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攻撃力ゼロから始める剣聖譚 ~幼馴染の皇女に捨てられ魔法学園に入学したら、魔王と契約することになった~  作者: 大崎 アイル
最終章 『剣聖』編

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201/204

201話 神の試練

「……これより天頂の塔(バベル)ゼロ階層。『神の試練(デウスディシプリン)』を開始します」


 天使(マリエル)さんの宣言と同時に。



 ――オオオオオオオオ!!!

   ――オオオオオオオオ!!!

     ――オオオオオオオオ!!!



 七つの頭を持つ赤い竜が天に向かって吠えた。


 暴風が吹き荒び、大地が揺れた。


 クロードやサラ、クレアさんたち十二騎士が半歩後ずさる。


「ゆーくん! 私の魔力を……ってあれ?」


 スミレが俺に近づいてきて、腕を掴んで怪訝な表情になった。 


「ありがとう、スミレ。危険だから少し後ろに下がって……」


「……ねぇ、ゆーくん。この魔力(マナ)、誰にもらったの? 私の知らない魔力なんだけど」


 スミレがじとっとした目で俺を見つめてくる。


「…………スミレ?」

「えっと、……私が魔力を渡したんだけど」


 おずおずと迷宮主(アネモイ)が横から口を挟んだ。


「ふ~ん……なんだか私の魔力よりゆーくんに馴染んでない? あれー? 私とゆーくんは『身体の契約』で結ばれてるから、他の人よりゆーくんと魔力連結がしやすいはずなんだけど、それよりも魔力が馴染んでるってことはつまり……」


「えっ!? ユウって、迷宮主にも手を出したの!?」

「二人とも、今はそんなことを言ってる場合じゃ…………ユージン、そうなの?」


 アイリとサラまで会話に入ってきた。


「違う、俺とアネモイは命の契約をしたら魔力の受け渡しができたんだ」

「そうよ、特に変なことはしてないから!」

 俺とアネモイは三人に説明した。


 その時。



神器(レプリカ)・召喚……天の鎖」



 ユーサー学園長が両手を前に突き出し呪文を唱えている。


 空から幾本もの黄金の鎖が現れ、赤い竜の身体に巻き付いた。



 …………グルルル


 

 赤い竜は忌々しそうに身体を捩る。



「かかれ!」

「「「「「「はっ!」」」」」」

 第一騎士(クレア)さんの号令のもと、十二騎士たちが赤い竜と距離を詰めている。


「スミレ、俺も攻撃に参加する。後ろに下がっていてくれ!」

 俺はそう言いながら、空歩で赤い竜に向かって駆け出した。


 近づきながら思う。


(今回は……やけに赤い竜が大人しいな)


 前回、リュケイオン魔法学園と迷宮都市で破壊の限りを尽くした赤い竜らしくない。


神秘の(ミスティック)妖精の舞(フェアリーダンス)!!」


 クレアさんの魔法剣の攻撃を皮切りに、十二騎士の各々の攻撃が赤い竜に迫る。

 

 迷宮都市の守護者たちの一斉攻撃は、飛空船一隻くらいなら粉々に吹き飛ばしそうな威力で周囲に砂埃を巻き起こした。 

 

「弐天円鳴流……」

 俺は第二陣として、追撃を加えようと剣を構え



 ――ゾワリ、



 と違和感がして反射的にその場から後ろへ飛んだ。




 ドン!!!!



