救世主の秘密
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「し・・死~ぬ~!」
あぁ・・・。世界が廻っている・・・・・・・。
どうしてこうなってしまったのだろうか。それは数日前にさかのぼる。
軍本部とやらに連れてこられた俺は、意外な人物に出くわした。
「か・・和也じゃないの!どうしたの?」
「和くんだぁ。久しぶり~。」
なんと幼馴染の水鳥陽子とその姉水鳥香奈枝であった。そういえば2人は超能力を持っていたから軍に入ってたんだよな。すっかり忘れてた。
「も・・もしかしてさっきの戦闘で現れた謎の機体の操縦者ってまさか・・・!」
ああ俺だ、と言おうとしたが話が長くなりそうなので無視してカリブさんについていった。
「ここが機体の整備工場だ。早速で悪いが、機体を出してもらえないかね。」
はい、と答えてから機体を出て来いと念じて出した。
「解析班、この機体の解析頼んだぞ。」
「了解」
「さて、天児和也君。君にはちょっとここで検査を受けてもらえないか?」
「なぜですか?」
「あのねぇ、あんた。」
そういって割り込んできたのは陽子だった。
「一般人が謎の機体で敵を全滅させたのよ。もしあの機体を動かすのにも超能力が必要だったらあんたは軍に残ることになるのよ。まぁもし残ることになったらあたしがみっちりしごくけどね。」
「まぁ検査といってもぉ、簡単な健康診断と超能力のチェックだからぁ。」
いつのまにか香奈枝さんもいた。
「まぁそうゆうことだ。受けてもらえないかね?」
どうやら反論はできないらしい。
「わかりました。」
その後検査室を盥回しにされ、いまさらながら騙されたと気づく俺だった。
翌日、検査の結果と機体の解析が可能なところまで解析が完了したということで軍につれてかれた。
「それでは検査の結果を言い渡したいと思います。」
なぜかそれをやっているのは陽子だった。同じ部屋にはいろんな人がいる。
「まず超能力ですがなんと彼、天児和也君は超能力を2つ有していることがわかりました。これは過去に前例がない異例の事態です。」
おぉ、というどよめきの中には「なんだって」「マジかよ」などといったことも聞こえてきた。
「1つ目は、加速能力です。この能力は自分自身、あるいは自分搭乗している機体を加速させる能力です。また、この加速による自身の負荷はまったくありません。おそらくカリブ大尉たちが見た機動性はこれの影響だと思われます。簡単に言えば、どっかの軍が開発し挙句の果てにコンピュータAIにハックされ、特攻で落とされた無人戦闘機と同じような軌道を描くことができるというわけです。」
無駄に長い説明だと思わずにいられなかったのは俺だけではないだろう。にしてもまさか自分にこんな能力があるとは知らなかった。こんなのがまだもう1つあるとは。
「もう1つの能力は、結界による防御能力です。これはカリブ大尉の鉄の壁とよく似ていますが、これは一定範囲全体を囲み、ありとあらゆる攻撃を無効化できると思われます。ただ、これは本人の体力や精神力によって囲む範囲が変わるものと思われます。」
これは短かった。どうでもいいことだが。
「機体のほうはまず、エクスカリバーと同じ小型のバリア発生装置が搭載されていますが、出力がケタ違いです。おそらく護衛艦なみの出力を誇ると思います。本来の機体強度も能力に耐えられるようできています。」
なんか自分はとんでもないものを手に入れたらしいな。周囲からの視線が痛い。
「また、武装も初期装備以外に本人が念じることでいろんな武装に切り替えることができます。まぁ彼は父が射撃のプロ、母が剣道のプロでしたからいらないかも知れませんが、たとえばドリルを召喚してギガド○ルブレイクをかますことができたりします。」
陽子は昔から説明が無駄に長いのは知っていたが個人情報暴露するなよ。
「以上のことを踏まえて、軍の決定はえっと・・・・・・・居住区域などが設けられている戦艦ヘリオスのセレネ小隊隊長に配属になりました。つまりは私と私の姉の上官ということになりますね。」
いやいやそんなことしたら反対運動おきるだろ何考えてんだ軍本部、と思ったが誰も反論を唱えなかった。階級がすべてというのは本当らしい。少なくともここでは。
かくして俺はヘリオスという戦艦に配属になった。
というわけで第2話です。第2話は少しネタが多くなりました。次回は戦艦ヘリオスの艦長と、そのほかの面々を登場させたいと思います。今後ともこの作品をよろしくお願いします。