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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
八章「曰く、月夜に釜を抜かれる」
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予期せぬ出来事 2

 なんでこう、変なのに出くわして追いかけられるんだろうね私ってね。

 前にもあったなぁ、なんて懐かしく思い返してみようかと思ったけど、全然懐かしくは無いし思い出しても腹立つから思い起こさないでおく。


「あぁ~!近い近い近い!」


 なんだかなぁと思っている間に追いかけてきているモンスターの息遣いが感じられるくらいの距離まで近付かれていたので、どうにかもうちょっとだけ速度を上げる。

 この荷物でこの速度出してこんだけ走れてるの、もう褒めて欲しいくらい頑張ってると思うんだ私!


 内心ぎゃあぎゃあ騒ぐ余裕はあるけど、速度はこれ以上上がらないのでちょっともう駄目そうな感じがしている。

 あぁ、また兄さんに要らん心配をかけてしまう……


「ぎゃ、ん!」


 ごめんね兄さん……とこの間送られてきたお守りに思いを馳せていたら、背中にでかめの衝撃が走った。

 それに吹き飛ばされるように体が前に傾き、倒れそうになったのでどうにか頭を守る姿勢を整える。

 地面まであと少し。残りの時間でやることはお祈りだ。どうか、どうか今日の戦利品たちが壊れたり傷ついたりしませんように~~!!


「ぶへ」


 祈りつつ地面に衝突し、とりあえずめっちゃ痛いところが無い事を確かめる。

 背中はスース―するけど痛かったりはしないので、多分怪我はない。いっぱいあるお守りのどれかが発動したんだろう。

 頭もしっかり守れたのでぶつけてないし、腕も普段から付けてるグローブとしっかり着ていた長袖のおかげで怪我とかは無さそうだ。


 そして、後ろに気配が増えている。

 警備の人か騎士団か、誰かが来てくれたみたいだ。

 大ごとには……なるな。もうなってるわこれ。


「エスティア!」

「こんにちはジャックさん……無事で~す」


 思ったより人いそうだぁ、とか考えていたら聞きなれた声が聞こえたので、とりあえず手を振って無事を伝えておく。

 さて、もう色々大丈夫だろうし起きねば……


「よぉエスティ」

「あれ、アルトだ。なんで居るの?」

「家近いからだよ」

「……あぁ、確かに。そっかそっか」


 なんでか知らないけどアルトもいて、目の前にしゃがんでいたのでちょっと起き上がるのを手伝って貰う。

 荷物が多くってね、ちょっと起きるのに難儀してるんだ。

 アルトに助けてもらって身体を起こして地面に座り、後ろを振り返ったらモンスターはもうしっかり倒されたところだった。


 その場にいたのはいつもの中位騎士二人と知らない下位騎士っぽい人、それから警備の人もいて、なんかすっごい大事になってるぅ……と思わず声が漏れる。

 注意喚起してもらってたのにすみません、しっかり襲われてしまいました……

 なんかもう申し訳ない気持ちがぐんぐん湧いてきて、目ぇ逸らしちゃったよね。


「エスティアちゃん、怪我は!?」

「無いです~」

「服が破けているが?」

「あぁ、やっぱり破けてます?スース―するなぁとは思ってて……」


 答えつつ、ふと視線を下に落とす。

 ……なんか違和感があると思ったら、胸の押さえもすっぱり斬られたらしく服が押し上げられていた。

 これあれだな、思ったより斬られてるな後ろ。


「エスティ、とりあえずこれ羽織っとけ」

「ん。……あぁ……この服お気に入りだったのに……」

「そこかよ」


 邪魔だなぁとか思っていたらアルトが普段腰に巻いている布を貸してくれたので、ケープのように羽織って前で結んでおく。

 これで背中隠れたかな?アルトが何にも言わないから隠れたんだろうな。


「押さえんのやめたら子供だと思われる事も減ると思うけどな」

「やだ。邪魔」


 答えつつ立ち上がって、差し出されたアルトの手に荷物をひっかける。

 ……あ、建物の隙間にシュッツが居る。騎士団呼んできてくれたのシュッツなのかな。


「無事ならいいが……エスティア、少し経緯を聞いてもいいか?」

「えーっと、経緯って言っても買い物帰りになんか目が合って追っかけられた……くらい、ですねぇ?」

「またか」

「まただよ。なんでだよ」

「あたしが聞きたい」


 アルトが呆れてるけど、私だって襲われたくて襲われてるわけじゃないんだよ。

 あと理由は私も聞きたい。実家帰ったら聞いてみようと思ってるくらいには不思議なんだから。

 なんてアルトと話している間に、騎士さん方が何かを話し合って結論が出たらしい。


「ひとまず、今日はもう日も落ちるし後日しっかり話を聞きたいと思うが、それでいいか?」

「はい。大丈夫ですよ」

「今日この後は、もう帰るところだった?」

「そうですね、一回帰って食料買いに行こうかと思ってましたけど……」


 やめた方がいいかなぁ。

 まだどうにか、一食分の食料はある気もするし大人しく家に居ようかな?


「送ってく。着替えて食材買いに行くぞ」

「でもそれアルトが危なくない?ここモンスター出たよ?」

「じゃあ泊めてくれ」

「なるほど、ならそうしよう」


 騎士さん方はまだ忙しそうだしなぁと思っていたら、アルトが渡したままだった荷物を肩にかけつつ残りの荷物も半分くらい持っていった。

 アルトは割とよく泊まりに来るから、着替えも何枚か置いてあるんだよね。


 騎士団的にも一人にするよりは安心なのか、念のためと言うことで下位騎士さんがついて来てくれることにはなったかとりあえず解散になった。

 中位騎士組はあのモンスターをなんやかんやする必要があるんだろう。大変そうだぁ。

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