第2話 部活
着替えを済ませ、体育館へ移動した。
すでに他の部活の人が何人か来ているようだが、電気が点いておらず、薄暗かった。
「うっわ、暗い…。テンション下がるなぁ」
思わず俺は呟いた。
「ははっ。…え〜と、電気は…と」
豪は笑いながら電気を探す。
走り込みや筋トレで、あまり体育館には来なかったので、設備には疎いのだ。
「…おっ、あったあった」
豪がパチッとスイッチを入れると、水銀灯に明かりが灯り始めた。
二人で協力して、いつもは閉じてあるゴールを全て開き、ボールやモップ、タイマー、得点板を準備した。
「「あ〜、終わった〜」」
豪と合流すると同時に同じことを言ったので、なんだか笑えた。
コートサイドに腰を降ろして、シューズを履いていると、続々と先輩や友達が入って来た。
「お〜川岸、高橋、お前ら早いなぁ〜」
最初に話しかけて来たのはキャプテンの斉藤さんだった。
「「ちわ、斉藤キャプテン」」
俺たちは立ち上がって挨拶をした。
「もっと気楽にいいって。今日から楽しくやろうな!」
斉藤さんはそう言って笑った。
その笑顔は爽やかで、余裕がある感じだった。
――かっこいい。
素直にそう思った。
「斉藤さん、かっこいいよなぁ」
斉藤さんが去った後、豪がぽかーんとしながら呟いた。
「俺も思った」
俺は口でそう答えた。だけど密かに、
(お前も普通にかっこいいよ)
と心の中で豪に言った。
「集合ーーーー!」
その時、キャプテンの声が体育館に響いた。
俺たちは慌てて集合場所に駆けていった。
少し書き方を変えてみました。よかったら感想下さいm(_ _)m