第12話―近衛騎士団長、決闘!?
それから数日後、王城の玉座の間にて、正式に団長並びに姉上の独立部隊の拝命の褒賞式が完了した。
姉上とは褒賞を頂いた後、一度別れた。近衛騎士団の団員と顔合わせがあるからだ。
今日から、自分の部隊を持つことになる。果たしてどんな者たちが集まるのか……と、少し不安になりながら訓練場に行ってみると。
そこには、数万ほどの団員が既に隊列をなして並んでいた。
そしてその前に姿勢を一切崩さず、凛と立っているのは、近衛騎士団剣術科団長兼統括、〝千龍〟ラグナだ。
「……これが、私の部隊」
その光景に圧倒されて、私は思わず声が漏れてしまった。
その声で気づいたのか、ラグナ殿がこちらへ向かってくる。
「よく来てくれた。改めて、近衛騎士団剣術科団長、ラグナだ。これからよろしく頼む」
「新たに拝命致しました、近衛騎士団魔法科団長、ヴァイと申します。よろしくお願い致します」
そう言うと彼女はフッと微笑み、握手を求めてくる。
私はそれに応じ、握手を交わす。
「…………っ!?」
手を握った瞬間、私は驚愕に眼を見開く。
「?どうした、ヴァイ殿?」
彼女の手のひらが、常人のソレと比べて圧倒的に硬く、タコだらけなのだ。
それだけ、彼女は剣術に向き合ってきたのだろう。奇しくも、彼女のその強さに納得させられた瞬間だった。
「……いえ、何でも。すみません」
「そうか。では、こちらへ」
ラグナ殿は不思議そうにしながらもそう言うと、私を連れて団員たちの前へ行き、その真ん中で立ち止まる。
「――諸君!」
訓練場全体に凛と響き渡る声で、彼女は話し始める。
「この度、新たにこの近衛騎士団に魔法科なる、新たな部隊が設立された!私の隣に立つこの御仁こそ、その魔法科の団長だ!」
ラグナ殿のその声に、団員の皆が反応する。
「「「はっ!よろしくお願いいたします!」」」
その声とともに、一糸乱れぬ動きで皆が略式での騎士礼をする。
私はその光景に圧倒され、思わず見惚れてしまう。これだけで、彼女の団長としての器が解るというものだろう。
「……だが、この中にも、〝紫の魔女の末裔〟とはいえ、その力を見定めたい、と言う者もいるだろう!故に――」
少し嫌な予感がするが――
「――私との決闘で、その力を示して貰おうではないか!」
…… 予感が的中してしまった。




