8. 山﨑賢人
山﨑賢人が好きな二人の何気ない日常。
また『モトヤ』がズレたことを言っているので『ソウマ』が困っています。
こっそり...聞いてみましょう。
【ソウマ】昨日テレビ見てたらさ、山﨑賢人が出てて。あの人ほんとカッコいいよな。
【モトヤ】あぁ、俺も思った。なんかさ、彼ってほら、もはや人間を超えてる感じするよな。
【ソウマ】え、人間超えてるってどういうこと?
【モトヤ】だって、普通の人間って朝起きた時、顔パンパンだったり寝癖ついてたりするじゃん。でもあの人、朝からもう完成してる気がするんだよね。
【ソウマ】そりゃ俳優だし、見えない努力があるからだろ。
【モトヤ】いやいや。彼だけ多分、人間と別の充電器で充電されてるんだよ。
【ソウマ】なんだよそれ、携帯電話みたいに言うなよ。
【モトヤ】多分USBの『山﨑タイプ』とかだな。
【ソウマ】「山﨑タイプ」ってなんだよ、新しいケーブル作んなよ。
【モトヤ】しかも絶対、差し込み口の上下を間違えないタイプ。
【ソウマ】地味に嬉しい機能だな。俺毎朝、充電器差し込むとき上下間違えるからな。
【モトヤ】でもさ、山﨑賢人が友達だったらちょっと嫌かもな。
【ソウマ】なんでだよ、絶対モテるだろうし羨ましいだろ?
【モトヤ】いや、考えてみろよ。あいつと一緒に街歩いたら、街ゆく全ての人に「あれ、山﨑賢人の隣歩いてるあのゴボウみたいなやつ誰?」ってなるだろ。
【ソウマ】誰がゴボウだよ。確かに細いけど。
【モトヤ】まぁでも、山﨑賢人と俺の差って、『特上寿司とおから』ぐらいあるからな。
【ソウマ】例えが絶妙すぎて悲しくなるよ!もっと似たレベルの例え使えよ。
【モトヤ】いや、無理だろ。「ステーキ」と「豆腐ハンバーグ」でもまだ釣り合わないもん。
【ソウマ】豆腐ハンバーグ好きなやつに謝れよ。
【モトヤ】ごめん豆腐。
【ソウマ】いや、ハンバーグのほうに謝れよ。
【モトヤ】なんかさ、俺も山﨑賢人みたいになりたくて、最近ギター始めたんだよ。
【ソウマ】お、いいじゃん。趣味似せて近づきたいわけ?
【モトヤ】でも挫折したわ。なんか、コードがさ、「C」とか「G」とかあるじゃん?
【ソウマ】うん、基本だよ。
【モトヤ】俺が弾くと全部『ギ』になるんだよ。
【ソウマ】『ギ』って何だよ、『G』の偽物みたいに言うなよ。
【モトヤ】ギターだけに「ギ」だよ。
【ソウマ】そんなくだらないダジャレのためにギター持つなよ。
【モトヤ】あとさ、俺サッカー得意だし、そこだけは山﨑賢人に勝てると思ってるんだよ。
【ソウマ】まぁ、お前も一応サッカー部だったしな。
【モトヤ】だから、山﨑賢人にサッカーの試合を申し込もうと思ってさ。
【ソウマ】お、それ面白そうじゃん。
【モトヤ】でも、試合前に絶対、勝負決まるわ。
【ソウマ】なんでだよ、やる前から諦めんなよ。
【モトヤ】だって、向こうがフィールドに立った瞬間、審判が『はい、山﨑くんの勝ち』って言いそうじゃん。
【ソウマ】どんなルールだよ。ちゃんとプレーさせろよ。
【モトヤ】しかもゴールに蹴ったら絶対入るよ。ボールが山﨑賢人に遠慮して、自主的にゴールに入ってくからな。
【ソウマ】ボールに意思があったらお前には蹴られたくないだろうな。
【モトヤ】あと最近、山﨑賢人に憧れて、写真も始めたんだよ。
【ソウマ】お、いい趣味じゃん。何撮ってんの?
【モトヤ】でもなぜか、俺が撮ると全部証明写真みたいになるんだよ。
【ソウマ】どんな撮り方したらそうなるんだよ。
【モトヤ】表情が全部真顔。免許更新センターの顔になるんだよな。
【ソウマ】それ撮る側の問題じゃなくてお前の問題だろ。
【モトヤ】だからさ、次は山﨑賢人になりきって撮ろうと思うんだよ。
【ソウマ】なりきるってなんだよ。
【モトヤ】いや、撮る瞬間、心の中で「俺は山﨑賢人、俺は山﨑賢人…」って唱えるんだよ。
【ソウマ】怖いよ。自己暗示かけるなよ。
【モトヤ】それで撮った写真を見たらさ、なんか急に俺、山﨑賢人に見えてきたんだよ。
【ソウマ】本当に?
【モトヤ】ああ、最初の0.2秒だけな。その後すぐゴボウに戻ったけど。
【ソウマ】結局ゴボウじゃねえかよ。もういいよ。
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