第20話:初ダンジョン
時は少し遡り、ネメシス世界。
聡史「誰かが仕組んだって・・・」
何やら驚いている聡史。
ヘスカ「確証はないが微かに魔物達から香りがした。あれは魔物達を暴れさせるためのものだろう」
そう説明するヘスカ。
紗江「でも誰がやったんだろ」
ふと疑問に思う紗江。
ヘスカ「今は気にしても答えはわからないが、一応覚えといてくれ」
少し曖昧的な感じになりながら、先を進んでいる聡史達。
そして三人は、とある洞窟の入り口に到着したのだった。
紗江「洞窟だね・・・」
ヘスカ「山越えのルートもあるが、それよりここを通る方が簡単だからな」
そう告げたヘスカ。
聡史「少しドキドキしますね」
ヘスカ「警戒は怠るな。薄暗くて敵を確認しづらいからな」
そんな訳で洞窟内へと入っていく三人。
紗江「本当に薄暗いけど・・・聡史の炎の力を使ったら明るくなるんじゃない?」
そう提案した紗江。
ヘスカ「無駄に力を使うな。何があるかわからないんだ」
そう忠告したヘスカ。
紗江「じゃあ、気を付けて進まないとね。聡史も・・・」
そう言い隣を歩いていた聡史を見た紗江。
しかし、そこに聡史の姿はなかった。
紗江「聡史!?」
そして聡史はというと、すぐ近くの傾斜で足を滑らせていた。
そのままスライダーのように傾斜を滑っていく聡史。
紗江「あっ、ダメっ」
とっさに後を追いかけようとした紗江だったが、そんな紗江の腕をヘスカが掴んだ。
紗江「ヘスカ・・・さん」
ヘスカ「お前まで行ってどうする」
紗江「でも・・・」
すでに聡史の姿が見えなくなった傾斜の先を心配そうに眺めている紗江。
ヘスカ「先へ進もう。この傾斜の道と合流しているはずだからな」
そう考えていたヘスカ。
紗江「うん・・・」
元気のない返事をする紗江。
そして、聡史はというと・・・。
思いきり傾斜を滑っていた。
聡史「!!」
そして次の瞬間、聡史の身体は宙に投げ出されていた。
重力のままに落下を始める聡史。
聡史(ヘスカさんや紗江なら自分のエンブレムで何とかすると思うけど、僕の火じゃ・・・)
だがその時、突如回りの壁から腕が出現し聡史を優しくキャッチした。
聡史「えっ?」
あっけにとられている聡史をよそに、先程の腕を操っていた人物が聡史の方を見ていたのであった。
ゆっくりと大地に降ろされた聡史。
ロクラス「いきなり人間が降ってきたと思ったらまだ子供とはな」
そう話しかけてきたのは魔物。
それも見たことある感じの・・・であった。
聡史「もしかしてモノルスの・・・」
ロクラス「なるほどモノルスからの伝達にあった・・・三年前の再来の子か・・・じゃあ俺の紹介からだな。俺はロクラス。この洞窟に住んでるんだ」
聡史「あっ、僕は・・・」
ロクラス「結城聡史だろ。モノルスから聞いている・・・しかし・・・」
先程聡史が落ちてきた場所を見るロクラス。
聡史「さっきのあれは・・・」
ロクラス「再来の子ならすでに手にしてるだろうが・・・」
そう言うとロクラスは地面に手をついた。
すると、地面から先程の腕が飛び出してきたのだった。
ロクラス「【地】属性のエンブレムさ。レプリカだけどな」
そして、ロクラスが力を解除すると腕は崩れ落ちていった。
ロクラス「まぁ、エンブレムの話は後々として・・・仲間がいるんだろ?さすがに一人じゃ危険だからな。合流するまで付き合ってやるぜ、モノルスからの伝達でも言われたしな」
そう告げたロクラス。
聡史「あんまり危険には見えないけど・・・」
ロクラス「俺以外にも前からこの洞窟に住み着いている奴がいる。もし出会ったらすぐ逃げろ。洞窟内じゃ奴が有利だからな」
そう忠告したロクラス。
聡史「そんなに強いんだ・・・」
ロクラス「出会わないためにはすぐに洞窟を抜けることだからな。じゃあ、行くぜ」
そんな訳で、ロクラスと共に洞窟内を進むこととなった聡史。
ロクラス「再来の子ならエンブレム持ちだろうが、何属性なんだ?」
聡史「火です。レプリカも持ってたんだけど・・・」
ロクラス「?」
そしてロクラスは聡史から話を聞いた。
ロクラス「洞窟にこもってる間に、外世界は動いているか・・・二つの勢力・・・」
と、何か考え込み始めたロクラス。
ロクラス「俺はレプリカ持ちでしかないが、少なくとも使いこなせていると思う。嫌じゃなきゃ洞窟を抜けるまでの間、エンブレムのアドバイスが出来るが・・・どうする?」
そんな話を持ちかけるロクラス。
少しで目強くなるきっかけを求めている聡史がこれを無下にするはずもなく、すぐに了承の言葉を返したのであった。




