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君に待つ花言葉

作者:夜月 真
 いつからだろうか。僕が生きるふりをする、つまらない枯れた人間のようになってしまったのは。
 何を見ても面白いと感じず、楽しいということも年月が経つにつれて減っていってしまった。
 遠い昔の記憶はほとんどない。児童センターで記憶を無くした日から、僕は抜け殻のようになってしまったと母は言う。
 小学校低学年の頃、父は僕の記憶を追うように亡くなった。脳出血だった。
 時間が経ったとはいえ、幼い頃に多くのものを失った僕には、生きる方向を見失うほどの出来事だったのだ。
 僕は花になりたい。そよ風に吹かれ、美しい姿を持って人気のない場所で枯れて消えたい。
 月に憧れた日もあった。何もせずとも、世闇の中で光を放つだけで誰かに見てもらえる。
 僕は一生こんな人生なのだろうか。いいや、きっとそうなのだろう。
 消えてしまった幼少期の記憶は、幸いにも少しだけなら残っていた。だが、とても大切な何かが失われてしまった。とても大切だったと思う。
 ただ僕の心の中には、そんな薄っぺらな感情だけが根強く残っていたのだ。
 きっと来世でもこんな気持ちで僕は生まれ落ちるのだろうと、枯れた薔薇のように自分を悔やんだ。


※重複投稿
5月6日
2022/07/27 22:34
5月7日
2022/07/29 06:18
5月8日
2022/07/29 22:14
6月5日
2022/07/30 20:36
6月6日
2022/07/31 12:03
6月11日
2022/07/31 18:54
7月29日
2022/08/01 22:06
7月30日
2022/08/02 22:36
8月17日
2022/08/03 22:26
8月26日
2022/08/04 22:07
10月1日
2022/08/05 22:05
12月7日
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12月24日
2022/08/07 13:30
2月26日
2022/08/07 13:41
二月二十六日
2022/08/07 14:01
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