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コップ、水、私たち

 私たちは私たちというコップの中に注がれた私たちという水でしかない。

 コップは私たち。水も私たち。

 コップには様々な形があるだろう。

 美しくもあれば、醜くもあるだろう。

 個々に表情もあれば、感情もあるだろう。

 けれど水には「それぞれ」などない。

 一様に同じ原子から成る同じ分子だ。

 水だから、蒸発もする。凍ることもある。

 減れば注がれもするだろう。

 注ぐのは、宇宙。あるいは隣のコップ。

 私たちというコップは、水を減らしたり注いだり、忙しい。

 水がなくなることもあるだろう。きっとそれは私たちが死と呼ぶものだ。

 コップが割れることもあるだろう。きっとそれは私たちが忘却と呼ぶものだ。

 私たちはコップ一杯の水。多分、そうだ。

《了》

 誰でも思いつきそう、あるいは誰か書いてそうなので、小説に結びつけず短い詩にしてみました。

 2012.9.8.花木静

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