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あばずれローニャ  作者: 黒神譚
第8話
110/150

闇の戦巫女 11

私はオークたちの慌てぶりを感じて一つの作戦を思いついた。


(ねぇ、チャーム。

 貴女が滅茶苦茶な命令を出して、神殿内に混乱を起こす。

 そうすればアルバートが助けに来てくれたときに脱出するチャンスが生まれるんじゃなくて?)


チャームは私の作戦を聞いて少し考えたのちに


(・・・メリナだけでなくオークキングのフェリックスほどの指揮官がいる。

 特にメリナはお父様の神託を受けた戦士。

 だから、そうそう楽観的に離れないけど、その作戦以外に脱出の可能性はないと思う。)と、同意した。


そしてチャームが同意したすぐあとに鎧を着て戦士の装いとなったメリナが私の着替えを持って沐浴の場に入ってきた。


「ローニャ様。御召物(おめしもの)をご用意いたしました。

 こちらにお着替えください・・・きっとお気に召されませんでしょうが。」


そう言って彼女は用意してくれた衣服を見せてくれた。

メリナが腕に乗せた服は極端に布地が少ない下着と透けて肌が見えてしまうほど薄い羽織だった。


「ちょ、ちょっとっ! ふざけないでよっ!!

 こんなの着ても全部透けて見えちゃうじゃないっ!!」


私が抗議すると、メリナは深いため息をついてから説明した。


「ローニャ様は色欲の魔神シトリー様の御子(おんこ)チャーム様の御聖母であらせられます。

 そのローニャ様には、この衣装を恥じらう権利はないのです。」


それは説明と言うよりも私に諭すような言い方だった。

有無を言わさないような物言いにカッとなって「いい加減にしてっ!!」と声を荒げる私だったが、そんな私にチャームが叱る。


(メス犬が調子乗っていると、もう一度、泣くまで快楽漬けにしてやるわよっ!!

 いいから、さっさとその服に着替えなさいっ!!)


チャームはメリナに自分の正気を悟られないように、闇の属性に目覚めた芝居を続けている。

それはわかってはいるのだけれども、その剣幕に恐怖した私は「ひっ!」と声を上げてから慌てて服を着る。


「き、着ますっ!! すぐに着替えますっ!!

 で、ですからお許しを・・・お許しくださいっ! チャーム様っ・・・」


怖いっ!! 先ほどまでのチャームの芝居を思えば、私も芝居に同調しなければチャームは手加減なく私にお仕置きをするだろう。

それを想像しただけで私は恐ろしくなってブルブル震えながら、局部しか隠せないブラとパンツを着る。


「ふふふ。ローニャ様。よくお似合いですわよ。

 いえ、服の話ではなく。チャーム様に飼いならされている惨めったらしいお姿がです・・・。」


メリナは私をあざけるように言った。

その姿にカチンときたチャームがメリナにお仕置きをしようと再び快楽の衝撃波でメリナを撃つ。


(お前は我が母を侮辱できる立場かっ!!)


チャームの怒号と共に放たれた衝撃波だった。しかし、その衝撃波はメリナの体を直撃したというのに、メリナの体に変化を与えることができなかった。


「無駄です、この鎧は魔神シトリー様の加護を受けたもの。

 この鎧を着ている私にチャーム様の呪いは効きません。」


そう答えるメリナは戦士の目をしていた。

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