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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
一章「曰く、悪事千里を走る」
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夏の知らせ 2

 夏の日差しが照り付ける中、日陰に置かれた椅子に座ってのんびり肉を食う。

 あぁ~なんて優雅な休日何でしょうかこれは。しかも他人の金で買われた肉。うめぇ……うめぇ……

 火の近くにいる人たちは流石に暑そうだなぁ。まあ、私はこのお肉を食べ終わるまでここから動かないつもりなので思うだけだ。


 グレンさんが開催してくれたバーベキューは割と大人数になっていた。

 私も数人誘ったけど、グレンさんも割と誘ってたみたいだ。

 というか当然のようにジャックさんも居る。あの二人本当に仲いいなぁ。


「エスティ、水分摂ってる?」

「んー、無くなった」

「じゃあはいこれ」

「ありがと」


 シュッツに差し出された飲み物を早速一口飲む。

 美味しい。これなんだろう、果実水?

 そんなに高くないならしばらくの間お気に入りになりそうだなぁ、なんてのんびりと考える。


「お肉は?」

「はいはい、食べたかったら自分で行くからシュッツは自分の事気にしてて」

「……はーい」


 こんなところでも私の世話を焼く必要は全くないんだから、好きに楽しんで置いてほしい。

 世話を焼かせるために声かけたんじゃないんだぞ。

 あとシュッツが進んで世話を焼く相手って他に居ないから後で面倒になりそう。やだ。


「エスティアちゃーん」

「はーい?」

「カボチャ焼けたけど食べる?」

「食べまーす!」


 去って行ったシュッツを見送って、食材を焼きつつ食べているグレンさんの所に駆け寄る。

 わーいカボチャ。焼いたカボチャ美味しくて好き。

 胃の容量がそれほど多くないからそろそろ満腹なのが残念な所だけれど。


 なんて考えつつお皿に乗せられたカボチャを食べていたら、横からスクレ君がひょこっと現れた。

 何となく誘ってみたらパンを手土産にやってきたスクレ君はなんかもうグレンさんと仲良くなっていた。二人ともコミュニケーション能力が高いからねぇ、そりゃあ仲良くなるよねぇ。


「エスティパンいる?」

「そろそろお腹いっぱいだからやめとく」

「そっか」

「そんなに食べてなくない?大丈夫?」

「いやグレンさん、こんなもんですから。騎士団所属の成人男性と比べないでくださいよ」


 具合悪い?じゃないんですよ。

 普段から動き回る職種じゃないですし、私女の子なのでねぇ~、そういうことですよ、うん。

 というかむしろジャックさんとグレンさんが食べ過ぎな気がするんだよね。


 絶対食材多すぎる、絶対余る、って思ってたのになんだかもうなくなりそうだし何ならさっき追加を買いに行っている姿を見かけた。

 どんだけ食べるんだよ……私には別に関係ないけどさ。

 他人の金で飯がうめぇしに来てるだけだから満腹まで食べれれば何も言うまい。


「エスティア、何か取るか?」

「いえ大丈夫ですから、さっき貰った山盛りの一皿でもうお腹いっぱいですから」

「えっ」

「そんな信じられない物を見る目をしないでください。これだから騎士団は……」


 具合悪い?じゃないんですよ。

 この流れもうやったんですよ。繰り返すまでの間がみじけぇのよ。

 せめてもうちょっと時間空けてからにしてほしかったな。


 だからね、私は遠慮とかではなく普通にお腹いっぱいなのでね、皿に肉を乗せないでください。食べきれんから。無理だから、これ以上はもう……

 あー……これくらいなら食べれるかな……?

 もういらないですからね、大丈夫ですから。あ、飲み物だけ貰っていきますねーっと。


 元居た日陰の椅子に座り直し、お肉を食べつつ他の面々を眺める。

 皆元気だなぁ。日永の祭りが近いから既に気温も高くなってるっていうのに普通に火の傍に居るし焼きたてのお肉とかもりもり食べてるし。

 私は無理だ。さっきちょっと火の傍に寄っただけで暑くて仕方なかった。


「……あっつ」


 ついでに焼きたてのお肉も美味しいけど熱くて舌先が痛い。

 食べるの下手なのかなぁ、私。毎回毎回舌先に微妙なダメージを受けながら食事してるんだよね。

 少し経てば治まるからそれでいいかなぁと思って放置してるけど、普通に痛いしこうならない方法があるなら知りたい。


 どうにかなんのかなぁ。

 舌先で温度はかろうとするからいけないんだよ、って言うけどさ、無意識だからどうにもならないんだよね。

 つまりどうにもならない?悲しいなぁ。あ~お肉美味しぃ~。


 私が一人木陰でお肉を食べている間に、火の傍では大盛り上がりの何かが起こっていた。

 何あれ。何をあんなに騒いでるんだろ。

 わざわざ見に行くのは面倒だなぁと座っていると、横にスクレ君が現れた。


「お、スクレ君。あれなにがあったの?」

「なんか珍しいお肉焼いてるらしいよ。エスティも食べる?」

「いや、これ食べるのでいっぱいいっぱい」

「俺食べようか?」

「それは流石に悪いよ」


 話している間にも盛り上がりが大きくなっていく。

 そんなにいいお肉なのか。それならもうちょっと早めに焼き始めてくれれば食べる余裕もあったんだけどなぁ。

 ま、今日を逃してもそのうち食べる機会があるだろうからとりあえずいいや。


 普通にお腹いっぱいだしね。

 さてじゃあ私はちょっと早めにおいとましようかなぁーっと。

 あ、そんなわけですスクレ君。お皿は自分で返すので聞かれたらあとよろしく。


 お皿を片付けてこっちに寄ってきたシュッツにも先に帰るわーと声をかけてバーベキュー会場を後にする。

 早期帰宅常習犯だからね、多分そのうち気付くだろうけど、またかーくらいで済まされるのが常なのだ。

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