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攻撃力ゼロから始める剣聖譚 ~幼馴染の皇女に捨てられ魔法学園に入学したら、魔王と契約することになった~  作者: 大崎 アイル
最終章 『剣聖』編

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204/205

204話 神の試練 その4

 ……グルルルルル

  ……グルルルルル

    ……グルルルルル


 七つの頭から獰猛な唸り声が響く。

『赤い竜』の鱗には傷一つついていない。

 正確にはどれだけ攻撃を当てても、全て再生してしまった。


「んー、きりがないわねー。困ったなー」

 と気楽な調子で呟くのは全身が燃えるように赤いロザリーさん。


「ママ……無理してない? もう100回以上の魔法を撃ってるけど」 

 隣にいるレベッカ先輩が心配そうだ。

 確かに一番派手に魔法を使っているのがロザリーさんだ。


「ん? 精霊纏い(ドレスオブスピリッツ)してるから私の魔力消費はゼロよ? 魔法は火の精霊ちゃんたちにお願いしてるから☆」

 ロザリーさんはあっけらかんと笑う。


 そ、そうなんだ……。

 レベッカ先輩は「えっ、私のママが変……」という顔をしている。

 

 そして、魔法消費といえば……。


「エリーもかなり魔力を消費したんじゃないか?」

 と隣にいる魔王(エリー)に尋ねた。

 先程から聖級に近い威力の魔法を連発している。


「んー、確かにちょっと減ったけど……」

「じゃあ、温存を……」

「まだ1/10も減ってないし、別にいーでしょ」

「……そ、そうか」

 半天使の俺の感覚でエリーを心配してはいけないみたいだ。

 俺のほうは既に魔力が尽きかけている。


「ゆーくん!」

「ユージン!」

 そこへスミレと迷宮主(アネモイ)がやってきた。


「私が魔力を渡すからこっちに顔を……」

「ユージン、こっちを向いて……」

 スミレとアネモイが俺の顔を掴む。


「え?」

「え?」

 そして怪訝な表情で顔を見合わせた。


「邪魔しないでよ、迷宮主さん! ゆーくんに魔力をあげるのは私の役目だから!」

「あ、あんたは挑戦者でしょう! 無駄に魔力を消費するより迷宮主の私が……」


「ダメだよ! さっきはエリーさんと魔力連結(キス)してたし、その前はアネモイさんから魔力を受け取ってたんでしょ! だったら次は私の番!…………んっ♡」


 スミレが問答無用で唇を押し付けてきた。

 同時に熱い魔力が体内へ侵入してくる。


 体力が回復していくのがわかった。

 

「ちっ……」

 アネモイが忌々しそうな目で俺を睨んでくる。

 ……なぜ?


「お盛んだな、ユージン」

 クロードが少し疲れ気味に話しかけてきた。

『龍神の槍』を杖のようにして身体を支えている。


「大丈夫か。回復魔法を……」

 魔力連結(キス)を中断して、クロードに魔法をかけようとすると。

 

「……どちらかというと精神力だな。龍神の槍での長時間の戦闘はまだ厳しい」

「そうか」 

 そう言いながら俺は『赤い竜』のほうを確認する。


 さきほどからやけに大人しい。

 何か企んでいるのだろうか。

 

 その時、シュオンと俺とクロードの後ろに空間転移の魔法陣が現れた。

 

「クロード、この精神回復飲料を飲んでおくように。あとは、しばらくは待機だな。赤い竜に対してもっともダメージを与えられるのは君のもつ『龍神の槍』だ。いざという時に動けぬのは困る。時点でユージンのもつ『神刀』だな。ただ、ユージンには魔力供給元が三人もいる。問題ないだろう」


 言葉の主はユーサー学園長だった。



 ――にしても、赤い竜が珍しく困ってるねー。あははっ、やはり『竜の巫女』がいるのが一番の悩みの種だろうね。巫女がいる限りまとめて竜の咆哮でまとめて吹き飛ばすこともできない。



 意地悪そうに言うのは魔神様だ。

 

 竜の巫女――メディア部長は、後ろの方で竜と十二騎士に守られて待機している。

 戦闘には参加していないが、いてもらえるだけでかなり助かっている。


(赤い竜の咆哮だけで、迷宮都市が半壊するからな……)


 前回のような悲劇が免れる。 


「にしても、決め手にかけるのは互いに同じ。神竜である『赤い竜』は無限の魔力を持つが、我らは有限。このままでは時間切れより先に我らが力尽きる」


 ユーサー学園長が眉間にシワを寄せ腕組みをする。


「エリー、何か良い手はないか?」

 俺が尋ねると。


「そうね……もし、赤い竜を『殺したい』なら、七つの心臓を全て潰す必要があるけど、『神の試練』でそこまでする必要はない。ただ、あいつは自分の意思でここにきてるから生半可なことじゃ負けを認めないと思うわ。何回か頭を潰してもすぐに復活させてるし……。やっかいね」


 エリーも悩ましげに指を噛んだ。



 ――()()()()()()()()()()落とせばいい。そんな無様を晒せば、いかな神獣でも負けを認めるさ。



 魔神様が助言をくれた。


(それは……難易度が高くないですか?)


 さきほど赤い竜の頭を落とせたのは、エリーとロザリーさんの不意打ちくらいだ。


 俺やクロードの攻撃で深手を追わせることができたが、首を落とすまではいっていない。


 そんなことが可能なのか疑わしかったが……。



「よし、では作戦をたてよう。メディアくんのところに集合しようか」



 ユーサー学園長が指示を出す。


 

「「「「「「「…………………………………………」」」」」」」



(……赤い竜が不機嫌そうな顔してる)


 つまりユーサー学園長の指示は正しいようだ。


 俺たちは赤い竜の様子を警戒しつつ、作戦を立てるために集まった。


■大切なお願い

『面白かった!』『続きが読みたい!』と思った読者様。

 ページ下の「ポイントを入れて作者を応援~」から、評価『★★★★★』をお願いします!


次回の更新は、2026年1月26日(日)です。


■感想返し:


信者ゼロの女神サマがアニメ化したおめでとうコメントが多かったです。

ありがとうございます。



■作者コメント

 そろそろ完結です。

 がんばります。


■その他

 感想は全て読んでおりますが、返信する時が無く申し訳ありません


 更新状況やら、たまにネタバレをエックスでつぶやいてます。

 ご興味があれば、フォローしてくださいませ。


 大崎のアカウント: https://x.com/Isle_Osaki

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― 新着の感想 ―
>> そろそろ完結です。 1000階層の件や、未来の戦争でアイリやサラ会長に何があったのか語られていないことから、まだまだ終わりではないと思えました。
だからラスボスに回復能力を持たせるなと… 火力が足りてませんね 多分マコトの持ってる短剣なら首もスパスパ切れるんだろうな
竜の巫女メディア、デバフ発生兼安全地帯になってる(・_・;) 堂々と作戦会議や休憩が出来るという、赤い竜から見ると色々と認めがたい状況の様な……………。
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