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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
四章「曰く、色事は銘々稼ぎ」
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忙しい時期 2

 今日は店が休みの日で、仕入れ日でもないので個人的な完全に休みの日。

 いつもなら買い物に出かけたり、誰かと遊んだり、あとは適当に街をふらついて知らない店を探してみたりとかするんだけど……今日はちょっと家でのんびりしようかなぁ。

 最近忙しいから疲れたからねー。今日くらいはゆっくりしよう。


 とはいえ食料の買い出しには行くので、さっさと行ってきて適当になんか具沢山スープでも作って夜もそれで済ませる手抜きで行こうと思う。

 疲れてるからこそどっか出かけて気分転換してもいいんだけど、フィンさんは騎士団だからこの時期忙しいんだよなぁ。

 下っ端は大変だぜ、とか言ってたけどあの人いつまで下っ端自称するんだろう。


「ふんふふーん……玉ねぎが無い~……人参はある~……」


 適当な鼻歌を歌いながら野菜の在庫を確認して、買い物リストを作っていく。

 今回の歌のサビは「肉が欠片もな~い」になった。ベーコンとかも買ってこないと無い。

 むしろここまで綺麗に使い切ったの私すごくないか?まあ、忙しいから夕飯を買ってきてもらってたってのが大きいんだけどさ。


 そんなわけで確認を終えて、メモを財布に入れて鞄を持って家を出る。

 建物横の扉を開けて外に出ると、道の前に何かものが置かれていた。

 おいおいおいやめてくれよほっそい道なんだから……横の家の人はこんなところに物を置いたりしないはずなんだけど……じゃあ誰の荷物だこれ。


「えー……どーしよこれ……出られないじゃん」


 シュッツ今近くにいるかなぁ?居るならどうにかして貰えそうだけど……居なかったらわざわざ呼ぶことになっちゃうからなぁ。

 さてどうしたものか。飛び越えて行けなくもない高さだけど、中身が分からないのでうっかり潰したり蹴飛ばしたりするのは不味いと思うんだよね。

 大人しく店の方から出た方がいいかな?でもなぁ。今裏の鍵しか持ってきてないから取りに行くの面倒くさいなぁ……


「んぇー……」

「ん?あぁ、エスティアか。どうしたんだ?」

「あ、ジャックさーん。こんにちは~。ちょっと道がふさがってましてね、どうしようかと」

「なるほど、これか」


 諦めて取りに戻ろうかと思ったら、道の方から声をかけられた。

 顔を上げると騎士団の鎧を着たジャックさんが立っていたのでとりあえず手を振っておく。

 戻る時も通るから、やっぱり店の方の鍵を取って来るべきだなぁ。


「アンシーク宛の荷物ではないんだな」

「うち宛の荷物は店の前の段差の上に置いてもらってますし……基本は私が受け取るのでここに放置はしないですね」

「道を塞いでいるのは問題だな。退かすか?」

「お願いしてもいいですか?」

「ああ」


 ありがてぇ~……ついでに道を塞ぐなと注意もはっつけといてくれるらしい。

 これが力か。そういうタイプの力なら私も欲しい。

 まぁ、アンシークの人脈が私の力だとすると、正直負けずとも劣らないのではとも思ったり。なんて考えている間にジャックさんが荷物を端に避けてくれて、やっと細道から出られた。


「ありがとうございます」

「いや、気にするな」


 ジャックさんは見回り中なのかな?

 騎士団の見回りって二人一組でやってるイメージがあって、それで普段はジャックさんとグレンさんが一緒に回ってるんだと思ってるんだけど……今日はグレンさん居ないな。

 まぁたまには別行動の日もあるか。と、私は納得したのだけれど……ジャックさんは何か言いたげだ。


「どうかなさいました?」

「いや……つかぬことを聞くが、エスティアは最近グレンに会っているか?」

「んえ?会ってないですよ?この時期アンシークは女の子がいっぱいですから、騎士団の皆さまは避けられてるじゃないですか」

「そうだよな……急にすまない」

「何かあったんです?」

「実は、最近ずっと誰かに見られているらしくてな」


 念のため私にも聞いてみたって感じらしい。というか、私だったら問題ないし私だと良いなぁみたいな感じだったらしい。

 いや、私だとしても問題だろうがよ。なんでエスティならいいかなってなってんだよ。

 というか、グレンさんストーカーされてるんです!?急に情報量多い事柄を持ってこないでくださいます!?


「びっくりしたぁ……」

「すまん……」

「流石に知らんですよ。私ただの雑貨屋店主ですからね?」


 ジャックさんったら急に話題を転換するんだからもう……

 でも、普段はそう言う不穏なことをオフの私に言ってきたりしないジャックさんがわざわざ話題にするレベルなのか。

 正直そういうの関わるとロクなことないからなるべくスルーしたんだけど……グレンさんが刺されたとか後から聞くの嫌だしなぁ……


「中位騎士を後ろから刺せる女は早々いないか……」

「怖いことを言わないでくれ」

「ジャックさんも気を付けた方がいいですよ。何をどう解釈して刺しに来るか分かりませんからね」


 グレンさんは元々女性に人気があるからなぁ。

 下位騎士の頃から時々女性関係の噂を聞く事があったけど、大ごとにはなってないからちゃんと対処しているんだろう。

 でも心配は心配だよね。ジャックさんはなんか巻き込まれそうな気配してるし。

 一応調べるだけ調べようかなぁとか思いつつ、とりあえずジャックさんとは別れて買い物に行くことにした。

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