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メサイア  作者: 木内マサヤ
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波乱の学校生活 ~新たな戦い~

 年は明け、今日は1月7日、和也たち学生は学校が始まる日であった。当然、和也も学校に行く。そして、そのあくる日の朝のこと。

 ピピピピッ、ピピピピッ。カチャ。そしてひとつ大きなあくび。

「今日から学校か。また大変な日々になるなぁ・・・・・。」

だが、そんなことでは今年を暮らしきれない。たるんでいる自分に活を入れ、ベットに手をかけて立とうとしたとき・・・・・。

ムニッ。

文字で表現するとこんな感じの感触が和也の手に伝わってきた。おそるおそる手のほうへ顔を向けてみると・・・。

「ん~。かずや~。」

「りりりりり・・・・・リサッ!」

予想外の人物に驚いてしりもちをついてしまった。ちなみについさっきまで和也の手はリサの胸の上にあった。

「あ、和也。おはよー。」

「おはよーじゃない!なんでお前が俺のベッドにいるんだ!」

「えー?こんな可愛いアイドルが添い寝してあげたのに不満?」

「そうゆう問題じゃない。」

「ちなみに明と陽子もいるわよ。」

「何っ!」

まず部屋の中を見回し、

「まずそこっ!」

最初にベッドの下。案の定陽子が出てきた。

「えへへへへへ・・・・・・・・。」

「残りはそこだっ!」

部屋の片隅にある制服が入っているロッカー。やはりその中に明がいた。

「な、なぜわかった!」

「この部屋のことは俺が一番知ってるからだっ!!」

朝から疲労感が絶えない。とりあえず3人を追い出して学校の制服に着替える。早着替えは和也の得意技で30秒あればできる。そんなことをしていると、台所のほうからいいにおいがしてきた。まさかっ!!

「あははぁ~。」

「や・・・・やっぱりか・・・・・ははは・・・・・・・。」

とどめの香奈枝の出現でへなへなと廊下に座り込んでしまった。


「・・・・・・・・・・・・・・。」

「なあ、和也のやつどうしたんだ?」

場所は学校。和也はものすごい脱力感をかかえたまま登校してとてつもない脱力感を抱えたまま机に身を投げ出していた。学校初日早々にこれである。

「ええ~せっかく幼馴染と明ともう一人の女の子3人で起こしてあげて、さらにお姉ちゃんの手作り朝ごはんで朝送り出してあげただけなのに~。」

おーい。そこ勝手に捏造するな。そういいたくてもいえないぐらいまで和也は気力が下がりきっていた。

「ぬわにぃ~!!!!!!和也てめ~!そんないい思いをしてたのか!いいか!幼馴染が朝自分の家に来て起こしてくれるってのはなぁ~、男なら1度はしてほしいことランキングの常に上位に入っているといっても過言じゃねえんだぞ!しかもさらに、この学校で男女ともに学校人気ランキング常にベスト3入りしている明蘭さんに、もう1人の・・・誰だか知らないが女の子3人に起こされて、その上水鳥さんのお姉さんに朝ご飯つくってもらっただ

とー!・・・・・・・ぜぇぜぇぜぇ。話したいことはまだまだあるがここで勘弁してやる。」

つくづくどうでもよかった。

「さすがね。アニメ研究部次期部長。あたしと話が合うじゃない。」

「ちなみに和也を起こしたっていうもう1人の女の子とやらは、お約束なら今日ここに転校してくるはずだ。」

これを硬い友情というのだろうか。いや、どこかずれている。つくづくどうでもいい友情が結ばれた。そうそばで傍観に徹していた明は思った。

 そうこうしているうちにHRの開始を告げるチャイムがなる。こんな疲れているときに見る目つきの悪い女教師は目の疲労を加速させそうである。というどうでもいいことを考えていたのを見透かされたのか、チョークが和也に向けて飛んできた。不運にもその隣の将太に当たってしまったが。

