表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/157

第45話―万物を狂わせし混沌

「中々に苦戦してるみたいだな、ヴァイ、レイティア?」

「助けに来たわよ、2人とも」

「父さん……!母さん……!」

「すまんな。緊急事態だったから、一瞬だけお前の身体貸してもらったぞ」


振り向きながら、ニカッと笑う父さん。

そして、カレン様の元へ行き、跪く2人。


「お前らは……あの時殺した……!?」

「少し、黙っててくださいな?」「ちょっとお前は黙ってな?」


父さんと母さんはアリオスに振り向いて手を翳し、同時に紫魔法〚精神拘束スピリチュアルバインド〛を行使する。

そして、奴が動けなくなったところで、改めてこうべを垂れる。


「お久しゅうございます。カレン王女。いえ、今はもう陛下、ですね」

「………カレンで良い。お主らには世話になったからな……」


そう呟きながら、カレン様の眼から二筋の雫が零れ落ちる。

それを穏やかな目で見守る母さんと父さん。


「この魔法、ほんと厄介だなぁ。奪い取れ、〚強欲グリーディア〛」


魔術により奴が魔法を奪い取ると、また真剣な眼差しに戻る。


「さて、やれますか?陛下」

「うむ。妾も共に戦おうぞ」


カレン様は2人と一緒に立ち上がり、僕達の隣に来る。


「待たせてすまぬな。『慈愛ノ王(ヘスティア)』・〚完全回復エリクシア〛!」


カレン様の権能で、先刻の怪我が全て消える。


「レイティア、貴方の剣、少し貸してもらってもいいかしら?」

「ヴァイも借りていいか?」

「ええ……構いませんが……」

「ああ、これを」


私は父さんに、姉さんは母さんにそれぞれ魔剣を渡す。


「サンキュー。さて、と。〚召喚魔法サモン影淵剣イズ〛」

「ありがとう。〚召喚魔法サモン陽天剣ルーク〛」


父さんたちは魔剣の二人を召喚する。

ルークも改めて召喚され、二人は跪いて現れる。


「幾久しく、レグルス様」

「お久しぶりですね、クリスタ様」

「ああ、久しぶりだな」「十数年ぶりかしら?」


そう言って、お互いの再会を確かめ合う。


「そうでした、その剣たちは父さん達のでしたね」

「ああ。だからお前達は知らないだろうが……イズ、ルーク、行けるか?」

「ああ」「ええ、いつでも」


魔剣の二人は同時に頷く。


「よし、じゃあ、行くぞ?」


父さんと母さんは二人を剣に戻し、その二振りを交差させて、詠唱を始める。


「「光と影が混ざりし時、その混沌に呑まれるは世の理。万物を狂わす混沌の涅槃ねはん、真の姿を見せたまえ!〚表裏一体〛――陽淵剣ようえんけん、ヴァリアブルケイオス!!」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