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第19話―〝灰緑の魔女〟

数時間後、私は姉上の待つ家に戻って来た。

家の扉を開けると、姉上はコーヒーを飲んでいた。


「お、帰ったか」

「ええ。遅くなってしまい申し訳ありません」

「問題ないぞ。その様子だと、ちゃんと認めてもらえたようだな」

「………イレギュラーは起きましたけどね」

「ほう?何をやらかしたのだ?」

「だからなんで姉上はそう私がやらかす方向に持って行きたがるのです」

「ふははっ、決まっているだろう?面白いからだ!」


そう軽快に笑う姉上の右目には、黒い眼帯が巻かれている。


「……“魔眼みぎめ”の調子は、どうです?」

「無理だ。全く制御が利かん」

「そうですか………」


私は少し考え、詳しい人がいないか、と探す。

そして、思い出す。いるではないか。魔眼どころか、様々なことに詳しい同じ〝末裔〟が。


「………姉上、あの方のところへ行きましょう。そこで、色々教えていただけるはずです」

「ふむ、なるほど。確かに、あいつなら詳しそうだな」

「ええ。今日は遅いですし、明日にしましょう。とりあえず、ご飯作りますね」

「ああ、ありがとう」


それから十数分後。食卓には色とりどりの料理が並べられていた。


「相変わらず、お前の料理は美味そうだな」

「そう言っていただけて何よりです」


それから、姉上は私の料理に感激しながら、しっかり食べてくれたあと、よほど疲れていたのか、すぐに眠りに落ちていた。


「おやすみなさい。お疲れ様です、姉上」


そうして、私も眠りにつくのだった。



翌日。私たちは同じ〝魔女の末裔〟たるあの方がいる館に来ていた。


「さて、と。」


そう一息ついた姉は。


「おーい!サーリャァ!いるん―むぐっ!」


私はすぐに姉上の口を塞いだ。


「……サーリャ様、いらっしゃいますか?」


しばらくすると、転移魔法で私たちが立つ扉の前に出てきた1人の女性。


「―全く。相変わらずね、レイティアも、ヴァイも」


そう言いながら出てきた彼女は、少し気だるげな目をしていた。


「久しぶりね、2人とも」

「ご無沙汰しております、サーリャ様」


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