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第23話:三人目のリアル世界人

何とか洞窟を抜け出すことに成功した三人。


今現在三人は、その先にあった茶屋で一休みしていた。


紗江「ん〜・・・」


と、何やら考え込んでる紗江。


ヘスカ「どうした?」


紗江「聡史の様子がいつもと違うなって・・・どことなく元気がない」


そう指摘した紗江。


ヘスカ「なら聞いてみるか。悩みなどの相談に乗るのも仲間だろう」


そんな訳でその事を聡史に話した紗江。


聡史「心配かけるつもりなかったけど・・・流石紗江だね」


そう告げる聡史。


ヘスカ「聡史が浮かない顔をしている理由・・・私達とはぐれた後、洞窟内で何かあったのか?」


聡史「・・・隠しておくことじゃないし・・・ちゃんと話すよ・・・少し辛いけどね」


そして、聡史は話した。


モノルスの仲間であるロクラスとの出会い。


それからの経緯も全て話した。


紗江「ヘスカさん・・・きっと大丈夫だよね・・・」


ヘスカ「酷なことを言うかもしれないがいいか?聡史」


聡史「・・・うん」


静かに返事をした聡史。


ヘスカ「ロクラスも姉と同じだ・・・だが、悲しみを与えたい訳じゃない。聡史に希望を残したんだ。まだ犠牲になったと決まったわけではないが、立ち止まっていては意味がない」


そう言い放ったヘスカ。


『まぁ、その通りだろうな』


突然聞こえてきた声。


その声の方を向くと、そこには二体の小さな魔物が飛んでいた。


ヘスカ「あの魔物は・・・」


モノルス『聞こえるっすか?ヘスカ姉さん』


聡史「今の・・・モノルス!?」


紗江「じゃあ、最初の声は・・・」


ヘスカ「ノイトス・・・お前か」


ノイトス『事情は全て知った。俺にはどうでもいいが』


聡史「何で・・・ロクラスは同じ一族だったんでしょ」


モノルス『・・・そうっすよ』


ノイトス『・・・その話はあとだ。まずはやるべき事もある・・・特に聡史・・・お前にな』


そう告げたノイトス。


ヘスカ「しかし何で通信機を使わないんだ?」


モノルス『まぁ、それはノイトスが・・・』


ノイトス『話をそらすな。聡史、ロクラスはお前に全てを託した』


聡史「それはさっきヘスカさんから聞いて・・・希望を・・・」


そう告げる聡史に対し


ノイトス『言っただろ、全てを・・・と』


するともう一体の魔物が聡史の前に降り立ち、その姿を変えた。


現れたのは小さな箱。


聡史がそれを開けると、中には地属性のレプリカエンブレムが入っていたのだった。


聡史「ノイトス・・・これって」


ノイトス『察しろ。俺からは何も言わん。あと、この近くの街が反応のあった地点だ。仲間を取り逃がす前にさっさと行くことだな』


と、通信機代わりの魔物が飛び立とうとした時


聡史「モノルス・・・」


モノルス『ロクラスからの通信機、必要ならヘスカ姉さんの持ってるのを登録するといいっすよ。役立つかわからないっすけど相談にはのれるっすから』


聡史「うん・・・ありがとう」


そして話を終え、魔物は飛び立っていった。


紗江「何だか展開が・・・」


ヘスカ「そのレプリカ・・・大事に使えよ。それの持ち主だった奴の思いを知るのはお前だけだ」


ヘスカの言葉に頷く聡史。


そして茶屋を出発した三人は、一直線に次の街を目指していった。


同じ頃・・・。


ガイラス「準備は整ったか。獄地獣・モノトーン」


モノトーン「いつでも出られますぜ。異世界の連中など俺のパワーで粉砕しますぜ」


ガイラス「アストが出陣できないからな・・・奴等を仕留め全てを奪ってこい」


モノトーン「承知しました、ガイラス様」


そう言うと姿を消したモノトーン。


ガイラス「俺の右腕としてはアストが最高だが・・・我が軍で一番厄介なのがモノトーンだからな」


そう呟くガイラス。


そんな中、聡史達は無事に次の街に辿り着いていた。


街へ向かう道中、聡史は新たに得たエンブレムの事をずっと考えていた。


ヘスカ「紗江、今の聡史は無防備に近いからな・・・一緒にいてやってくれ。私は情報を集めてくる」


そう行ってパーティーから離れたヘスカ。


紗江「レプリカってほぼ誰でも使えるんだよね?」


聡史「そうだけど・・・ロクラスみたいに上手く使えるかどうか」


自身の無い発言をする聡史。


紗江「じゃあ、それの使い道が決まるまで私が聡史を守るから。それでいいよね!」


拒否など許しません・・・的な表情を見せる紗江。


それからしばらく会話を続けていった二人。


ヘスカ「盛り上がっている所すまないが移動するぞ」


聡史「何かわかったんですか?」


ヘスカ「それをこれから確かめにいく。上手くいけばすぐに会えるだろうな」


そんな訳でパーティーは街の裏にあるエリアへと向かうのであった。


紗江「うわーっ」


紗江はその光景に驚いていた。


ヘスカ「この街の名物らしい。街の裏にあるこの自然は珍しいからな」


そう説明するヘスカ。


聡史「それでここに僕達の世界から来た人が・・・」


と、三人は奥に見える花畑の中央に人がいるのを見つけた。


『!?』


すると相手もこちらに気付いたらしく振り向いた。


その直後、いきなりこちらに向けて走り出したその人物。


「やっと・・・会えたっ」


と、いきなり聡史に突撃したその人物。


聡史「き、君は・・・」


美那「ボクは早乙女美那だよ、図書室で結城先輩の姿何度も見てたよ」


そう告げた美那と言う人物。


紗江「聡史、面識あったんだ」


聡史「えっと・・・あんまり覚えてないけど・・・一年生なんだね」


美那「はいっ、あと荒井先輩も久しぶりです」


紗江「私・・・も?」


美那「よく結城先輩を探して図書室にやって来て、先生に注意されて・・・」


美那がそう言うと、何やら小さくなっている紗江。


紗江(そんな覚え方されてるのか・・・私って)


ヘスカ「積もる話もあるだろうが・・・こちらの話を聞いてもらいたいのだが・・・」


ヘスカがそう言うと


美那「大体は聞いてますよ。昔の話とか教えてもらって」


紗江「聞いてるって・・・」


ヘスカ「まさか・・・三年前の関係者がこの街にいるのか」


美那「街に戻ったら案内するよ。ボクと一緒で泊めてもらってる人だから」


聡史「あっ・・・」


突然そんな声をあげた聡史。


紗江「どしたの?」


聡史「思い出した・・・早乙女さん・・・新入生なのに積極的に花の世話とかしてて凄いなって思ったんだ」


頭の中で思い出しながら話す聡史。


紗江「花とか好きなんだね」


美那「花って言うか植物全般は・・・一生懸命に世界で生きているんですよ」


何やら目を輝かせて語る美那。


ヘスカ「三人とも・・・とりあえず思い出話は後にしてくれないか・・・美那も事情をあらかた知っているならわかるだろう」


美那「了解だよ」


そう言った美那。


街の裏にある自然いっぱいの場所で三人目となるリアル世界の住人と出会ったパーティー。


だが、聡史達はまだ知らなかった。


そして、何も知らず街へと戻った聡史達はその光景に驚くことになるのである。

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