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第29話:自然の力を宿す一族

ヘスカ「船の調子がおかしい?」


美那「船長さんが言うにはおかしいかもって所で・・・航路の途中に港がある島があるのでそこを経由するって」


聡史「クラトパスが僕達を行かせてくれたのに・・・」


ヘスカ「仕方がないがこれも何かの縁かもしれない。島に着いたら情報を仕入れてくる」


そう考えているヘスカ。


その頃・・・。


ケーロン「ミューズ様・・・」


ミューズ「ケーロンか・・・」


ケーロン「あの出来損ないは始末したご様子ですが、人間達を放ってよろしいのですか?」


ミューズの部下・ケーロンがそう聞いた。


ミューズ「妾はバカとは違う・・・今回は奴等に運が向いた・・・だからこそ見逃した・・・エンブレムさえあれば何とかなると思うておったが、少し策を考えた方がよいな・・・この世界の力の根源、姫巫女を手にするためには」


そう告げると海の底へと消えていったミューズ。


ケーロン「・・・いずれ戦うことになるでしょうけどね・・・」


そう呟き沈んでいくケーロン。


そして、聡史達を乗せた船は点検のため近くの島の港に到着した。


ヘスカ「しばらくはかかるそうだから聡史達もあまり港から離れない場所なら行動してもいい」


聡史「僕達も情報収集なら・・・」


聡史がそう言うと


ヘスカ「今は気持ちを落ち着かせて切り替えろ。ミューズとの接触は予定外だった。これからの旅に引きずっていてはいけないからな」


それだけ伝えると、情報収集へと向かったヘスカ。


美那「ボク達はどうしますか?」


聡史「とりあえず近くを見て回ろうか・・・その方が気持ちも落ち着くだろうし・・・」


そう言って船を降りる聡史達。


『あいつのやり方じゃあんた達は先に進めないわよ』


突然声が聞こえ振り向くと、船の上に誰かが立っていた。


紗江「何、あの人」


『よっ・・・と』


その人物は船の上から飛び降りると何事もない感じで着地した。


美那「なんか凄い・・・」


聡史「貴方は・・・」


クオラ「私はクオラ・グランウォート。あんた達・・・って呼ぶのは失礼かしら。確か聡史に紗江よね」


紗江「何で私達の名前を」


クオラ「前の戦いを見ていたの・・・前と言ってもそれなりにだけど」


聡史「僕達の戦いを見ていた貴方が何で・・・」


そう尋ねる聡史。


クオラ「さっきも言ったけど・・・あいつの元にいても強くなれないわよ」


再びそう告げたクオラなのであった。


聡史「ヘスカさんと一緒じゃ強くなれないって・・・」


クオラ「何も聞かされてないのね・・・あいつの素性について」


紗江「一体なんだっていうのよ」


クオラ「話してあげるわ。私も含めた一族の話を」


そう告げたクオラ。


それからクオラは語った。


かつてグラン一族と言う大きな一族がこの世界に存在していたという。


グラン一族は昔より存在し、古い文献にはエンブレムを創造したとも記されていたという。


その後にオリジナルを元にレプリカが誰かの手により作られ、エンブレムの力は世界中に広がったという。


聡史「エンブレムの歴史・・・」


クオラ「だけど誰でも使えるレプリカが現れたことで悪用する者達が当然のように現れた」


語り続けるクオラ。


エンブレムを作ったとされるグラン一族はこの事態に責任を感じある手を打ったという。


世界中を見れるように一族を、【地】【水】【火】【風】の四つの流派に分け世界に解き放ったという。


クオラ「グランの名もそれから変わった。火の流派は【グランリート】と名乗り、水の流派は【グランウォート】と名乗ったのよ」


紗江「ヘスカさんってそんな凄い一族の子孫だったんだ」


感心している紗江。


クオラ「だけど他の三流派はそれなりに栄えたけど、グランリートだけは違ったのよ。三年前を期にほぼ滅んだも同然の状態・・・当時最強だったミラ・グランリートがあんな死に方したんじゃ・・・」


聡史「ミラさんは・・・この世界のために・・・」


ヘスカ「そうだ・・・姉は間違った選択はしていない。姉を侮辱するならいくら先祖が同族でも容赦はしない・・・クオラ!」


クオラ「あら・・・」


と、情報収集に出ていたヘスカが戻ってきていた。


美那「ヘスカさん・・・」


クオラ「私は事実を語っただけよ。実際それが原因でグランリートは・・・」


ヘスカ「クオラ・・・」


と、その時船から合図が放たれた。


クオラ「どうやら再出発するみたいね。まだ話するなら船内で・・・じゃあ」


そう告げると船に乗り込んでいったクオラ。


聡史「ヘスカさん・・・」


ヘスカ「過去の話は真実だ。グランリートは三年前より散り散りになりほとんど滅んだも同然の一族だ」


紗江「色々考えるのは後!先に進むのが大事でしょ」


周りの重い空気を吹き飛ばすかのような紗江の言葉。


ヘスカ「そうだな」


そして、船は目的地目指し進み始めるのであった。

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