少尉もいてくれるといいのだけれど。」
「艦長がぁ陽ちゃんにぃお電話だってぇ。あとぉ、瑛少尉と和君もだってぇ。」
「何なんだろうな?」
「あたしが知るはずないでしょ!」
「つべこべ言ってないで電話に出ろ。」
などといいながら陽子は受話器を受け取る。
「ただいまかわりました。」
「陽子曹長ね。後ろの様子だと他の2人もいるようね。あなたたちには、明日から高校生になってもらうわ。」
「「「へ?」」」
3人の声が見事に重なった。
「あなたたちの年齢を考えれば当然でしょ?それに、作戦などには高3でなきゃ習わない数式なども出てくるわ。」
「はぁ。それで、その高校というのは・・・・・?」
「私立梅ノ原高校よ。天児少尉が軍に来るまでいた学校ね。天児少尉が現れた日、休校だったから、教職員と生徒は無事よ。校舎はプレハブだけどね。」
「またあの学校に通えるんですね!」
「そうゆうこと。あと、作戦のときは、こちらから通信を送るわ。機体も、そちらで呼び出せる装置を軍が試作したみたいだから、テストがてらに使ってちょうだい。」
「機体を呼び出せる装置というのは・・・・。」
明が質問をする。装置というのは和也にも覚えがあった。
「もちろん天児少尉のものをもとにしているわ。」
「やっぱりか。」
和也は最初に軍に連れて行かれたとき、あのガントレットも渡すよういわれ、それを調査されていたのだ。まさかコピーを作るとは。軍の科学力恐るべし。
「あと、呼び出したあとは、自動的にこちらの格納庫に戻ってくるようになっているわ。それじゃあ3人とも、青春をエンジョイしてらっしゃ~い。」
プツ
きれた。これが意味することは、ただ1つ。
波乱の予感のする学園生活の始まりである。(といってもこの小説じゃほとんどかけないけど)
キーンコーンカーンコーンと、懐かしい響きを感じながら、教室のドアを開けた。するとそこには仲のよい友人の姿があった。
「おっす。久しぶりだな、将太。」
「和也じゃねぇか!久しぶりだな!1ヶ月も休みやがって。死んだかと思ったぞ。」
そういって将太は和也の首をかかえ頭をぐりぐりやってくる。
「いてぇな。ちょっといろいろあったんだよ。」
「いろいろねぇ。何があったっておわっ!」
そこに殺到したのは女子の群れである。
「キャー!天児くんよー!」
「もう1ヶ月も何してたのー?」
「和也様~!」
こう見えて和也はかなり美男子のほうである。本人は普通といってはいるが。さらに、運動能力抜群、成績優秀と、完璧超人が現実に現れたような人間なのである。ちなみにバレンタインの時には机の中、ロッカーの中など毎年殺到する。(だが和也はチョコが苦手なため、チョコはすべて将太が食べているが。)
「お~い全員席につけ。」
ちょうどよいところで教師が来た。騒動はこれでいったん終了となった。
「お~し今日はしばらく休んでいたやつも来ているみたいだな。」
教師がこちらをにらんできた。すげぇこわい。
「さて、今日は転校生を転校生を紹介するぞ。しかも2人だ。さらに両方とも女子で片方は留学生だ。」
おぉ!という声がクラスじゅうに響き渡った。
「さ、入ってきて。」
おそらく俺以外の男子は全員驚いただろう。外見は100人いれば100人は美少女と答える2人なのだから。いや、よく見てみたら女子も全員が驚いていた。
「水鳥陽子といいます。皆さんよろしくお願いします。」
「瑛明蘭だ。よろしくたのむ。」
「転校生に質問あるやつはいないか~?なければそうだな・・・・天児の後ろと右に座ってくれ。あの窓際のイケメンのところだ。」
「「はい。」」
その日の授業は特に何事もなく終わった。
授業の終わりのチャイムがなり、学校が終わった。
「和也。帰るぞ。」
「ん?あぁ。」
「ちょっと待ちなさいよ。あたしも一緒に行くんだから。」
「およ?和也2人を知ってるのか?」
「あぁ陽子は幼馴染で明はちょっとしたことで知り合ったんだ。そうだ、2人とも、帰りに喫茶店行かないか?俺の行きつけのとこがあるんだけど。」
「まぁ悪くはないな。」
「あたしは別にいいわよ。」
「将太もどうだ?」
と聞くと将太は目を輝かかせて言った。
「是非ご一緒させていただきます!」
では喫茶店へレッツゴー。
ドアを開けるとカランカランと子気味よい音がした。時間帯のせいなのか店内に人は少ない。
「おっすマスター。」
「あらぁ!和也ちゃんじゃないのひさしぶりねぇ!」
いかにもという感じの厚化粧をした男マスターのいる店だ。マスターは人当たりがいいので男女ともに時間帯によれば満席になる人気がある店だ。俺は結構昔からのなじみだ。場所はこの町で有名な三角形を張り巡らした高い建物が見え、この町で一番繁盛していると思われる百貨店のすぐ近くだ。
「今日は友達連れてきたぞー。はいってくれー。」
「ど・・どうも~。」
とぎこちなくはいってきた将太に続いてはいってきた陽子と明は、予想外の顔をしていた。なぜそんな顔をしているのかという疑問が頭の中をスパークしたが、マスターの一言で解決された。
