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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
一章「曰く、悪事千里を走る」
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状況整理 2

 詰め所を出つつ起こったことをざっくり説明すると、騎士団の二人から送っていくと言われてしまった。

 シュッツ居るから大丈夫ですよぉと言ったのだけれど、最終的にはアイラック商会のあれこれを道中話すということで送られる流れになってしまった。

 両サイドに中位騎士を携えた私にシュッツが驚いている。


「エス、エスティ?え?なに?」

「ビビりすぎててウケる。荷物ありがとー」

「ああ、はい。別に持っていくけど」

「割りそうじゃん」

「割らないよ……」


 預けていた荷物を受け取って、アンシークに向けて歩き出す。

 シュッツが驚いてるのは分かるんだけど、騎士団の二人が驚いているのは何に対してだろう。

 もしかしてシュッツって有名人だったりする?普段何してるのかあんまり知らないんだよね。


「結局アイラック商会の詳細は分かんないままですか」

「ああ。調べている最中に噂が次から次へと」

「エスティアちゃんは、何か聞けた?」

「そうですねぇ。職人さんとかはアイラック商会を擁護する人も多いのにやたらと噂の盛り上がり方が凄いなぁ、くらいです」


 シュッツは何も言わないことにしたらしい。

 黙ってると美人だよなぁ。いや喋ってても美人なんだけどさ。

 私が突っかかるのも原因だけど、普段の行動から残念感が溢れるんだよね。


「あと気になることといえば、ジェンズビーさんの話は全く聞きませんね?こういうのってセットで噂されるイメージありますけど」

「……確かにな」

「エスティアちゃんは今日ただ買い物してただけなんだよね?」

「はい。愛用のバスケットが壊れたから、新しく買いに」


 話しながら大通りを進み、途中食材を買ったりしつつアンシークに戻ってきた。

 普通に買い物続行しちゃった……今日の夕飯と明日の朝ごはんだから買わないといけなくはあったんだけど、中位騎士を待たせて食材買う女って中々いないよな。

 なんか周りからちょっと遠巻きに眺められてた気がする。


 シュッツもいるんだもんなぁ、目立つよなぁ。

 なんなら私は見えてなくて他三人が目立っていた説もある。

 なんて、のんびり考えながら鍵を取り出して店の入口を開ける。いつもなら横の細道から入るんだけど、送ってもらったしこっちからでいいだろう。


「すみませんね、送ってもらっちゃって」

「いや、構わない」

「エスティアちゃんの安全が一番だからね」

「あ、シュッツはまだ用事あるから待ってて」

「はいはーい」


 とりあえず荷物を置いてきて、カウンターの内側に突っ込んでおいた聞いた噂をまとめたメモ帳を持ってくる。

 噂メモの部分だけ千切ってジャックさんに渡すことにした。

 ま、ちゃんと私が聞いた分だけなのでね。ちょっとくらいなんかの役に立つかもしれないし。


「何かしらの役には立つかもしれないので、渡すだけ渡しときますね」

「ありがとう、助かるよ」

「手間をかけさせてすまないな」


 去って行く二人を見送って、とりあえず扉に鍵をかける。

 中に残ったシュッツはもう勝手に椅子を出してきて座っているのでまずは荷物を置いてこよう。

 花瓶は棚に収め、バスケットは部屋に置いて食材を納めて……これで良し。


「はい、お待たせ」

「で、僕になんか用事あったのエス様」

「呼び方」

「はい……」


 カウンターの内側に置いた椅子に腰かけてシュッツに向き直る。

 まあ、特別用事があったわけでもないんだけどね。

 用事がないわけでもないからとりあえず待たせてみた。あと、騎士団の二人と一緒に返すと私の事なんか吹き込みそうだし。


「……エスティ、伝えるのあれだけで良かったの?」

「まあ、しっかり調べてました感はいらないし」

「そっかぁ」


 困ったように笑うシュッツは帽子を手に取ってクルクルと回している。

 その帽子お気に入りね。結構前から同じようなの被ってる気がする。

 と、うん、それは別に今いいんだよ。


「さてと。そんなわけでお仕事ですシュッツ君」

「あ、はーい。何すればいいの?」

「騎士団の動き見てて。動いたら教えて」

「了解。今回の件に限っていいんだよね?」

「うん。じゃ、頼んだ」


 ペッと投げたのはいつも通りの報酬と道具なのでその点は別に注目しなくていいだろう。

 さっさと終わらせよう、とその精神だけでノリノリで動いていた訳なんだけども、ここまで来て私が裏でちょこちょこやってたことバレてないよなぁとちょっと不安になってしまったのでね。

 シュッツならバレずに見ててくれるし、私に関することならすぐ教えてくれるだろう。


「それじゃあ、とりあえず今日はこれで」

「うい。あとよろしくー」


 去って行くシュッツを見送って、何となく肩をグルリと回す。

 んー……まあ、とりあえず夕飯の仕込みでもすっかな。

 本当は夕方まで街をウロウロするつもりだったんだけど、流石にもう一回出るわけにもいかないし家の中でのんびりしていよう。


 まずは夕飯の仕込み、そして買ってきたバスケットに小物を入れ直して、あとはクッキーでも焼くかなぁ。ふふふ。

 あとはいくつか作り置きのおかずでも作って~屋根裏の掃除は次の休みに見送って~

 鼻歌を歌いながら料理本を取ってきてペラペラ捲る。


 なんか色々あった気もするけど、ここだけ見ると非常に優雅な休日だ。

 終わりよければすべてよし、ってね。優雅に過ごして明日からの仕事のやる気を蓄えるとしよう。

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