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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
五章「曰く、蟻の穴から堤も崩れる」
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後始末の時間 2

 冬に向けて準備を進めていたとある日、店にジャックさんとグレンさんがやってきた。

 会うのは例の屋敷以来だなぁ、なんて思っていたら、二人の用事はまさにその屋敷の事らしい。

 何やら色々あった事務処理が進んで、ちゃんとお祓いも出来たんだとか。


「取り壊しも進んでいる。年内には更地になるだろう」

「そうなんですねぇ……ちなみに、どうやったんです?お祓いも出来ない状態だったんですよね?」

「屋敷についての資料を一から漁り直したんだよね。行方不明、で終わってた、屋敷に住んでた人のことも全部」

「わお。大変そう」

「まぁ、その甲斐もあって事態も収束したからな。……本来であれば、エスティアを巻き込む前にそうするべきだったんだ」


 ついでに騎士団内の内部調査まで行われたらしい。いや、それは何で??今回の件には関係なくない?

 理由が分からなかったので素直に聞いてみたら、魔法部隊の人だけじゃなくてあの件を管理していた騎士団の人にも罰則があるから、その流れで全部確認することになったんだとか。

 ……あぁ、そういえばイヴィさんもなんか言ってたっけ?


「よく分かんないけど大変だったんですねぇ」

「ま、俺らはそんなに大変でもなかったけどね。他の部隊の不正があれこれあって無駄に時間かかったみたいだけど」

「それ私が聞いていいやつです?」

「別に隠されてはいないからな。エスティアはその後、体調等は問題ないか?」

「はい。普通に元気ですよ~」


 アンシークの中は結界と保護だらけだから、ここに居て体調が悪くなることは早々ないしね。

 とまぁ、それは流石に言わなかったけど、もう大丈夫だという事はしっかり伝えておく。心配をおかけしてごめんなさいね。


 その後少し話して、軽く買い物をしてから二人は去って行った。

 それと入れ替わるようにシュッツが店に入ってきた。

 お?なんか今日は知り合いの来店が多いなぁ。シュッツはどうせ買い物じゃないだろうけど。


「いらっしゃい。どしたー?」

「これ、本家から新しく送られてきたお守り」

「あぁ、これかぁ」

「ちゃんと持っててね!あと、今後は壊れたらすぐに教えて!壊れる前に教えて!」

「はいはい」


 見慣れた形のお守りを渡されて、そういや壊れたしシュッツに渡したんだったな、とすっかり忘れていたあれこれを思い出した。

 いやぁ、普通に忘れてたんだよねぇ。これ、持たされてるから普段はちゃんと持ってるけどあんまり意識はしてないから、他のものに比べて存在感が薄いんだよ。

 兄さんがくれた、とかならちゃんと覚えてると思うけど、そういうわけでもないし。


 まぁ、今回うっかり巻き込まれたのもこれが無かったせいってのが主因でなくても無関係ではなさそうな気がするし、今後はちゃんと意識しておこう。

 誰が作ってるんだったかも覚えてないけど、私を守るためのものであるのは確かだし。

 ……これ、私がうっかり壊れたのを忘れてて手元になかったの、怒られるかな?


「……まぁいいか、これで怒られるのは私だし」

「僕はもう怒られたからね……」

「ごめん。でも今回は私もシュッツも悪くないと思ってる」


 私が何かをやらかすと自動でシュッツまで怒られるから、それは本当に申し訳ないと思ってるよ。

 いつもすまんな。でも多分今後も改善はされないと思うから雑に流しておいてくれ。


「あと、うちの兄弟からも手紙が来てた……から、渡しておくね」

「おぅ……実家帰るまでに怒りを消し去るように全力でかわい子ぶっとくから、シュッツもどうにかして怒りの鎮火に手を尽くしてくれ」

「了解。とりあえず甘味は送り付けた」

「行動が早い……」


 次実家に帰るのがいつになるかは分からないけど、時間経過での鎮火はあんまり期待できないから放置はせずに能動的に鎮火していこうね。

 帰って早々二人して怒られ続けるのは嫌だ。

 兄さんは助けてくれそうだけど、兄さんは兄さんで誰かに怒られてそうな気もするし。


 そんなわけで他のお客さんが来るまでシュッツと話をして、その後はいつも通り店番をして閉店時間に店を閉めた。

 閉店作業を終えて二階に上がると、窓の外が白くちらついている。

 ……あ、雪だ。初雪じゃない?


「わー!確かに今日ちょっと寒かったもんね!」


 ふわふわと降ってくる白いのにテンションが上がり、思わず窓を開けて手を伸ばした。

 わーい、雪だ雪だ。私雪好き!

 店の中はもう冬仕様にしてあるし、これで雪が積もったら完璧だ。


「流石にまだ積もらないだろうけど、明日の朝は真っ白かなぁ?」


 ウキウキしながら窓を閉めて夕食の支度を始め、結局寝るまでウキウキのまま過ごした。

 そういえば、私の真冬用のコートってもう結構ボロボロになってるんじゃなかったっけ。

 暑いのは苦手だけど寒いのは平気だから、別に多少寒くても良いんだけど周りが結構気にするんだよなぁ……


 去年の冬も新しいコートを勧められたりしたし、流石に今年は買い替えようかな。

 基本的に何でも長く使いたい質だから、自分用に良いやつを買おう。

 リュバチートにでも行ってみるかな。あそこなら質は間違いなく良いわけだし。

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