第5話―宣戦布告
私は絶句した。そこにはこう書かれていたのだ。
「7騎士 ヴァイ殿、並びにレイティア殿
此度、聖界より宣戦布告の報が入った。これに対し、我々ロゼルナ王国は、何度も話し合いを試みたが、全て却下された。そのため、これより我々は戦闘体制に入る。貴殿等の力を貸していただきたく、ここに正式な王城への召集令を下す。
魔界ロゼルナ王国国王 カレン・リュ・ロゼルナ」
「人間が……宣戦布告……?」
「え……!?嘘、でしょ……!?な、なんでなのさ!?」
「何……?人間どもめがだと?」
「ええ…私だけでなく、姉上にも来ていただきたいとのことです」
これには私も驚いた。陛下があんなにもご尽力していらしたのに、私達魔女の末裔にも許してやってほしいとお願いまでされたはずなのに、それを全て踏みにじるような暴挙に出るとは。
「……流石に、おいたがすぎるのでは……?」
私は限界に近かった。いや、それよりも―。
「……おい。行くぞ、ヴァイ」
「ッ……!?」
とてつも無い殺気を感じ、姉上を見ると、姉上を中心に魔力の渦が発生していた。姉上から漏れ出た魔力で、周りの木々はざわめき、地は震撼している。
「流石に私も、これは無理だ。そんなに殺されたいなら、お望み通り、しっかり痛めつけてやんないとなァ!」
「……ええ。彼らは、やってはいけないことをした。もう、許しません。……いきましょう、姉上」
「ああ。ジャックも行くぞ」
「ええ!?ボクも!?」
「念の為な。私に掴まれ。―行くぞ」
そういって姉上と私は、無詠唱で転移魔法を行使した。