1. カジサック
ユーチューバーが好きな『モトヤ』と『ソウマ』の何気ない日常。
また『モトヤ』がズレたことを言っているので『ソウマ』が困っています。
こっそり...聞いてみましょう。
【ソウマ】なあ、モトヤ。お前最近YouTube見すぎじゃない?
【モトヤ】いや、そんなことないよ。
【ソウマ】じゃあ昨日の夜なにしてた?
【モトヤ】カジサック見てた。
【ソウマ】ほら見ろ、どっぷり浸かってるじゃん。
【モトヤ】いやでもカジサックっていいよなぁ。家族をすごく大事にしててさ、動画でもいつも優しいんだよ。
【ソウマ】お前がそうやってYouTube見てる間に、お母さんが静かに怒ってるの知ってる?
【モトヤ】え、なんで?
【ソウマ】お前この前、お母さんに「カジサックのお母さんになってください!」とか言っただろ?
【モトヤ】違う違う!俺が言ったのは「カジサックみたいなお母さんになってください」だよ!
【ソウマ】それもおかしいだろ!なんでお母さんが急にYouTuberになるんだよ。
【モトヤ】違うよ。俺は家族を大事にするお母さんになってほしかっただけなんだよ。
【ソウマ】お母さんはもう家族を十分大事にしてるよ。だいたい、お前がカジサックばっかり褒めるから、お父さんが最近「俺はカジサック以下か…」って暗い顔してご飯食べてるぞ。
【モトヤ】いや、それは誤解だよ。お父さんが悪いわけじゃないけどさ、カジサックの名言が胸に響きすぎるんだよ。
【ソウマ】例えばどんなやつよ?
【モトヤ】「新しいことを始めると必ず叩かれる」ってやつ。
【ソウマ】お前が叩かれてるのは「新しいことを始めた」からじゃなくて、「宿題をやってない」からだからな?
【モトヤ】ああ、宿題ね。「単純に僕の実力が足りなかっただけなんですよ」ってやつだな。
【ソウマ】いや、そこだけカジサックっぽく反省するな。普通にやれ。
【モトヤ】でもさ、宿題って緊張感あるじゃん。俺、その緊張感をYouTubeで緩和してるんだよね。
【ソウマ】カジサック流に言うなよ。お前の場合、ただ緩和だけが続いてるだけだから。
【モトヤ】でもソウマだってさ、この前女の子に告白するとき、すごく緊張してたじゃん?
【ソウマ】え?まぁ…それは確かにそうだけど…。
【モトヤ】だから俺が「カジサックみたいに、相手に興味を持って『どんな気持ちなんだろう』って思えばいいんだよ」ってアドバイスしたら、なんて言ったか覚えてる?
【ソウマ】ああ、覚えてるよ。「お前は黙れ」って言ったよな。
【モトヤ】そう、それで俺は黙って「お前は梶原じゃなくて、ただの『邪魔ワラ』だ」ってつぶやいたんだよ。
【ソウマ】だからダジャレが下手なんだよ!梶原と邪魔ワラって微妙に苦しいんだよ。
【モトヤ】じゃあ「キングコングの梶原」じゃなくて、「チンする前の冷えた唐揚げ」ってのはどう?
【ソウマ】いや、意味がわからないよ!なんだよその比喩!
【モトヤ】冷めてるけど温めれば美味しいだろ?カジサックも最初は冷めた評価だったけど、YouTubeで熱を加えたら最高に美味しい男になったんだよ!
【ソウマ】意外といいこと言うな。でもお前は「レンジが壊れた冷えた唐揚げ」だな。
【モトヤ】どういう意味だよ。
【ソウマ】いつまで経っても熱くなれない。
【モトヤ】うるさいな!でもカジサックはやっぱりかっこいいんだよ。「家族ができて守るものができたから道が開けた」って、すごく深いよね。
【ソウマ】確かにそれはいい言葉だけど、お前は今のところ守るものも開けた道もないだろ?
【モトヤ】いや、あるよ。
【ソウマ】何があるんだよ。
【モトヤ】俺には「カジサックの動画を毎日見る義務を守る道」がある。
【ソウマ】それ義務じゃないから。ただの依存だから。
【モトヤ】カジサックなら許してくれるさ。
【ソウマ】許す以前にカジサックはお前を知らないけどな。
【モトヤ】カジサックも最初は知らない相手に興味を持って話すことで心を開いてくれるんだよ?
【ソウマ】だからってYouTube画面に向かって「僕と友達になってください!」って言うのやめろよ。怖いから。
【モトヤ】だって画面越しでも伝わるってカジサックが言ってたもん。
【ソウマ】それ家族の話な?画面越しのお前の気持ちは残念ながらカジサックには届いてないから。
【モトヤ】じゃあ俺は誰に気持ちを伝えればいいんだよ!
【ソウマ】とりあえずお母さんに謝って来いよ!
【モトヤ】えー、なんでお母さんに謝んなきゃいけないの?
