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透き通る色

 あなたとわたしは別の色。あなたは透き通る薔薇色。わたしは透き通る檸檬色。

 わたしの体を、様々な色が通っていく。だからわたしは少しずつ汚い色に近づき、透明ではなくなっていく。

 あなたはわたしと同じように汚れていて、わたしはあなたを鏡写しの自分と見まがう。あとで違う色だと気づき、わたしは驚く。

 あなたとわたしが重なりあうと、きれいな橙色になる。多少濁っていても、わたしはとても誇らしく思う。

 あなたとわたしは同じ色を共有し、少し重なっただけのその部分を大切にする。

 離れていても、共有し、美しい橙色になったあの部分を思い出す。

 再会しても、あの橙色は同じ色であろうと思う。

《了》

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