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第6話:リアルの事情

ネメシス世界とは時間の進み方が違うリアル世界。


直哉「とりあえず最初の問題だな」


自分が運転する車の中で、突然そう告げた直哉。


真由美「最初の問題って何ですか?」


そう聞いてきたのは、助手席に座っている真由美だった。


直哉「これから消えた学生達の家族に説明にいくんだよ。信じてもらえるかどうかは別としてな」


そう告げタバコをくわえる直哉。


真由美「私はタバコ吸わないんですけど、って宇美先輩の前でも吸っているんですか?」


少々睨みつけながら尋ねる真由美。


直哉「そーいや吸ってないな」


真由美「何で先輩の前では吸わないで、私の前で吸うんですか?」


隣がうるさくなってきたからなのか、タバコを吸うのをやめた直哉。


直哉「まぁ、じゃれ合いはこれくらいにして・・・」


真由美「って、私はネコですか!?」


直哉「午前中で三件行くぞ」


そう言って行動を開始する直哉と真由美。


そして、午後になる前に三件を回り終えた二人。


真由美「う〜っ・・・」


何やら疲れた表情をしている真由美。


直哉「なんだ、もうギブアップか?」


少々笑いながら言う直哉。


真由美「ギブアップじゃありません!・・・けど」


直哉「お前はこういうのは初めてだろうからな。気持ちはわかるが・・・」


それからしばらくして・・・。


真由美「あの・・・一ついいですか?」


直哉「ん?」


とぼけたような顔をしている直哉。


真由美「何でいきなり喫茶店に入ってくつろいじゃってるんですか!まだ、あと二家族の所に行かないといけないんですよ」


直哉「理由があるんだよ・・・わざとこの二つは最後にした。あいつ・・・宇美の希望だからな」


真由美「!?・・・宇美先輩の」


そして、喫茶店で二人が時間を潰しているとまた仕事を切り上げたのか宇美が姿を現した。


直哉「また早上がりで大丈夫なのか?」


宇美「えぇ、学校側には話をつけてきたから・・・辞めるのも覚悟の上でね」


真由美「先輩、教師辞めちゃうんですか」


驚いた表情を見せる真由美。


直哉「・・・宇美・・・」


宇美「ほら行くわよ。それが今の私達の仕事でしょ」


そんなわけで、喫茶店を出る三人。


そして三人は、別の喫茶店へと入っていった。


そこには三人を待っていた、聡史の父・茂と紗江の母・沙織がいたのであった。


宇美「お待たせして申し訳ありません」


茂と沙織に謝る宇美。


茂「私達もさっき来たばかりですよ、先生」


沙織「・・・」


そういう茂に対して、沙織はとても不安そうな表情を見せていた。


直哉「俺達が知っていること・・・全てお話しします」


真由美(先輩、自分のクラスの生徒だから・・・自分でちゃんと話したいって・・・だから・・・)


宇美「・・・そう言う事情で・・・私には止めることができなかった・・・」


沙織「紗江は・・・戻ってくるんですよね・・・」


直哉「俺達も全力を尽くしますが、一番必要なのは向こうの世界に飛ばされた子供達の強い心です」


そう言い放つ直哉。


茂「大丈夫ですよ沙織さん。紗江ちゃんは元気いっぱいの子ですから、そして聡史も・・・大人しいですけどどんなことにも頑張れる強い心は持っていますよ」


聡史と紗江の事をそう語る茂。


沙織「はい・・・あの」


と、宇美に声をかける沙織。


宇美「なんでしょうか」


沙織「私達にも出来ることはあるんでしょうか」


そう尋ねる沙織。


直哉「無事を祈ること・・・その思いが隔てた世界にいる子供達に届くかもしれませんからね」


茂「祈りですか・・・そうですね、なにもしないよりは・・・」


宇美「何か新しい情報が入りましたら、必ずご連絡いたします」


そして、話を終えた直哉達は喫茶店の外で茂・沙織と別れた。


真由美「宇美先輩・・・」


宇美「とりあえず私の役目は果たしたわよ。後は真由美に任せるわ」


直哉「何かわかったら連絡を入れる。だから、教師の仕事・・・精一杯やってこい」


そう言い放つ直哉。


真由美「でも学校の方も騒ぎになってますよね・・・生徒が五人も消えたら・・・」


宇美「真由美は心配しないでいいのよ。これはこの職業を選んだ私の使命だから」


直哉「一度本部に戻るぞ。麻理の奴が何か解析したかもしれないしな」


直哉がそう言うと


真由美「麻理じゃなくてマリーって呼ばないと拗ねちゃいますよ・・・」


宇美「せっかく私用で時間取ったんだから、急ぐわよ」


そんなこんなで家族への説明を終えた三人は、一度本部へと戻ることにしたのであった。


そして、時は遡り舞台は再びネメシス世界へと・・・移っていくのである。

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