表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

11. おろちんゆー

釣り好きな二人の何気ない日常。

また『モトヤ』がズレたことを言っているので『ソウマ』が困っています。

こっそり...聞いてみましょう。


【ソウマ】ねえモトヤ、この前貸した釣り竿、まだ返してもらってないんだけど。


【モトヤ】あぁ、それなら返せなくなったんだよね。


【ソウマ】なんで返せなくなるんだよ。壊したのか?


【モトヤ】違うよ。釣り竿は今、僕の相棒になったんだ。


【ソウマ】何そのカッコいい言い方。意味わかんないんだけど。


【モトヤ】相棒を返すわけにはいかないだろ?だって、僕は今、自然と戦ってるからね。


【ソウマ】自然と戦うって何だよ。普通は自然と共存するだろ。


【モトヤ】共存なんて生ぬるいよ。自然ってやつは毎回全力で僕を倒しに来るんだから。


【ソウマ】自然が本気出してお前を倒しに来るわけないだろ。お前、自然に狙われるほど重要人物じゃないから。


【モトヤ】いいや、もう何回も命の危機を感じてる。昨日だって毒を持った魚を捕まえたんだ。


【ソウマ】それ、絶対お前から挑みに行ってるだろ。魚のほうからケンカ売ってくるわけないから。


【モトヤ】でも捕まえた瞬間、思わず叫んだよ。「ンギモッヂィィィ!」ってね。


【ソウマ】急におろちんゆーみたいな声出すなよ。素人がそんなこと言ったらただの変な人だから。


【モトヤ】あの瞬間、僕は完全に彼と同化していたんだよ。


【ソウマ】お前と同化したら、おろちんゆーさんが迷惑だろ。


【モトヤ】そうかな?僕らは同じフィールドで戦ってる仲間だから。


【ソウマ】いや全然違うから。彼は素潜りして獲物を捕まえるプロだけど、お前なんかその釣り竿がなきゃただの泳げない人だから。


【モトヤ】それを言ったらおしまいだよ。僕だって素潜りの練習をしてるんだよ。昨日お風呂で1分も潜ったんだぞ。


【ソウマ】風呂場で息止めるだけなら素潜りじゃないから。それただの我慢大会だから。


【モトヤ】でも、お風呂で素潜りすると、魚の気持ちがわかるんだよ。


【ソウマ】わかるわけないだろ。魚はお湯に浸からないし。


【モトヤ】じゃあ魚はお風呂に入らないっていうのか?どうやって清潔感を保つんだ?


【ソウマ】魚は清潔感とか気にしてないから。シャワー浴びてるマグロとか見たことないだろ。


【モトヤ】でも寿司屋のマグロ、やけにツヤツヤしてるぞ?あれは絶対毎日シャワー浴びてるって。


【ソウマ】なんで寿司屋のマグロが生活感あふれてるんだよ。お前の頭の中だけ魚が人間臭いんだよ。


【モトヤ】まあそんなことより、最近僕も「いただきますの気持ち」を大切にするようになったんだ。


【ソウマ】それはいいことだな。自然への感謝ってやつだろ?


【モトヤ】いや違うよ、「いただきますの気持ち」って言うだけで、味が三倍うまくなるんだよ。


【ソウマ】そんな都合のいい魔法じゃないから。感謝を味付けみたいに言うなよ。


【モトヤ】僕が採ってきた魚はどれもプロテインが豊富だからね。


【ソウマ】なんかお前、おろちんゆーの真似ばっかしてない?


【モトヤ】真似じゃないよ、リスペクトだよ。


【ソウマ】リスペクトしてるわりには、お前の釣果いつもゼロじゃん。


【モトヤ】いやゼロじゃないよ。昨日だって変わった魚を捕まえたんだ。透明でふわふわ浮いてるやつ。


【ソウマ】それクラゲだろ。クラゲは魚じゃないから。


【モトヤ】魚じゃないなら何なんだよ?空飛ぶゼリーか?


【ソウマ】空飛んでないだろ。海の中だから。


【モトヤ】そうやって常識に縛られてると、本当の自然は見えてこないよ。


【ソウマ】お前はまず、魚の定義をちゃんと調べろよ。


【モトヤ】いいよ、じゃあ今日から魚って呼ぶのをやめるよ。これからは全部「プロテイン」って呼ぶ。


【ソウマ】そんなにプロテインにこだわるなよ。お前の話、ほとんどプロテインしか残ってないじゃん。


【モトヤ】君はまだ自然の真実を知らないんだな。自然はすべてプロテインでできているんだ。


【ソウマ】世界観がおろちんゆー超えてるよ。もういいから釣り竿返せ。


【モトヤ】あ、それなら無理だよ。あれ、魚と戦って折れちゃった。


【ソウマ】最初に折れたか聞いたとき、折れてないって言ったじゃん!


【モトヤ】そうだっけ?自然と戦いすぎて記憶が飛んでるな…。


【ソウマ】お前が自然を語るなよ!

ありがとうございましたー!!!!

残念ながら元気になれなかった方は次のエピソードにお進みください。

元気になれた方はまた来てくださいね。(๑•̀ - •́)و✧

リアクションもありがとうございます。コメントも励みになります!

では、また明日!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