表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
一章「曰く、悪事千里を走る」
13/124

状況整理

 追いかけられていた私より追いかけていた側が息切れを起こしていて、何だかこのままだと手を抜いては知ってたのバレそうだなぁなんて思ってしまう。

 とりあえずシュッツの腕で顔を隠して誤魔化しておこう。

 さてここからどうするか、と思っていたら表通りの方から警備の人が走ってきていた。


「そこの人たち!止まりなさい!」


 もう止まってるよ。形式的に言ってみた感が凄いね、あの警備の人。

 まあいいや、いい所に来てくれた。

 ……もしかして、シュッツが呼んでおいてくれたのかな?


「手に持ったものを下ろして!」

「なんだよ!俺たちがなにしたってんだ!」

「大の大人二人が手に鈍器を持って少女を追いかけてたら完全に事件だろうが!」


 そうですね、その通りだと思います。

 でも私、もう少女って歳じゃぁないと思うんですよ。

 そのあたりどう思う?シュッツ。どうでもいいって?はは、殴るぞこの野郎。


「ともかく大人しくしろ!やましいことが無いなら抵抗する必要はないだろう!」

「シュッツシュッツ、あの人知り合い?」

「まあ、一応。なんで?」

「愉快な人だなぁって」

「もうちょっとだけ緊張感持ってもらってもいいかな?」

「えー」


 怒られてしまった。

 だってもう絶対安全だしあの警備の人面白いなぁくらいしか考えることなくない?

 なんか言ってることは間違ってないのに勢いが良すぎて面白くなっちゃってるよね。


 なんてのんびり観戦決め込んでたら他の警備の人も集まってきて、私を追いかけていた二人組は連れていかれた。

 抵抗しないのか、意外だなぁ。

 まあ別に何でもいいけどさ。ところでこれ、私はどうしたらいいんだろう。


「君にも話を聞きたいんだが、いいかい?」

「あ、はい。大丈夫ですよー」

「意外と平気そうだな……」

「まあ、よく分かんないうちに解決したっぽいですし」

「そうか、うん、大丈夫ならそれが一番だな」

「エスティ、僕は一応外で待ってるから」

「ん、分かった」


 シュッツは一緒に来ないのか。

 まあいいや、私は何があったのか話を聞かれるだけっぽいし大人しくついて行ってお話してこよう。

 ……そういえば荷物無事だよね、割れてないよね……?


「それ持ってようか?」

「……お願い。割らないでね」

「割らないよ……」


 花瓶の無事を確認して、シュッツに預けて警備の詰め所の奥に進むお兄さんについて行く。

 この建物こんなふうになってたのか。初めて入った。

 普段そんなにお世話にならないからなぁ。何かあっても中に入る事ってないし。


「さて……とりあえずお茶でもどうぞ」

「あ、ありがとうございます」


 出されたお茶に口を付ける。

 美味しっ。どこのお茶だろうこれ。

 あとで聞いてみようかなぁなんて思っている間にお兄さんは紙とペンを取り出していた。


「まず、君の名前を聞いてもいいかい?」

「エスティア・アンシークです」

「え、アンシーク?」

「はい。アンシークです。これでも店を継いでそれなりに時間経ってますしそんな子供じゃないですよ?」

「それは、失礼した……シュッツに抱えられていたから小さい子かと……」


 なるほどあいつのせいか。

 助けてくれた訳だし文句は言わないでおくけれど、忘れないからなシュッツ。

 ま、私の見た目云々じゃないなら朗報……かなぁ?


「えー……では、アンシークさん。なぜ追いかけられていたのですか?」

「それがですねぇ、普通に歩いてたらなんか話し声が聞こえて、急に追いかけられてビックリして逃げたらシュッツに回収されたんですよ」

「話し声、ですか。内容は?」

「ぜーんぜん聞こえなかったですよ」


 この聞き取り、実は嘘を吐くとバレたりする道具が起動しているらしい。

 私は嘘は言ってないので探知されないわけだ。何せすべて事実。ただの事実をそのまま語っているだけである。

 ここにシュッツが加わるとうっかり嘘判定が出たりするんだよね、だから外で待っているんだろう。


「すみませんね、なんにも知らなくて」

「いえいえ、アンシークさんが謝る事じゃないですから」


 まあこの聞き取り、私はおまけみたいなもんだから別にこれでいいのだ。

 取っ掴まった二人組がメインディッシュなのでこの緩々なお話で必要事項が埋まるまでお茶を頂く。

 はぇ~~うめぇ~~


「あの二人のことは知ってますか?」

「知らない人です」

「どこかで会ったことも……」

「無いと思いますよー。少なくとも私は覚えにないです」


 本当にのんびり話しているだけなのだけれど、これお兄さん困らないかな?

 必要事項が埋まらなくて怒られたりとかしないといいけど。

 ま、大丈夫か。泥棒の捕獲から迷子の案内まで行うのが警備の人だしね。


 のんびり構えてお茶を啜っていたら、廊下から足音が聞こえてきた。

 もしかして終わりになる感じかな?

 お兄さん忙しいのかな、茶葉の種類だけ聞きたいんだけど……


「あれ?エスティアちゃん?」

「わあ、グレンさん。ジャックさんもいる」

「どうしたんだ?何かあったのか」


 扉の小窓から見えたのか、扉を開けて騎士団の二人が入ってきた。

 何かあったのかはこっちの台詞だけど、二人は仕事か、そうか。

 とりあえず聞き取りは終わりらしいので、話は外に出てからがいいかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