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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
六章「曰く、魚心あれば水心」
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新年のあれこれ 2

 昨日は職人会の宴会にリュバチートの新年会、ついでにギルドとかニレさんの所とか、個人的に関わりのある人たちの所なんかにも顔を出して、結局夜まで外にいた。

 帰ってきた時にはへとへとで、シャワーを浴びてそのまま寝てしまって今は朝。

 今日も顔を出す場所はいくつかあるんだけど、それでも昨日に比べれば少ないからね、ちょっとゆっくり出来そうかな。


「シュッツも色んな所に顔出すらしいし……兄さんへの手紙は落ち着いてからかな」


 着替えて髪をとかしながら、ぼんやりと独り言を呟く。

 兄さんは新年とか関係なくいつも通り過ごしてるだろうから、年が明けたよってお知らせしないとね。

 まあ多分リュシアとか誰かしらが教えてはいるだろうけど。


「……シュッツはリュシアに新年のご挨拶送ったのかな。まだなら一緒に送って欲しいな」


 リュシアは兄さんと一緒にいる、シュッツの姉だ。

 なんだかんだ結構な頻度で連絡は取り合っているはずだし、シュッツはリュシアに完全に頭が上がらないから季節の挨拶は丁寧に送っているはず。

 なんなら年が明けるのと同時に送っていそうな気もするけど、まだの可能性もあるからね。


 あとで聞いてみよう、とのんびり考えつつ、欠伸を噛み殺して時計を確認する。

 うーん……どうしよっかな。出かけるにはまだ早い時間だし、ちょっとお腹が空いているんだけど、今何かしら食べちゃうとこの後回るあれこれで出されるだろう料理が入りきらないよなぁ。

 悩みながら、とりあえず家を出ることにした。


 まだ年明け二日目だから、屋台は出てると思うんだよね。

 そっちに行けばなんかしら小腹を満たせるものがあるだろうし、朝のお散歩も出来る。我ながら完璧な計画だなこりゃぁ。

 なんかすっごい雑な思考をしている気がしなくもないけど、まぁいいや。


「あら、おはようエスティ」

「あ、ニレさん。おはようございまーす。お出かけですか?」

「ええ、久しぶりに会えることになったのよ」

「そうなんですね。……良かったですね」

「ふふ、そうね。じゃあ、またね」

「はい」


 ばったり出会ったニレさんは、嬉しそうに笑って大通りから別の道に去って行った。

 誰に会うのかは、聞かなくても分かる。ニレさんがあんなに嬉しそうにするのは恋人関連の時って決まってるからね。

 ニレさんの恋人は忙しくって中々会えないし、予定を組んでも駄目になる事があるんだけど……流石に新年くらいは休みをもぎ取れたみたいだ。


「今年も仲良く過ごしてくれ~」


 見えなくなったニレさんの背中に念を送って、二人が仲良く過ごせることを祈っておこう。

 お互いにべた惚れなのになんか妙なすれ違いをしてることがあるから油断ならないんだよな、あの二人は。

 まぁそれも見てて楽しいんだけどさ。


 そんなことを考えながらお祭りの会場に足を踏み入れると、そこはかなりの人で賑わっていた。

 広場が埋まる、なんて事は無いけど、向こう側が見通せないくらいの人はいるな。すご。

 とりあえず屋台を見て回ろうと歩き出し、適当に串焼きを買って齧ることにした。


「お、美味い」

「あれ、エスティ?」

「んぇ?あら、スクレ君。あけましておめでとうございます」

「あけましておめでとう」

「ビヤンネトルも年始はお休みでしたよね?」

「うん。明日からお店開くよ。アンシークは明後日からだよね」

「はい。今年もどうぞよろしく。ご両親にもよろしくお伝えくださいな」

「はーい。今年は焼き菓子にも力を入れるらしいから、楽しみにしててね」

「それは本当に楽しみ」


 道の端で串焼きのお肉を齧っていたら、パン屋のスクレ君に声をかけられた。

 屋台を出しているわけではなさそうだったし、実際今日はまだおやすみらしいから単に屋台を見に来たのかな。見てるだけで楽しいからね、この辺。

 思わぬところで出会ったので串焼き片手のご挨拶になったが、とりあえず新年の挨拶も出来てよかった。明日お店に伺おうとも思っているので、その時にまた会うことになるかな。


 お昼時になったらアンシークに来てくれるのは、完全にビヤンネトルさんのご厚意だからね。

 新年の挨拶はしっかりしていこうね。手土産も持っていこうね。

 ビヤンネトルに持っていくものはもう決まっていて、何ならラッピングも済んでいるからそのあたりはバッチリなのだ。


「さて、どこから行こうかな」


 食べ終えた串を捨てて、軽く手を拭く。

 そろそろ宴会ではない場所に顔を出し始めてもいい時間だろうし、行き先を決めて移動しよう。

 騎士団と警備の人はこの年末年始も完全に休みではなくて、特に隊長クラスは皆お仕事らしいからね、イヴィさんにも去年お世話になったから挨拶に行きたいんだよね。


 見回りと警備の拠点はフィンさんに教えてもらったから、魔法部隊の拠点に行けばイヴィさん居るかな。会いたくない人も思い当たるけど、イヴィさんが居るところで何かされることも無いだろうし気にしないでおこう。

 さてそんなわけで行き先は決まったので、さっそく移動してご挨拶をしてこよう。

 お昼くらいになったらまた宴会場巡りだからね。

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