第16話:剣上決戦!ヘスカVSアスト
こちらはネメシス世界、遥か上空。
そこには宙に浮かぶ島があった。
魔物「エアドラ様・・・」
一匹の魔物がある情報を伝えていた。
エアドラ「俺の部下の一人、フルージャを倒したか・・・」
そう告げたのは別名・空帝と呼ばれているエアドラだった。
魔物「次はいかがなさいますか?」
そう聞く魔物。
エアドラ「しばらくは様子をみろ。この世界を狙っているのは俺達だけではないからな」
そう呟いたエアドラ。
そして、ほぼ同時刻。
陸帝・ガイラスは・・・。
ガイラス「やはり動き出したか、あのハエ達が」
そんな風に言うガイラスの横にはアストの姿があった。
アスト「・・・」
宙に映し出されている二つの映像。
その中でアストは、フルージャの映像よりもヘスカ達の映像を見つめていた。
ガイラス「お前の興味は人間達か?アスト」
アスト「一応剣を扱うものとして・・・程度ですが」
そう答えるアスト。
ガイラス「なら少し遊んできても構わんぞ。しばらくはこちらも手を控えるからな」
ガイラスの言葉を受け
アスト「わかりました・・・少し試してきますよ」
そう言いその場を離れたアスト。
ガイラス「アストの代わりに別の奴を姫巫女の監視にあたらせろ」
そう部下に指示したガイラス。
そしてこちらは聡史達のパーティー。
聡史「エンブレムか・・・」
エンブレムの歴史を教えてもらった聡史。
聡史「ヘスカさんは元から上手く扱えてるし、紗江も最初からあんな風に・・・」
ヘスカ「エンブレムを自在に扱うのは難しい。私も細かい・・・器用さを必要とする力の使い方は苦手でな。だからフルージャ戦も最後は紗江に力を借りた」
そう語るヘスカ。
聡史「でも僕の火はまわりとのコンビネーションが・・・」
ヘスカ「火のエンブレムは元より攻撃力が高い分扱いづらい・・・経験を積めば聡史も使いこなせるようになる」
紗江「二人とも何話してるの〜。先行っちゃうよ」
と、前方から叫んでいた紗江。
だがその時聡史とヘスカは、こちらを向いている紗江の背後に何かが現れたのに気付いた。
聡史「紗江!」
ヘスカ「伏せろ!紗江!」
言葉と同時にエンブレムの力を使い、氷の剣閃を放ったヘスカ。
紗江「えっ・・・え〜っ!」
いきなり飛んできた攻撃を伏せてかわした紗江なのであった。
聡史「ヘスカさん、さっきいたのが消えて・・・」
紗江「ちょっといきなり何するのさー!」
いきなりの出来事にプンスカな紗江。
『見事な動きだな』
後方から声が聞こえ、振り向いた聡史とヘスカ。
ヘスカ「獣人の魔物」
アスト「俺はアスト。陸帝・ガイラス様の軍、幹部の一人だ」
聡史「陸帝の・・・」
ヘスカ「目的は聡史達か?」
剣を構えながら尋ねるヘスカ。
アスト「お前に興味がある・・・魔物だが俺も剣士なんでな」
そう告げると剣を手に取るアスト。
ヘスカ「・・・聡史、紗江の所まで下がっていろ」
聡史「ヘスカさん一人で戦う・・・」
ヘスカ「こいつから感じる気迫・・・幹部の肩書きは伊達じゃないだろう。今の聡史達じゃまだ戦えない」
聡史「・・・ヘスカさん、無茶はしないでください」
そう言うとこの場を離れる聡史。
紗江「ちょっと聡史・・・」
聡史「僕達じゃまだ【本当の戦いの場】に立つ事は出来ない」
そしてこちらでは、向かい合い剣を構えているヘスカとアスト。
アスト「来い」
ヘスカ「遠慮なく・・・」
最初に仕掛けにいったヘスカ。
鋭い剣裁きを見せるも、アストはこれに対応していた。
紗江「ゲームのムービーみたいですごいね」
感心している紗江。
だが聡史は、浮かない顔で戦いを見ていた。
ヘスカ「剣のみの勝負じゃ互角か・・・なら・・・」
すると、辺りに漂い始める冷気。
アスト「お前は氷のエンブレム使いだったな」
ヘスカ「あぁ、すぐにお前を氷の彫刻にしてやる」
冷気を帯び、剣が凍りつき新たな刃を形成していった。
形が大きくなった剣で、アストを押していくヘスカ。
アスト「なるほど・・・ならこちらも力を見せないと不公平だな」
そう告げ一旦後方へ跳んだ。
ヘスカ「間合いを・・・」
アスト「行くぜ」
と、剣に力を込めていくアスト。
ヘスカ「待ってやりたいところだが、こちらも真剣なのでな」
アストが動けない間に、間合いを詰めにいったヘスカ。
アスト「構わない・・・情けなど戦いには不要だからな・・・だが!」
アストは向かってくるヘスカに向け、剣を振り抜き剣撃を飛ばし放った。
ヘスカ「そんな攻撃・・・」
ヘスカは剣撃を砕くつもりで、自らの剣で受け止めた。
だが次の瞬間、爆発が起きヘスカの身体が弾き飛ばされたのであった。
聡史・紗江「!?」
突然の爆発に驚く二人。
ヘスカ「ぐっ・・・」
何とか身体を立て直すヘスカ。
アスト「油断したか・・・」
ヘスカ(倒すことに意識がいきすぎて状況判断が・・・)
と、アストは自身の剣を見せた。
ヘスカ「レプリカ・・・エンブレムか」
アスト「【爆】のエンブレム・・・効果は見た通りだ。触れれば爆発の攻撃を与える」
聡史「フルージャは魔物自身の能力で風を操ってたけど・・・あの魔物は・・・」
紗江「でもエンブレムって・・・認められないと使えないんじゃ・・・」
聡史「レプリカなら僕も持ってる・・・レプリカは力は弱いけど、ある程度は誰でも使えるんだと思う」
そんな風に二人が話している間に、アストは追撃を行っていた。
ヘスカ「!?」
飛んでくる剣撃をかわして・・・というよりかわすしかなかった。
触れれば爆発する剣撃。
氷の力で相殺も出来たが、細かなコントロールが不得意であるため使用しないでいた。
アスト「先程爆発のダメージを受けてなおその動きなのは誉められるが・・・爆四斬」
と、アストの放った剣撃が四つに分かれヘスカへ向かっていった。
ヘスカ「これ以上は・・・」
ヘスカは前方に氷の幕を作り上げると、それでアストの爆四斬を防いだ。
そして、爆発と共に広がる爆煙は辺りの視界を悪くしていた。
ヘスカ「アストは・・・」
アスト「今まで氷の防御をしなかったのは・・・」
ヘスカ「!?」
背後から声がして振り向き様に剣を振るうヘスカ。
だがそれは、アストの剣で簡単に防がれてしまった。
アスト「力の消耗を防ぐ為と、爆煙による視界悪化を起こさせないため・・・」
紗江「煙で何も見えない・・・聡史も・・・」
そう言って横を見た紗江は驚いた。
紗江「えっ、聡史?」
いつの間にかいなくなっていた聡史。
アスト「まだ実力不足だな・・・この一撃で終わらせてやる」
と、剣を巧みに使いヘスカの剣を上空に弾き飛ばした。
ヘスカ「しまっ・・・」
アスト「今日は様子見だからな・・・致命傷にはさせないよ」
そしてアストの剣が降り下ろされようとした時、突然アストの真横から聡史が現れ剣を振るったのであった。




