彼らは何を望みます?
そろそろ、町に行きたくない?
エリーやアーラ、ゴブリン達が起きてきたのは、日も高く上った頃だった。
小鳥が鳴く、美しい景色に包まれた最高の目覚め…では無く、ガンガンの直射日光に照らされ、二日酔いで頭もガンガンに鳴る最悪の目覚めだったみたいだ。
昨日、エリーとアーラが酔っていたのは耐性を無理矢理押し込めて、発動しにくくしてたらしい。
ボクも夜中に試してみたけど、あんまり好きになれなくて辞めちゃった…
起きて来たエリー達2人は速攻で耐性を元に戻してボクを手伝ってくれた。
いや、助かるよ〜。
二日酔いだらけだから、1人だと結構不安だったんだよね…
そして、皆よりさらに10分程遅れて小鬼姫が起きた。
彼女も二日酔いはあるようだったが、無効とまでは行かないものの耐性を持ってたのか、割と大丈夫そうだった。
まあ、種族的にも耐性類はある程度持ってる筈だもんね。
…〔姫〕なのに防御ゼロじゃ狙われすぎるでしょ…
さて、皆起きたしそろそろ朝ごはんにしたいよね。
えっ?二日酔いは食べれないって?
ふっふっふっ!ボクに抜かりは無いよ!
だって作るのは中国でよく食べられてる白粥だからね〜。
優しい味(薬味によるけどね)だから大丈夫!
こうしてボクは、二日酔いだらけの集落になってしまったゴブリンの集落で朝ごはんを作ることにした。
まだ消えていない中央の篝火を崩して大きな竈にすると、巨大なお鍋を作った。
そこに、お水とお米を投入してひたすら炊く。
個人的な好みで、椎茸みたいなキノコを魔法で乾燥させたやつから引いた出汁も入れたよ。
ほら、美味しい方がいいじゃん?
お粥を炊く間に、集落にあった野沢菜みたいな葉物野菜と胡瓜みたいなやつを塩に漬け、味変用のものを作っていく。
でも、やっぱりなぁ…
…梅干し、欲しいなぁ…
まぁ、無いものはしょうがないか…
生み出してもいいけど、後が面倒だからやめとこ。
そんなこんなしてるうちにお粥が炊きあがり、それぞれに配膳した。
優しい味わいで、二日酔いが酷い人達も美味しく食べれたようだった。
そういえば、神になる前は高校生だったしまともにお酒飲んだことは無かったからなぁ…
……間違って飲んじゃったことはあるよ…?
ワインとかビールとか日本酒も…
いや、そうじゃなくて。
間違えても二日酔いになるほどじゃなかったってのもあって、二日酔いはなった事ないんだよね〜。
頭にめっちゃ響くってのは聞いてるけどさ…
まぁ、そんなのはどうでもいいか…
ボクが二日酔いの事を考えてる間にも皆は食べ終わっていた。
昨日のお祭り騒ぎの片付けも始めるようで、力自慢達が集合させられていた。
その後片付けも順調に終わり、ボクらはこのゴブリン達の集落を後にする事にした。
出発の頃になり、ボクらが発つ時に小鬼姫がこちらへやってきた。
「リノ様。とうか私も連れて行ってください。リノ様のお傍にお仕えしたいのてす!…ダメ…でしょうか…?」
そう言うと、小鬼姫は深く頭を下げた。
一緒に来るって言ってもね…
ボク1人ならいいよって言えるんだけどさ…
そう思いつつボクはエリーとアーラの方を向いた。
すると、とってもいい笑顔で2人は頷いた。
根回しが早いというか、外堀を埋められてるというか…
まぁボクは全然構わないし、2人がいいなら問題無いもんね!
「2人も良いみたいだし、一緒にいこ!」
「ありがとうございます!これからよろしくお願いします」
小鬼姫はボクらが了承した事にとっても喜んでいた。
あれ?何か忘れてるような…
……あっ!名前だ!!
「どうされたんですか、リノさん?」
エリーはボクが一瞬固まったのを見たのか、ボクに問いかけた。
「いや、小鬼姫って名前ないよね…だから何がいいかなって」
「っ名前!頂けるんですか?!」
ボクの返答に小鬼姫はかなり食いついた。
名前ってやっぱり特別なものなんだね。
「うん。一緒に行くのに名前がないと不便だしね」
「リノ様!本当にありがとうございます」
そう言うと小鬼姫は深々と礼をした。
…ん…?
何か視線を感じたのでそちらを向くと、小鬼姫の集落のゴブリン達がこちらを見ていた。
「皆、名前が欲しいようですね」
…う〜ん…やっぱりかぁ…
名前…何がいいかな?
そんなボクにふと、とある名前が降りた。
リンビオセラス
込める意味は、誠実・繁栄・始まり。
「小鬼姫、君は今日からリンビオセラスだよ」
「素敵な響きですね。有難く拝命致します!」
その瞬間、小鬼姫とその集落にいたゴブリン達が光出した。
そして、光が収まると彼女達の新たなる姿が顕になった。
小鬼達は新種族である創鬼に、小鬼姫は創鬼姫にそれぞれ進化した。
没個性的で、他種族から醜くみられたゴブリンはもういない。
体格こそ小柄なままだが、全員が中性的な美形となった。
また、それぞれの個性が肉体により強く現れた。
ある者はより筋肉質に、ある者は引き締まった身体を、ある者は豊満に…
美形と言っても単一ではなく、可愛い者、美しい者、ナイスガイにナイスミドルと種類は多かった。
実は、彼らには自動的に名前が振られていたのだ。
その為、これらの個性的な変化が生まれたのだ。
彼らの喜びは凄く、その日はそのまま祭りとなり出発は後日となった。
その夜、集落の明かりは1つも消えることはなかった。
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