【ソウマ】さっきのお母さんYouTuberにする話で傷つけてるだろ!
【モトヤ】いや、それはむしろチャンスをあげたんだよ。俺、お母さんにYouTubeで成功してほしいんだよ!
【ソウマ】お前のお母さん、料理動画あげても全部焦がすタイプだから成功しないと思うぞ。
【モトヤ】そこが狙い目じゃん!『焦げ料理専門チャンネル』とか逆に流行るだろ?
【ソウマ】焦げ料理って何だよ!それ絶対に需要ないよ。
【モトヤ】あるよ!カジサックも言ってただろ、「新しいことを始めると必ず叩かれる」って!
【ソウマ】お前の家の場合は叩かれる前に燃えてるけどな。
【モトヤ】大丈夫、燃えたら消火活動を配信すれば、炎上動画の完成だよ。
【ソウマ】それ文字通りの炎上動画じゃん!誰が見るんだよ。
【モトヤ】カジサックなら「失敗から学ぶ姿が大切」って言うはずだよ。
【ソウマ】いや、料理の失敗で消防車呼ぶお母さんはさすがに学んでないだろ。
【モトヤ】でもさ、ソウマも少しはカジサックを見習ったほうがいいよ?
【ソウマ】俺が?どこを見習うんだよ。
【モトヤ】例えば、コミュニケーション力とかさ。
【ソウマ】いやいや、俺のほうがコミュニケーション力あるだろ。
【モトヤ】じゃあなんで告白した女の子にフラれたの?
【ソウマ】急に傷をえぐるなよ!それとこれとは別問題だろ。
【モトヤ】カジサックは相手の気持ちを考えてるんだよ?ソウマは告白するとき、相手の気持ちをちゃんと考えたの?
【ソウマ】考えたよ!だからちゃんと告白したんだろ。
【モトヤ】でも結果、相手の気持ちはソウマになかったよね。
【ソウマ】だからえぐるなって!そんな言い方したら俺の心がカジサックじゃなくてズタザックになるよ。
【モトヤ】ほら、それがダメなんだよ。うまいこと言ったつもりでも、ズレてるんだよ。
【ソウマ】お前にだけは言われたくないよ!
【モトヤ】いや、ソウマもさ、もっとカジサックみたいに家族を大切にしろって。
【ソウマ】俺は家族大切にしてるだろ。
【モトヤ】本当に?お前、この前おばあちゃんの肩揉んでたけど、途中からスマホいじってたじゃん。
【ソウマ】あれは、指の疲れを緩和するためだよ。
【モトヤ】言い訳がカジサックほど上手くないんだよ。
【ソウマ】そこ比べるところなのか?
【モトヤ】おばあちゃん、「肩を揉むのがカジサックならどんなに幸せか…」って呟いてたぞ。
【ソウマ】なんでおばあちゃんまでカジサック推しなんだよ!
【モトヤ】家族を大事にする姿勢に憧れてるんだよ、きっと。
【ソウマ】じゃあ逆に聞くけど、お前が家族のためにやってることって何?
【モトヤ】俺は家族に笑いを届けてるだろ。
【ソウマ】具体的にどうやってだよ?
【モトヤ】ほら、この間も、宿題忘れたことを隠すために「あえてやらなかった」って宣言したら、家族全員爆笑だったじゃん。
【ソウマ】それは呆れてただけだろ。あれを笑いだと受け取るお前のメンタルが凄いよ。
【モトヤ】カジサックも言ってたよ、「大事なのはメンタルの強さ」だって。
【ソウマ】いや、その言葉はお前の都合よく解釈しすぎだろ。
【モトヤ】ソウマ、そんなこと言ってるとお前自身がカジサックの動画に出られなくなるぞ?
【ソウマ】元々呼ばれてないし、出る予定もないよ。
【モトヤ】いやいや、いつか出る可能性があるかもしれないだろ。夢は大きく持とうぜ。
【ソウマ】夢の持ち方がざっくりしすぎなんだよ。
【モトヤ】カジサック曰く、「家族を大事にして夢を叶えることこそが最高の幸せ」らしいからな。
【ソウマ】お前がまず叶えるべき夢は、宿題をちゃんと提出することだろ。
【モトヤ】それは夢じゃなくて現実問題なんだよな…。
【ソウマ】急に冷静になるなよ。漫才が終わりそうになるだろ。
【モトヤ】じゃあ最後に一言言わせてくれよ。
【ソウマ】なんだよ、珍しいな。
【モトヤ】俺たちもカジサックみたいに、夢を持って挑戦していこうぜ。
【ソウマ】お、それっぽくまとめたな。
【モトヤ】だから俺は宿題をやらない!
【ソウマ】それは違うだろ!
ありがとうございましたー!!!!
残念ながら元気になれなかった方は次のエピソードにお進みください。
元気になれた方はまた来てくださいね。(๑•̀ - •́)و✧
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では、また明日!