「あ~おほん。今日から学校が始まるが、みんなは何事もなくすごせていたかな~。休日はもう終わりだから、ちゃんと気持ちを入れかえるように。あ、そうそう。今日転校生がいるんだった。」

いやな予感しかしない。

「先生、質問があります。」

そう手を上げたのは学園祭の演劇のときの総指揮を取っていた女子だった。

「なぜ、このクラスには転校生が多いんですか。」

「うんとてもいい質問だ。それは、このクラスにはこの物語の主要キャラクターがいるからだ。」

そういって和也たちのほうをチラッと見る。それに反応して他の生徒たちも和也たちをチラッと見てくる。なぜこうも注目を集めなければならないのだろうか。

「よーし。じゃあはいってきてくれ。」

「はーい!」

その瞬間、約3人+教師を除いて、クラス全員が自分の耳を疑った。そして、声の主を見たら今度は自身の目を疑った。しかしいくら頬をつねっても鉛筆で自分の手をさしても鉄製のフライパンで自分の頭を打っても痛みがするので現実だということを認識する。

認識した瞬間、教室がゆれた。

「うおおおおおおおお!」

「りりりり・・・リサだ!本物のリサだ!」

「うおー!俺今まで生きててよかったー!」

「お父さんお母さん。私を生んでくれてありがとう!」

といった声が聞こえてきた。

「おほん!あー、静かに静かに。というわけで今日からみんなと勉強を共にするリサ・フィード・ジェネラリーさんだ。」

「ご紹介に預かりました。リサ・フィード・ジェネラリーです。みなさん、よろしくお願いします。」

これから波乱の学校生活という本日の和也にとってはいやなことこの上ない予感しかしなかった。対して陽子と将太は目を輝かせていた。グラサンをかけたくなるくらいに。


 場所は変わって戦艦ヘリオスの格納庫。1人置いてけぼりになってしまったアリサは、日本時間一昨日に届いたあるものを完成させるために、整備班と一緒に仕事に取り組んでいた。

「だいぶ形になってきたじゃない。」

「そうでありますね。緊急搬入でありましたので間に合わないかとおもっていたであります。」

そう話しながらも、的確に指示を出しているカイとアリサが見上げている物体は、全高17メートルほどのものは、まだ内部パーツのみではあったが、はっきりと人型だとわかる形をしていた。

「ところでシトー少尉?」

「何かしら?」

「少尉は、次元航路追跡システム開発のメンバーだったのでは?なぜここにいるんでありますか?」

「次元航路追跡システムの開発は、結構難航しそうなのよ。だから、まだ私の出番はないのよ。」

「大変でありますなぁ。」

「でも、そのおかげでこっちの組み立てに集中できるのは、ありがたいけどね。」

組み立て作業員から時々質問があがり、それに答えつつも話を続ける。

「これで彼らの負担が少しでも減ってくれれば大助かりね。」

「そうでありますね。」

何機か同時に組み上げているうちの1機に、肩部の装甲が取り付けられた。そこには、その機体の名前とおもわれるアルファベットが書いてあった。しかし、すべての文字は見えない。書いてあったのは、

「N」の、1文字だけであった。


 一方、こちらは私立梅ノ牧高校。現在の時刻はちょうど昼休みである。リサが転入したとだけあって先ほどまでの休み時間には、教室前に人がたかっていたが、昼休みはさらに人の数が増していた。

「ねえねえ、和也。」

「・・・・・・・・・。」

先ほどからリサが和也のことを名前で呼んでいるせいで、一緒に注目を浴びてしまった和也は、脱力感が疲労感に変わって現在進行形で疲れていた。陽子と明は不機嫌そうな顔をしていた。

「なあ、お前保健室行くか?」

「・・・・・・・・・・・。」

将太の問いにも答えはなかったが、頷きの返答があった。

そのまま無言で席から立ち上がって人だかりの中を掻き分けながら保健室へ向かった。途中新聞部員に道を阻まれたが、和也の静かにさせろ!と言葉を放っているかのような怖い視線で一蹴された。

