第15話―近衛騎士団長VS近衛騎士団長
申し訳ございません。6時の毎日投稿に遅れてしまいましたm(_ _;)m
「―始めッ!」
その言葉を聞いた瞬間、私たちは地を蹴った。
ラグナ殿は上から斬り下ろし。受けた瞬間、私はそれをいなすように力を抜く。受け流し技、“水崩”。すると、少しラグナ殿が驚いたような顔をする。
「ほう?やるな」
「お褒めに預かり光栄……ですッ!」
私も反撃に出る。右から袈裟懸け。避けられ、さらにそこから逆袈裟に振るう。バックステップで距離を取ろうとするので、させまいと魔法を行使する。
「〚精神拘束〛!」
「むっ?動かんな」
「ッ!」
私はチャンスを見逃さず、無声の気合いとともに、渾身の斬り下ろしを放つ―。
「―〚雷醒〛」
「………!?」
―ラグナ殿が、消えた。
その瞬間、目の前でズガアァン!という音が鳴り響き、全身に蒼雷を纏った……いや、全身が雷と化したようなラグナ殿が立っていた。
「……自分自身を雷と化す、ですか」
「おお、一目見てそれが解るとはやるな。その通り、自身を雷とする権能だ。物理攻撃も魔法も、おおよそは無効化できる。まあ……紫魔法は初めて喰らったから、“雷醒”で無効化できるかは少し博打だったが」
そういう彼女は、まだまだ余裕そうだ。おそらく、いや間違いなく、私の攻撃も大して響いていないのだろう。
「まだ余裕そうだな」
同じことを考えていたのか、そうラグナ殿が言ってきた。
「そんなことはありません。喰らいつくのに精一杯ですよ」
私は苦笑気味にそう言う。
「ですが……まだやれますよ」
「フッ、天晴れだ。では―」
次の瞬間には、ラグナ殿は私の目の前に来ていた。
「―2回戦と行こうか」