幼馴染が追ってくるっ!! 4
広い肩幅。分厚い胸板に逞しい両腕。筋量は並みの成人男性の2倍は優にあるだろう。
しかし、それをスリムに感じさせるほどの高身長。
長く伸ばしたストレートの金髪を後ろで束ねて露になった白いうなじは男性とは思えないほどの色気を感じさせた。
前髪は垂れ目がちの大きい瞳にかかりキラキラと輝いていた。
鼻筋の通った端正な顔立ち。無骨な騎士のイメージとは大きく異なる気品あふれる優しい笑顔。
そして、懐かしい故郷なまりの言葉に俺は目がくらみそうになるほど胸がどきどきと高鳴っていた。
(う、うう~~~っ!!
く、悔しいけど、こいつ今の俺のドストライクじゃないかっ!!)
アルバートの爽やかな笑顔は未だに男の自我が残っている状態の俺ですら蕩かされそうになるほど美しかった。
思えばアルバートは学生時代から女の人気を集めていた。俺も相当女にモテたが、その頃は俺もアルバートに対抗意識を感じていたので彼の人気に嫉妬していた。そして、なんでこんな男が俺よりモテるんだと思っていた。
(でもっ!! 今の俺ならわかるっ!!
アルバート、カッコいいっ!! う~~~っ、どうしようっ!?
俺・・・俺・・・アルバートに魅了されてるっ!!)
アルバートの綺麗な緑の瞳に見つめられた俺は、恋する乙女のような心境になって食事の味も分からなかった。
だが、珍しい事にイケメン食いのチャームがストップをかけて来た。
(だめよっ!!
こいつ、まるで神殿そのものって言うくらいの加護を受けているわっ!!)
(・・・えっ!?)
神聖な存在に弱いチャームは必死になって俺を説得する。
チャームは呪い故に神聖な存在を前にしたときに力を失うが、呪いに体を作り替えられた俺もその辺りの教会ならまだしも神聖な存在の近くに長くいると体力を失ってしまう。
つまり、チャームの警告はそのまま俺にも該当する案件なので注意しなくてはいけなかった。
(ううっ!! こ、このままアルバートとずっといたいけど、それだとそのうち俺もダメージを受けてしまうし、そもそもライバルの幼馴染に落とされるのって、どれほどの屈辱なんだって話で・・・)
俺の脳裏にアルバートに虐げられる俺の姿が思い描かれる。
(・・・ど、どどどど、どうしようっ!!
ちょっと、虐められたいかもぉ~~~っ!!)
(あんた、バッカじゃないのっ!?
どんだけドМなのよっ!! いつものプライドはどうしたのよっ!!
いいからさっさとこの男と別れなさいよっ!!)
チャームが本気で怒っていた。これはいけない。逃げ出さないとヤバいのかもしれない。
そう思いながら俺が席を立とうとした時、アルバートは俺に名前を聞いてきた。
「あばずれローニャとは、君の事か?」
「・・・え?」
思わず彼を見つめてしまった。その時、アルバートは俺に向けて俺がオーガに投げつけたナイフを見せていたからだ。
「これは私の幼馴染のナイフだ。
何故君が持っていた?」
アルバートは刺すような視線で俺を見つめていた。




