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第4話:一ヶ月と一日

ヘスカの提案により、特訓を行うこととなった聡史。


その相手はモノルスの館の魔物であったり・・・。


はたまたヘスカであったりと、大変な日々を過ごしていた。


そして、特訓を開始して・・・一ヶ月の時が過ぎていった。


モノルス「・・・確かにヘスカ姉さんの指導も効果はあったっすよ・・・でもそれより聡史本人の気持ちが一ヶ月前とは全然違うっすよ」


少し興奮しながら語るモノルス。


モノルス「次行くっすよ」


聡史「はいっ」


剣を構え返事をする聡史。


そして、前方から魔物が氷のつぶてを連弾で放ってきた。


聡史「いきますっ」


迎え撃つ聡史。


と、聡史の持つ剣に記された紋様が光りそこから炎が放出された。


その炎は剣にまとわり、聡史が剣を振るうと共に向かってきていた氷のつぶてを全て蒸発させたのだった。


ヘスカ「やるようになったみたいだな、聡史」


何処からともなく姿を見せたヘスカ。


聡史「ヘスカさん」


剣を鞘におさめてそう言う聡史。


ヘスカ「大抵はモノルスに特訓を任せていたが・・・【レプリカ】とはいえ【炎】のエンブレムをここまで扱えるとはな」


聡史「それって凄いことなんですか?」


疑問に思いそう聞いた聡史。


ヘスカ「この世界には様々な力を宿す紋章(エンブレム)が存在する。無論、それだけのものだからな・・・誰でも扱えるものではない」


そう説明していくヘスカ。


モノルス「まぁ、扱いが難しいのは【オリジナル】のエンブレムっすけどね。レプリカならある程度は誰でも使用可能っすよ」


ヘスカ「とりあえずは合格ラインはギリギリというところか・・・」


じっと聡史を見ながらそう言ったヘスカ。


聡史「まだ、ギリギリなんですか・・・」


ヘスカ「だから最後の特訓だ。全ての力を私にぶつけてみろ!」


そう告げ剣を抜いたヘスカ。


モノルス「姉さんが結構本気っすよ・・・どうするっすか、聡史」


聡史「これが特訓の卒業試験なら・・・全力でやってみるよ」


そしてヘスカに向け剣を抜き、挑んでいく聡史なのであった。


その頃、リアル世界では・・・。


ネメシス世界で一ヶ月の時が経っているなかで、リアル世界ではまだ一日しか過ぎていなかった。


宇美「直哉、真由美をよろしく頼むわよ」


真由美「大丈夫ですよ先輩。先輩の分まで・・・」


直哉「今日からチームが結成される。本格的に動くことになる」


と、そんな直哉の背後から


マリー「私の存在を忘れてるだろ。わざわざ呼ばれてきたと言うのにな」


宇美「麻理さん・・・別に忘れては・・・」


マリー「麻理って呼ぶな。マリーだ。こっちの方が気に入ってる」


彼女は篠山麻理。


直哉達同様に本部に所属しており、主に研究を行っている。


直哉「この一日で何かわかったらしくてな・・・来てもらったんだ」


そう説明する直哉。


マリー「辛いことだが聞け。三年前の一件ではこんなことはなかったんだがな・・・」


宇美「三年前・・・の話ですか」


ちょっと気が重くなる宇美。


マリー「・・・じゃあ結論から言う。今現在、あっちとこっちの時間の流れは違う。どれくらいかまでは更に研究してみないとわからんがな」


そう告げたマリー。


真由美「何でそんな事がわかるんですか?」


マリー「原因は昨日の現象。あれにより時空に大きな歪みが生じた」


直哉「なら、三年前の件は・・・あれでも同じように・・・」


マリー「可能性として昔の状態に戻った・・・ということだろうな」


そう説明をつけていくマリー。


直哉「それがわかったからといって、俺達にはすぐに何か出来る手はない。それに味方は俺たちだけじゃないだろうしな」


確信しているかのごとく語る直哉。


宇美「そろそろ学校だから私は向かうわ・・・心配するなって言う方が無理だけど、私は私のやることを・・・」


直哉「あぁ、それでいいさ」


そして、リアル世界での朝が過ぎていくなか・・・。


ネメシス世界での聡史とヘスカのぶつかり合いは・・・。


ヘスカ「まだ本気を出していないとはいえ・・・私に一撃を与えるか・・・聡史」


聡史「だってヘスカさん・・・僕を不合格にするつもりなかったでしょ。だから攻撃を当てられたんです」


そう告げた聡史。


モノルス「やっぱりこれが選ばれた者の成長の早さっすかね・・・」


そう解釈するモノルス。


ヘスカ「私の判断ではお前は合格だ。だが・・・」


と、真剣な表情になるヘスカ。


ヘスカ「聡史・・・この町の外の世界を巡る・・・それは聡史が想像しているよりも過酷だ。だから・・・」


ヘスカがそう言うと、聡史は手を差し出した。


聡史「はじめの頃・・・僕が逃げ出しそうになったとき・・・ヘスカさんは勇気づけてくれました。僕が強くなることが、元の世界に帰れることだから」


聡史のそんな言葉を聞き、ヘスカは聡史の手をとった。


ヘスカ「足手まといになったら置いていくぞ」


聡史「そうならないように頑張ります」


そして、二人の邪魔にならない場所で見守っているモノルスと館の魔物達。


ヘスカ「モノルス」


モノルス「なっ、何っすか」


いきなり名前を呼ばれて驚いているモノルス。


ヘスカ「例の以来の件だが・・・」


ヘスカがそう言うと理解したように


モノルス「それならちゃんと返信が届いたっすよ」


と、館の奥から何やら小さな空飛ぶ魔物が姿を現した。


聡史「他のより小さいけど・・・」


モノルス「通信・通達を目的にして誕生した魔物っす。名付けるなら【伝書バット】。と、いっても手紙じゃなくデータとして中に記録してるんっすけどね」


聡史「伝書バットって・・・伝書鳩?」


と、その魔物がデータを放出するとそれが実体化されヘスカの手に渡った。


ヘスカ「聡史の特訓の間にな・・・旅をスムーズにするために、モノルスの一族に協力を要請した」


モノルス「色んな所にいるっすよ。今回は感知力などがずば抜けてる仲間の所に通達したっす」


ヘスカ「地図にある五つの点。それが聡史達がこの世界にやって来た時の不思議なエネルギーを感知した場所」


聡史「じゃあ、そこに行けば・・・」


強くなり、そして希望をも見えてきた聡史。


そんな聡史の本当の冒険はここから始まっていくのである。

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