 という爆発音と同時に空気が爆ぜた。


 吹き飛ばされそうになって、なんとか受け身を取る。


 剣を構えたまま、周囲を見回した。


「そんな……」

 サラの呆然とした声が後ろから聞こえた。


 十二騎士の半数が戦闘不能になっていた。


 ユーサー学園長が召喚した神器『天の鎖』が引き千切られている。


(これじゃあ……前回と同じ……、いや、違うか)


 まだ、誰も死んではいない。


 周囲を魔力感知すると、倒れている十二騎士の人たちは皆生きている。


 だが、早くも戦闘人数は三分の二になった。


「迷宮魔法・鉄の処刑!」


 アネモイの声と同時に、数百本の剣やナイフが赤い竜に降り注ぐ。


 カンカンカン…………


 と赤い竜の分厚い鱗に弾かれていた。

  

 迷宮主の魔法ですら届かない。



(もう一度、俺の剣技で……)



 俺が弐天円鳴流の奥義を放とうと構えると。



「まて、ユージン。無策で突っ込むのはよくない」


 ぽんと、肩に手を置かれる。


 振り返るとユーサー学園長が立っていた。


「しかし……」


 後手に回るほうが悪手ではないだろうか。


 少なくとも前回はそうだった。

 

「この場で、赤い竜に有効打を与えられる武器は少ない。おそらくユージンが持っている冥府の番犬(ケルベロス)の牙を研いで作った神刀と、『竜の神』の加護がある龍神の槍だけだろう」


 ユーサー学園長の言葉で冷静さを取り戻す。


 そうか……迂闊に飛び込めないのか。


 

 ……ズシン、……ズシン、



 と赤い竜が近づいてくる。


 その迫力は、世界を終わらせるという名にふさわしい絶望感だった。


 ちらっと隣を見るとユーサー学園長も険しい表情のままだ。


 俺の軽率な行動を止めたものの、次の手は思いついてないようだ。


 おそらくとっておきだった神器召喚ですらまったく歯が立たなかったのだから。


(……何か! 何かないか!)


 俺が次の行動を決められてないでいるときだった。




 ドカン!!!!!



 

 と天空から何かが降ってきた。


 それは流星の速さで、赤い竜の頭の一つを貫き、地面に閃光が突き刺さった。


 

 ――クア……ァ……ァ……



 という間の抜けた断末魔で、赤い竜の七つの頭の一つが落ちた。



「…………え?」


 という声はおそらくアイリのものだ。


 その閃光は人型をしており、星のような銀髪と漆黒の翼が特徴的だった。




「ユージンってば情けない顔をしてるわねー、助けにきてあげたわよ☆」




 パチン、と俺にウインクする。


「ま、魔王エリーニュス!?」


 クレアさんが小さく悲鳴を上げた。


 まぁ、そりゃそうだろう。


 南の大陸の住人なら誰もが恐れ慄く。


 千年前、南の大陸を支配していた魔王が復活を果たしてしまったのだから。

■大切なお願い

『面白かった!』『続きが読みたい!』と思った読者様。

 ページ下の「ポイントを入れて作者を応援~」から、評価『★★★★★』をお願いします!


次回の更新は、2026年1月11日(日)です。


■感想返し:

>まさかのイスの偉大なる種族か!?

>ナイア様あたりは正体を把握していそうだな


→本編に出ることは(多分)ありませんが、ユーサー学園長が七女神で一番気をつけている(恐れいている)のはナイア様です。


■作者コメント

 明けましておめでとうございます。

 本年もよろしくお願いします。


■その他

 感想は全て読んでおりますが、返信する時が無く申し訳ありません


 更新状況やら、たまにネタバレをエックスでつぶやいてます。

 ご興味があれば、フォローしてくださいませ。


 大崎のアカウント: https://x.com/Isle_Osaki

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エリーが参戦! まあ余裕ある悠々自適の生活送ってましたからね 恋人は定期的に来ますし外も見れるから出る必要がなかっただけで。
エリーが最高にメインヒロインをしていて素晴らしかったです。 物語の序盤から中盤にかけて、危機に陥ったヒロインを救う主人公は王道展開です。 ですが、終盤で最強に成長しながらも危機を迎えた主人公を救うメイ…
わー、現時点でのヒロイン勢ぞろいですね この存亡の危機にエリーの参戦は周囲からすれば恐怖であると同時にユージンたちにとっては心強いでしょう でもユージンをめぐって恋のさや当てが始まりそうなんだよな 命…
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