 さすがに保健室の前まで来ると人はほとんどいなかった。保健室の前で軽くノックをし、

「失礼します。」

といって入室したその先には

「はぁ~・・・・」

「失礼しました。」

なぜだろうか。今ものすごい見知った人間を見た気がした。幻覚かもしれないのでもう一度。

「失礼します。」

「はぁ~い。」

幻覚じゃなかった。ハハハと笑いながらなぜここに香奈枝がいるのかを問い詰める気力もなくそのまま和也は倒れこんでしまった。

和也は後に聞いたが、香奈枝は1月から学校に保健の先生としてくることになっていたらしい。


 ここは、地球軍ブラジル基地の、ロード・カリブの部屋である。カリブはちょうど、部下の有川優次と、マリア・サントスから以前チリ付近であった戦闘のデータを受け取ったところであった。

「ふむ。どうやらここ最近、敵さんの1機1機の動きがよくなっているな。」

「はい。ちょうど天児少尉が軍に入り始めて1ヶ月ほどたったあたりからです。」

「さらに、昨月の末に太平洋上で天児少尉が未知の機体と交戦したという情報もはいっております。」

近いうちに何かある。そう、カリブの勘が告げていた。

「とにかくご苦労。今日はゆっくり休んでくれ。」

「「はっ!」」

そういって2人は出て行こうとしたところで、有川のほうは途中で足を止めた。

「そういえば、隊長はご存知でしょうか?」

「ん?何がだ?」

「軍のスポンサーのお嬢様が戦艦ヘリオスに配属されたのはご存知ですか?」

「ああ。かなり優秀な成績で配属されたと聞いたが。」

「そのお嬢様が、天児少尉の通っている学校に転入したらしいんですよ。しかも、配属される直前に天児少尉がその方の護衛をしていたらしいんです。」

カリブは軍に入ったときおよび夏の人工島での特訓で和也の面倒を結構見ていたのである。

「つまり、お前は天児少尉関係でスポンサー嬢が転入したと考えているんだな。」

「はい。」

「ははは。また、彼も貧乏くじを引かされたものだな。俺も彼と同じぐらいの年だったら、護衛には志願をしていたかも知れんな。」

「それは、本気ですか?」

「フ、本気だ。」

その後2人は、しばらく笑った。

「では、失礼します。」

しばらくして、有川も立ち去った。しばらく椅子に座ったまま何か考えるようにしていたカリブは一言つぶやいた。

「死ぬなよ。天児和也。」


 「和也ー。迎えに来たわよー。」

時間はちょうど4時半。大半の生徒は部活動へ行くが、和也たちは部活に所属していないため下校となる。

「おー・・・。わりーな・・・。」

和也は、昼休みに倒れたっきり、そのまま下校時刻まで寝てしまったのである。まあ無理もないが。

「とりあえず、まずは学校の外にでるぞ。」

「ああ・・・・・。」

午前中以上にひどく見える。そう、陽子と明は思った。

「そういや、リサはこの学校通うんだったら家はどうするんだ?明の家みたいなマンションか?」

以前和也は明に呼ばれて姪の住んでいる部屋へ行ったことがあった。部屋の間取りはかなり広く、1人暮らしではもてあましそうだった。場所は意外にも和也の家から割りと近い位置にあった。