「あらぁ!陽子ちゃんと明蘭ちゃんじゃないの!」
ふぇ?と間の抜けと声を出してしまった俺だった。
ちなみに将太はついさっき用事があるといってどこかへ行ってしまった。最後に俺超空気と泣いてたきがするが。
「へぇ~この子がうわさに聞いてたこだったなんてね。ほんとオドロキだわ。」
「まさかマスターが俺のメカになる予定の人だとは。」
マスターの名前はカイ・シトーというらしい。階級は俺と同じ少尉で、現在1ヶ月の長期休暇をとっていたらしいが、それももうすぐそれも終わり、というところで俺たちはマスターの店に入ってきたらしい。
「ま、マスターがメカなら安心して任せられるかな。」
「任せてちょうだい。」
後に聞いた話だが、マスターは普通に女子シャワー室に入っているらしい。陽子曰く、軍で唯一男でありながら女子シャワー室の使用を許可されている人物らしい。まぁあの性格からしたらそうか。
これまであったことや雑談をしていたら、とたんに地面が揺れた。
「な、なんだぁ?」
「どうやら敵襲のようだな。行くぞ!」
「さっそく例のモノを試せるってわけね。」
2人が同時にあの瞬間機体呼び出し装置(仮)を掲げると、ぱぁっと装置が輝いて2人の専用エクスカリバーが出てきた。俺も2人に遅れぬよう瞬時にメサイアを呼び出した。
「こちらセレネ1、今セレネ3とバルゴ1と一緒にいます。これより敵の殲滅にかかります。」
「こちらヘリオス。了解しました。こちらも至急そちらに増援を送ります。」
「サンキュー。」
「セレネ3からセレネ1、バルゴ1へ。敵はA型9、B型8、C型3、それとスナイパータイプのN型が1機です。」
「俺が敵陣へ突っ込む。援護してくれ。」
「「了解!」」
全員頭はすでに戦闘モードへと切り替わっている。敵布陣はスナイパータイプがいる以外、和也が初めてメサイアに触れたときより敵が増えただけだ。今のところ、敵のカスタムエッジは見当たらない。和也は敵陣へ突撃を仕掛けた。しかしあまりにも速すぎて敵は捉えきれずに和也の侵入を許してしまう。そしてこのまま和也は二刀の刀を召還し、敵を一気に片付ける算段だった。しかし、敵スナイパーは和也が自陣につっこんでくるのを待っていたようにミサイルをを和也から遠く離れた巨大なあの三角形を張り巡らした建物へ発射したのだ。
「何!?」
「まずいぞ。まだ避難してない人がたくさんいる中で、あの建物が破壊されたら街に大きな被害が出る。」
「くそっ!放せ!」
(和也は敵陣の中で身動きが取れずにいる。私もコイツも、あのミサイルを撃ち落すほどの射撃能力はない。どうすれば・・・・・。)
しかし、建物直前でミサイルが爆発した。さらに和也の動きを拘束していたエッジも次々と爆発していった。3人が狙撃のほうへ目を向けると、そこには香奈枝の姿があった。
「みんなお待たせ!艦長からやっと私の分のあれが届いたからおそくなっちゃったわ。さぁ和君、やっちゃいなさ~い!」
「あぁ。言われなくったって!」
「和也、あなたはスナイパーをやってきなさい!他はあたしたちで何とかするから。」
「わかった!」
その後の決着は言うまでもなく和也たちの完勝だった。
増援部隊が到着するころには、敵は全滅していた。
「みんなよくやったわね。」
「いえいえ、香奈枝さんが来てくれなければ危なかったですよ。」
「あなたもあなたでよくやったわよ。あ、そうそう。来週からカイ少尉も合流してあなたたちはしばらくこの艦で勤務よ。荷物も今週中にまとめておいてね。じゃ、後は戦闘報告よろしくね。グッバ~イ。」
通信が切れた。
「ところで陽子。」
「何よ?」
「来週ってなんかあったっけ?」
「確か今日が7月の真ん中だから・・・・・・・・・・・・。」
「「あ。」」
「夏休みに当たるな。」
最後に答えたのは明だった。
「なに~!」
今年の夏休みは地獄になりそうであった。
ここは、艦長に許されたものしか入ることができないヘリオスの秘密区画。おそらく乗員の9割はこの部屋の存在を知らない。そこには2人の男女の姿があった。
「どう?彼とあの機体について何かわかったかしら?カイ少尉。」
「だめね。ほとんどろくなデータは手に入ってないわ。彼の過去の経歴も関連しそうなものはナシ。機体も軍が調べられたところ以外、ほとんどブラックボックスよ。」
「まさに謎の救世主ってわけね。」
「あらいいじゃない。どんどん解き明かす楽しみがあるんですもの。」
「他にわかったことはあるかしら?」
「まだ断言はできないけど、彼の超能力はおそらくこの先戦闘を重ねていくたびに強まっていくわ。」
「まだ封印が施されてるということね。」
メイリスの目は戦闘時異常に鋭いものがあった。
4話となりました。本当に作者は無知無能ですいません。主人公にもまだ謎があるようです。次回は夏の地獄の訓練話になるかもしれませんが、ちゃんと海の話も作るよていです。ですがそれ以外まったく考えていません。