幻実
こんにちは、今回が初投稿です。色々至らないところもあるかもしれませんが、どうかお許しください(懇願)
さて、今回は死んでしまったとある人の話です。それでは、どうぞお楽しみくださいませ!
アラームのなる音で、私は目を覚ました。
私は神崎 玲、普通の会社員だ。大学を卒業してからこの会社に入社して、もう一週間が経つ。時計の針はまだ3時を指している。2度寝してしまおうとベッドを見たその瞬間、私は絶句した。そこには既に生き絶えている「私」がいたからだ。そこに追い打ちをかけるかのごとく
「よお」
と人の声がした。声の方向からはおそらく声の主である男がベッドに腰掛けていた。パニックになった私は叫ぶことしか出来なかった。そんな状態が数分続くと、堪忍袋の尾が切れたのか
「うるさいうるさい‼︎一旦黙って話を聞け‼︎」
と怒鳴ったその声で我に返った私はそのいかにも「悪魔」のような風貌の男に問を投げた。
「あ、あんた誰?」
「俺は死神、冥界に魂を送る者。だけど連れて行く前に一つ聞く、お前は一体何をしたい?」
答えも返ってきたが、同時に問いも向かってきた。でも私は即答した。
「亮君に告白したい。」
私は高校生の頃に好きな人がいた。それが亮君だった。でも内気だった私は、ただ見ているだけで3年間を過ごしてしまったのだ。その後亮君は私と同じ会社に就職した。嬉しかったけど、やっぱり想いを伝えられなかった。だからこそ、亮君に会いたい。逝く前に会って想いを伝えたかった。
「その亮君って奴の場所に行くんだろ、一応言っておくが、時間は今日1日だけだ、それ以上は基本滞在出来ない。行くんだったら急いだほうがいいぜ。」
その言葉で私は駆け出した。幽霊のはずなのにまるで人間のように歩くことができた。そのまま駅に向かった。会社までは片道1時間かかる。時計の針はもう8時を指していた。
私は焦っていたのか、足元にあったボールを踏んで転んでしまった。痛みは感じなかったが、大分恐怖を感じた。そのまま走り続けて駅に着いた。そこからは何事も無く会社に着いた。
私は緊張していた。当たり前と言ったらそうである。想い
を伝えたことなんてない。でもこのままなんて嫌だった。意を決して彼に話しかける。すると彼は、
「ああ、玲、どした?俺に何か用か?」
驚いた。気づいてくれないと思っていた。でも、気づいてくれた。今しかなかった。
「ねえ亮くん、私の事どう思ってた?」
数秒の沈黙の後、彼は言った。
「それ今じゃなくてよくない?今仕事中だから、早く仕事しなよ」
辛辣だった。悲しかったけど、それを通り越してでた感情があった。それは美しいと感じるほどの「殺意」だった。
瞬間、私はデスクにあったカッターで亮君を刺した。
「…きてください。起きてください!」
私は目を覚ました。どうやらポットのような場所で眠っていたらしい。近くではスーツの男達が何やら話し合っていた。
「玲さん、結果は後ほど郵送しますので、今日はもうお帰りください。」
記憶がはっきりしてきた。今日は確か会社の入社試験でここに集まり、そこで精神検査を受けたんだ。あのポットで、、、そこで私は気づいてしまった。この物語、、、私の結末を、、、
「不合格確定じゃねーかよクソが‼︎」
お楽しみいただけましたでしょうか?
これからも続けていく予定なので、これからもよろしくお願いします。それでは!