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ボクは条件くらい出しますよ

そろそろ戦闘シーンが欲しいね…

 ボクらは今、礎の森(ティケルディア)の奥地へと来ている。

 ここは結構強め(人間基準)の魔獣や魔物が出るらしい。


 あ!また出てきた!

 かなり大きい熊やね…


 とか思ってると、例の熊は唐突に倒れた。

 もちろん倒したのは同行してるエリーだよ!


 それにしても、ひっきりなしに出てくるのは止めて欲しいね…


 ちなみに、何故ボクたちがこんな所に居るのかと言うと話は1時間程前に遡る。




 辺境伯ことフォリティオルさんとボクらの会談が終わりお茶を飲みながら談笑していると、1人のメイドさんがやってきた。

 曰く、冒険者共同組合連合会(ギルド)ルギゾネア局の局長、ベネーブルトさんが緊急の用で来訪したとの事だった。


 何の事だかは分からないけど、ボクらも冒険者だから何かの役に立てるかもということで同席させて貰う事にした。


 そして、ベネーブルトさんは挨拶もそこそこに端的に要件を伝えた。


礎の森(ティケルディア)で魔獣・魔物が大量発生しています。つきましては、この街、そして領の防備を固めて頂きたいのです」


 えっ?!

 それって結構不味いかな…


「わかりました。早急に行います。ポヴェゼーバ」


「はい。かしこまりました」


 フォリティオルさんは即決すると、ポヴェゼーバさんに指示を出した。

 ポヴェゼーバさんは部屋を後にして魔物達への対策を関係各所に伝令を出していた。


 ポヴェゼーバさんが出てすぐにベネーブルトさんとフォリティオルさんの2人がボクらの方を向いて、


「リノ殿、エルデミナ殿。魔物達の討伐をして頂けませんか?」


「領主として、私からもお願いします」


 ボクらに討伐依頼を出した。


 う~ん…討伐かぁ……

 人類が結構増えすぎている気もするんだよね…

 バランスが崩れるのは良くないからある程度は間引かれても…

 いや、ここで魔物とかが増えるとそれはそれで影響があるからなぁ……


「リノさん。私は受けた方が良いと思いますが…」


 ボクが悩んでるのを察知してエリーは声をかけてくれたみたいだ。

 エリーの事だからボクが何に悩んでるかは解ってるよね…

 そうだなぁ…


「わかりました。その依頼受けましょう」


 ボクがそう言うと、2人はとても喜んでいた。

 でも、ただ依頼を受ける訳じゃないからね!

 ちなみに、エリーはボクが何をしたいのか分かっているかの様に微笑んでいる。


「 ── ただ、少し条件を付けさせて頂きます」


 この言葉に先程までうかれていた2人が固まった。

 フォリティオルさんがいち早く戻ってきてボクに、


「どういった条件でしょうか?」


 と尋ねて来た。


「はい。ボクから出す条件は、これから先の礎の森(ティケルディア)への開拓の原則全面禁止です」


 またしてもボクの言葉で2人は固まってしまった。

 エリーは無事な様で、優雅にお茶を飲んでいた。


 あ、いいな。ボクもお茶飲も。

 ふぁ~…美味し……

 紅茶の良い香りがふわっと口から鼻腔へと広がって、何とも言えない至福の一時を作っている。


 ボクらが紅茶を半分程飲み終えた頃、2人とも戻ってきた。

 またしてもフォリティオルさんが先に戻ってきた様で、


「それは森での狩りを禁止するのでは無く、森を切り開き街を広げる事の禁止ということですか?」


 と、やや困惑しつつも疑問点をボクにぶつけて来た。


「はい。その認識であっています」


 ボクが先程の質問に答えると、


「獣たちの住処が減少するとより狭い範囲に魔子(マナ)が溜まり、より魔獣・魔物の発生率が上がってしまう。その為、これ以上の開拓を禁止するということですね」


 と、ベネーブルトさんがほぼ完璧な解答をしてくれた。


「その通りです。付け加えるとすれば、人類、特に人間が増えすぎて世界のバランスが崩れる可能性が高いということですかね」


 ボクのこの返答にフォリティオルさんとベネーブルトさんの2人は流石は金ランクだと言っていた。

 なんか恥ずかしい…


 ベネーブルトさん曰く、金ランク冒険者の意見という事で即時採用するとの事だった。


 ですが、とフォリティオルさんは言った。


「この領としては開拓禁止へは反対する事が予想される者もおり、私だけでは達成出来ません」


 あ~…

 めんどくさいしがらみって奴だね……


「金ランク冒険者からのお願い、でもダメですもんね」


 そう。幾らボクが金ランクとはいえ、この国の法律へ直接の関与は出来ないんだよ……

 どうしようか…神だって言うのはあまり良くないんだよね…


 すると、


「では、私も開拓禁止に賛成するとここで明言します。そして、ホーツィコーダ王国国王指名特別監察官、エルデミナとして特別監察官特権を使用しデゥルヴィツィア領内にある礎の森(ティケルディア)の開拓を原則禁止と定めます。デゥルヴィツィア領領主フォリティオル・コティクートル・アミナヒロンツ辺境伯、宜しいですね」


 と、エリーがボクの “ お願い ” に賛成を示した上、国王の代理として新たな法を作りフォリティオル辺境伯に命令した。


「は。かしこまりました」


 これにてボクからの “ お願い ” は聞き入れられ、ボクらは礎の森(ティケルディア)での魔獣・魔物の大量発生の解決を目指し、森へ向かった。

話中でエリーが国王指名特別監察官となっているのはエリーの視察中に、何か問題があった時法律を作り解決出来るように国王が指名してます。

エリーはそういう法的判断も出来る教育を受けており、信頼されてるってことですね。

ちなみに、国王指名特別監察官は基本的に王族のみがなります。


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