「あれー?言ってなかったっけ?」

「「「???」」」

3人はそろって首をかしげる。はて?何か言っていただろうか。

「あたし、今はまだ住むところが決まっていないから、しばらくは和也の家に居候させてもらうって。」

「「「なにぃ~!」」」

見事な息の合わさりようだった。日ごろの特訓の成果だろうか。

「ちょっとあんた!何言ってるの?和也の家に居候?そそそそれってつまり・・・・・。」

「かかか和也とどどどどど・・・どうせ・・・じゃなくて同居するということか!?」

「ちょちょちょちょっとまて!俺は何も聞いていないぞ!」

三者三様に質問をリサに投げかける。ここが学校の前でなくて本当によかった。

「大丈夫!ちゃんと部屋が見つかるまでの間だから!」

どこがだいじょうぶなものか。スキャンダルされたらどうする気だ。

「「よし!決めた!」」

陽子と明が今度は話を切り出してきた。

「「あたし(私)も今日はあんた(お前)の家に泊まる!」」

「はぁ~?」

もう和也に抵抗する気力はなかった。


「和也の世話は私がやる!」

「いいえ、あたしがやるわ!」

「いやあたしよ!」

先ほどのは最初が明、次がリサ、最後が陽子である。

時間は夜、場所は和也宅。和也は帰ってきたとたん、ついに体調を崩してしまったのである。先ほどから3人が言い争いをしていることで和也の体調は悪くなる一方であった。

「ああ、天使が見える。俺を迎えに来たのか・・・・・・・?」

3人には聞こえていなかった。

「馬鹿なことを言っているな。」

突然、どこにもいない5人目の人物の声には、さすがに全員が反応した。天使(エンジェル)ではなく戦乙女(バルキリー)であったが。

「わっ!だだだ・・・誰!?」

もちろんそう発言したのはバルキリーと面識のないリサである。

「お前も・・・・聞いたことぐらいは・・・あるだろ・・・・。伝説の・・・戦乙女、バルキリーだ・・・。」

「え!?嘘!?本当にいたんだ~。」

なんとも物珍しそうにバルキリーを眺めるリサ。

「よろしくな。」

そんな軽い挨拶が交わされると再びうるさい口論が勃発した。

「お前も大変だな。」

「人事だと・・・おもいやがって・・・。」

「まぁ、死なれたら困るから、死にそうになったら助けてやるがな。」

「お前も・・・冗談うまくなった・・・・な。」

そこで和也の意識は途切れてしまった。そんな和也を見てバルキリーもカリブと同様のことを考えた。

「死ぬなよ。世界の救世主。」

そういって、すぅっとどこかへ消えてしまった。


 翌朝。時刻は午前5時。機能あまりにも早く寝てしまった和也は、こんな早朝に目がさめてしまった。昨日口うるさい口論をしていた3人は、結局そのまま疲れ寝で和也の部屋の床で寝ていた。

「体調は万全っと。」

さすがに体調はよくなったらしい。3人を起こさぬようにして部屋から出ると、ちょうど電話が鳴り始めた。そそくさと受話器をとる。

「もしもし?」

「天児少尉ね。ごめんなさい今日本では朝早くに。」

電話の相手はなんと艦長だった。しかし、その喋り声にはややあせったような感じがした。

「よく聞いて。今から数時間前に、月周回衛星が、火星付近にディアボロス帝国の大部隊をとらえたわ。その数は推定1万5千で今尚増え続けているらしいわ。」

「なんですって!」

思わず大きい声を出してしまったため、3人が起きてしまった。艦長の話は続く。

「・・・・・はい。・・・はい。了解しました。天児和也以下4名、至急ヘリオスへ急行します。」

「どうした!?」

さすがに今のでただ事ではないことがわかったらしい。

「火星付近にディアボロス帝国の大部隊が迫っているそうだ。各員、至急ヘリオスへ急行する!」

「「「了解!」」」

すぐさま外にでて、自分の機体を召還する。

「リサはこっちに乗れ。」

リサはメサイアに乗せる。そのほうが安全だからだ。

「バルキリー、いるな?ブースター全開。全速でヘリオスへ向かう!」

守らなければならない。地球を、この町を、自分たちの帰るべき場所を。自分たちの力で。

まさか齢15にして腰痛になってしまいました。木内マサヤです。どうも最近ロボットバトルから日常系に推移しているような気がしています。そのため、次回は本筋に戻し、熱い(ととるかは読者しだいの)バトルを繰り広げる予定です。

 さて、実はこの話でメサイアは記念すべき第10話を迎えることとなりました。これを書き始めてから10ヶ月、評価も何もまだされていませんが、これからも地道にコツコツと書き進めていく予定です。これからもどうぞよろしくお願いします。

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