救世主の誕生
同じような毎日を繰り返していても無駄だ。日常が狂うなにかがない限り・・・・・・・・。少なくとも中学まではそう思っていた。その「なにか」が起きるまでは・・・・・・・・・。
時は西暦2074年、人類は3年ほど前から地球外生命体、通称「Devil」と戦っていた。そして3年前、そのDevilの最初の攻撃を受けたのが・・・・・・俺、天児和也の通っていた中学だった。そのとき学校にいた中での生存者は、俺1人だけだった。なぜ、あの時俺だけが生きていたのだろうか。それはわからない。
最近、同じ不思議な夢を何回も見る。夢には、自分を戦女神バルキリーと名乗る女が出てきてこう言う。
「戦士和也よ、この世界を救ってくれ。それができるのはお前だけだ!」
と。まったく馬鹿馬鹿しい話だと思っていたが、これが数週間ずっと続いているのだ。気にならないほうがおかしい。
「・・・・・よな和也。オイ聞いてんのかよ和也?」
「悪ィ、聞いてなかった。何だっけ?」
「ったくよぉ。今度の日曜2人であそこ行くって話しだろうが。なっ?いいよな?」
「俺は別にいいぞ将太。」
「じゃあ決まりだな。日曜10時、忘れるなよ。」
「わかってるよ。」
言い忘れていたがこいつは東屋将太。俺の友人だ。こいつは部活に所属しているため部活へ行った。
(俺も帰るか)
「私の名はバルキリー。戦士和也よ、この世界を救ってくれ。それができるのはお前だけだ!。」
っ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。またあの夢か。時計の針は8時を指している。ん?8時・・・・・・?
「やべぇっ!」
あわてておきた俺は、すぐに着替えて家を出た。
「ハッハッハッ。間に合っ・・・・・・。」
ドッコォォォォン!
とたんに学校が爆散した。いうまでもなく、それは敵襲の合図である。
「な・・・・・・なんなんだよこれは・・・・」
あのときの記憶がよみがえってくる。
(まただ・・・・。また、俺だけ生きてて・・・・。もう、いやなんだよ!仲間が死ぬのをみるのは!)
敵のメカが銃口を向ける。
(やられるっ)
敵が発砲した。しかし、その攻撃はこなかった。
「!?」
「今こそ、真の力を解放するとき。」
あの女の声がしたかと思うと、自分の周囲が光りだした。そして、気づいたら俺は何かのコックピットに座っていた。 「これは・・・、軍のエクスカリバーの中なのか!?」 エクスカリバー。それは5年前、軍が開発した歩兵型兵器だ。対Devil戦でも有用性を示したことから、今の主力機のひとつとなっている。ただ、それを操れるのはは数十年前から世界で1000万人に1人の確立で出現した超能力を持つ人物のみである。
「これは、この世界を救うために創造された救世主の名を持つ機体。その名はメサイア!」
「メサ・・・イ・・・ア?!」
「それだけではない。今まで気づかなかっただろうが、君も超能力を有している。それを以て、この世界を救ってくれ。」
そう言ってバルキリーは姿を消した。
操縦桿を握ると、不思議なことにメサイアの操縦方法が頭の中に流れてきた。
「いけるっ!!」
メサイアの装備であるビームサーベルを持ち、俺は敵陣へ突っ込んでいった。
ここは、某所上空。3機のエクスカリバーが、つい先ほど敵が出現した場所へ向かっていた。
「スコーピオン小隊より本部へ。敵の規模はどのくらいだ?」
スコーピオン小隊は、軍のエクスカリバー部隊の最強12隊の1つだ。隊長はロード・カリブ。エクスカリバー隊に入る前は空軍にいた猛者だ。
「本部よりスコーピオン1へ、敵はA型5、B型3、C型1です。」
「了解。スコーピオン1から2,3へ。聞いたとおりだ。フォーメーションFで敵を撃墜する。」
「待ってください!!謎の機体が1機出現しました。」
「敵か!?」
「わかりません。スコーピオン小隊は至急確認をお願いします。」
「了解!」
ロードたちは現場へ急行した。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
ガキンッ!!
ドッコーン!!
近くの敵は刀、といってもおかしくない形状にしたビームサーベルで斬り、遠距離から攻撃してくる敵は本体に直結されているビームガンポットで撃破していた。
(あと5機!!)
敵が突撃を仕掛けてきた。それをかわしたところで敵の砲撃を受けてしまった。
「くっ!まずい!」
左脚部に被弾した。はずであった。
「!?」
しかしその攻撃を受けた場所はどこにも損傷はなかった。そのことが気になった和也だったが、今はそんなことを気にしている場合ではなかった。
(よしっ!3分で片付けてやる!)
そして敵の残りを撃破していった。
「なんだとっ!!」
現場上空でこの戦闘を見ていたロードたちは、驚愕の声を上げずにはいられなかった。
今まで見たことのない機体もそうだが、それ以上に驚いたのがあの機体の機動力、そして耐久性であった。機動力は明らかにエクスカリバーを上回っており、エクスカリバーでは最悪機体が分解しかねない機動力である。
また耐久性においては、あの機体も見る限りではエクスカリバーと同じ小型のバリア発生装置を搭載しているのだろう。だが被弾した場合、エクスカリバーなら損傷はなくても少なからず機動性に影響が出るはずである。被弾しても尚、被弾前と変わらぬ機動がとれるのだから驚かずにはいられなかった。
そうこうしているうちに戦闘は終了していた。周囲には敵機の残骸がいくらか残っていた。
「よし、あの機体の操縦者を保護するぞ。」
「「了解」」
戦闘が終わると機体は光を出して消え、右手にガントレットとなってくっついていた。ふぅっと安堵の息が漏れた。しかしそれもつかの間、3機のエクスカリバーがやってきた。
「君がさっきの機体のパイロットだな。若いな。名前は?」
「天児和也だ。あんたらは?」
「これは失礼した。私は地球軍スコーピオン小隊隊長、ロード・カリブだ。」
「同じくスコーピオン小隊隊員、有川優次です。」
「同じく、マリア・サントスです。」
「さて天児和也君、軍まで同行してもらえないかね?」
どうやら逃げるのは無理そうだ。
「わかった。」
俺は軍へ同行した。
(俺は軍に入ることになりそうだな)
~終~
このたびは本作品をお読みいただき有難うございました。この本を書いたのは国語が平均並みの成績の中学生なのでつっこみどころが満載かもしれませんが目をつむっていてください。これからぼちぼち書き進めていくのでよろしくお願いします。