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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
四章「曰く、色事は銘々稼ぎ」
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騎士演舞

 謎のお嬢さん襲来から一夜が明け、店の開店準備をしていると窓の外にフィンさんが現れてニッコニコで手を振ってきた。

 わあ、グレンさんとジャックさんも居る。お揃いでどうしましたー?

 ……いや、考える間でもなく昨日の人の事なんだけどさ。


「おはようございまーす」

「おはよう。エスティ昨日は寝れた?」

「バッチリスヤスヤです。疲れてたんでね。とりあえず中へどうぞー」


 騎士が三人も居ると目立つからね。中に入ってもらって、カーテンは閉めておくことにした。

 準備中だったんで掃除道具とか出てますけど気にしないでくださいね。


「昨日の件ですか?」

「ああ。調べがついたので報告に来た。……その前に、エスティアは怪我などなかったんだな?」

「はい。シュッツが止めてくれましたし、その後すぐにフィンさんが来ましたから」


 怪我に関しては、本当に何もない。一夜が明けて冷静になると、昨日の私相当疲れてたなって思いはするけどね。

 シュッツが夕飯を持ってきてくれるのは確定事項だったんだから、それを待てばよかったのにわざわざ外に出てお嬢さんに声かけてたからね。あれ本当に馬鹿だよなぁ。

 これで怪我してたらまたシュッツが無駄に落ち込むところだった。間に合って良かった。


「そいえば、フィンさんは何で昨日アンシークに?見回りです?」

「うん。自分は昨日見回りの途中だったんだよ。隊長からもエスティの様子を確認してこいって言われてたしね」

「え、イヴィさんが?わざわざ?」

「エスティ、うちの隊長に辛辣だよね……元々何か嫌な予感がするって言ってたところに謎の視線を感じたって知らせが来たから、結構心配してたんだぜ?」

「それはそれは。ご心配をおかけしまして」


 私が何かしたわけじゃないと思うからどうにも出来ないけど、心配かけちゃったのはちょっと申し訳ないな。

 色んな事に何かと巻き込まれているから、余計に心配されていそうだ。

 でもこれは私がどうこうってよりは、アンシークが巻き込まれやすいんだよね。


 何の因果か知らないけど、先代もやたらと事件に巻き込まれていたし、記録を見る限り初代からそんな感じっぽい。

 唯一の例外は三代目。あの人は巻き込まれる前に自分から首突っ込みに行ってたみたい。

 まぁ、そんなわけで「エスティア」が巻き込まれたってより「アンシークさん」が巻き込まれてるって思っておいてください。どっちにしろ変わらないけどね、そこは主張していきたい。


「さて、昨日の件の詳細なのだが……」

「実はあの子、俺の事をつけてた子と同一人物だったみたいなんだよね」

「うわ、私もう話の流れ読めましたよ」

「恐らく想像の通りだ。グレンに惚れて、後をつけるうちにエスティアの事を知って逆恨みしたらしい」

「エスティは騎士団に知り合い多いからねぇ。グレンさんだけじゃなくてジャックさんとも仲良いから、余計に妬ましかったみたい。妄想と現実が区別つかなくなって、あの子の中ではエスティが騎士を侍らせて高笑いする女になってたぜ」

「何ですかそれ。ちょっと面白いのやめてくださいよ」


 確かに騎士団に知り合いは多いけど、大体みんなアンシークに買い物に来てるだけじゃんね……というかフィンさんさらっと自分のことは除外したな?

 はぁ~もう。何となくそんな気はしてたけどさぁ。だからって私を刺しにくんなよ。それでどうなると思ったんだよ。


「……あ、もしかして私、魔法かなんかで騎士を誘惑して正気を失わせてるとか思われてた感じです?」

「お、流石エスティ。ご名答」

「あっははは!それなら確かに私の事刺しに来るわなぁ!」

「笑い事じゃないんだが……」


 あの女を殺せばあの人は正気に戻って私の事を見てくれる!的な思考だったわけね。

 そういうのたまに見かけるから、すごい詳しく想像出来ちゃった。おもしろ。

 グレンさんは当事者として頭が痛そうにしているし、ジャックさんは爆笑している私とフィンさんを見て呆れたような困ったような顔をしている。


「はぁ~……シュッツの方はそういう事してそうな見た目だろうがよ……」

「……っふ。ふふふ……ちょ、エスティ、面白い事言わないで……」

「ねー、フィンさんもそう思いますよねぇー」

「ふふっ……まあ、あいつそういう雰囲気あるよね」


 実際シュッツは魅了とか出来るし、私よりそっちを疑ってほしかった。……いや、シュッツが刺されても困るんだけどさ。

 なんてシュッツに対して好き勝手言っている間に割と時間が経っていたので、騎士団の面々はそろそろ仕事をしないといけないらしい。

 私もさっさと掃除終わらせて店開けないと。はぁ、それにしてもいい気分転換になったわ。


 グレンさんをストーカーしてた人が捕まったってことで、騎士演舞も例年通り一切の憂いなく開催出来る感じになったっぽいしね。

 騎士さん方から聞けなかったことは後でシュッツに確認しよう。

 とりあえず今は、中途半端になっている掃除だ。店から騎士が三人も出てきたから、なんかあったんだなー感は出ているのでちょっとくらい開店が遅れても問題はなかろう。

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