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エスティア・アンシークのそれなりに楽しい日常  作者: 瓶覗
八章「曰く、月夜に釜を抜かれる」
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不穏な噂 2

 店の仕入れから帰ってきて、商品の整理を終えて椅子に腰を下ろす。

 今日は中々の量があったから整理も大変だったなぁ……

 まぁ、ノリノリで仕入れしたのは私なんだけどね。楽しくはあった。疲れたけど。


 なんて考えながら仕入れた物を一覧表にしていたら、裏の扉がノックされた。

 外を軽く確認して扉を開け、立っていたシュッツを中に入れる。

 ついでに買ってきてもらった夕飯を受け取って、場所を二階に移した。


「お疲れシュッツ」

「うん、お疲れ様」

「夕飯食べながらでいい?」

「もちろん」


 お茶の準備なりなんなりを済ませて二人揃って椅子に腰かけ、夕食を食べながらシュッツの話を聞く。

 内容は王都に入り込んでるらしいモンスターについてだ。


「まだ被害は出てないけど……目撃情報は増えて来たかな」

「寄ってきてる?」

「そうかも。騎士団も捜索してるけど、現状上手くは行ってない」

「魔法部隊は?」

「魔力を辿ろうとしても、あのあたりってでっかいお屋敷も多いから……」

「あぁ~面倒なんだ」


 進捗は芳しくないみたいだ。まぁ、まだ話を聞いて数日だしそりゃ変化も無いだろうけども。

 魔法部隊もしばらく忙しくなるのかなぁ。フィンさんにお土産何が良いですかって聞きたかったんだけど……まぁ、帰る前に事態が収束すれば聞けるか。


「ダンジョンの入口も、やっぱりどこにも開いてないって」

「ギルドの人が調べたの?」

「うん。結構大規模をしっかりダンジョン内からも調べたらしいけど、それでも見つからなかったから無いだろうって」

「ほえ……謎だねぇ」


 グリヴィアは基本平和だから何か問題が起こったら一気に人員割いて調べ始めるし、ギルドが捜査して見つからないなら入口は無いんだろう。

 その辺は信用しきって大丈夫なので、私が再び引きずり込まれる可能性はなくなった。

 それだけでも朗報だ。あんなん二度とごめんだからね。


「エスティの方はどう?」

「仕入れの時にモンスター出たらしいよ~って色んな人から話聞いたくらい?この辺はそもそも目撃情報もないし、みんな噂くらいで話してるかな」

「そっか。……確かに、結構離れてるもんね」

「寄ってこない限りは他人事だと思う」


 騎士団が注意喚起して回ってるから皆気に留めてるだけで、そうじゃなかったら本当に噂程度ですぐに流れてただろう。

 なにせ実感がない。誰が言ってた、とかもないから、本当に他人事。

 王都内って言っても広いからね。別の区画の話は知らん話なのだ。


「どんなのが入り込んだんだろうねぇ」

「目撃者は黒い影とか、大きな獣とか、そんな風に言ってるらしいけど……モンスターを見れては無いから、どんなのかは分かんないかな」

「オッケー、またなんかあったら教えて」

「はーい」


 とりあえず今日までに分かってる内容はそんなところらしいので、後は普通におしゃべりしながらご飯を食べて解散する。

 私はシャワー浴びてさっさと寝ようかな。

 残ってる作業は明日の暇な時間にすればいいでしょ。


 今日は普通に外を歩き回って疲れたから、もう頭回んないし明日にした方が早い。

 そんなわけでさっさと寝支度を整えてベッドに潜り込み、目を閉じてスヤッと寝た。一瞬でスヤッだった。疲れてると寝入りがよくってね。




 翌朝、ボケーッとしながらいつも通り身支度を整えて店の開店準備をして、開けてからしばらくは人も来なかったので昨日の仕入れに関する書類作業をちまちま進めて、どうにか午後までに終わったので午後は王都の地図を引っ張り出して目撃情報があった位置に印をつけていくという暇つぶしをしていた。


 中々に暇を極めたからやってたんだけど、これ結構分かりやすくなっていいな。

 アンシークの位置も分かりやすくしておいたから、どのくらいの距離感かも分かる。

 印をつけ終わって満足したので地図は仕舞い、再びお客を待つ暇な時間に突入した。今日は暇です。あんまり人も来ない日です。


「ふぁ……あぁ~~ぁ……」


 特大の欠伸を零しながら店番をしていたら、窓の外に知り合いの姿が見えたので姿勢を正す。

 来るかな?……また入るかどうか悩んでるのかな?

 次窓の前を往復したらこっちから扉開けに行ったろうかな!


「へい!ご来店ですか!?」

「うわぁ!?エスティ!?」

「ずっとウロウロしてるから迎えに来ました。何をお求めです?」

「えぇっと……えっと……プレゼントを探してて……」

「中どうぞ、どうせ今暇ですから」


 入りん!と扉を開けて中に招き入れ、ようやっと来店した知り合いの背中を押してカウンターまで移動する。

 毎回毎回なんでそこまで入るかどうか悩むんです?そんなに入りにくい店じゃないと思うんですけど……店主私だし、私とそこそこ付き合い長いでしょう貴方。


「んで、プレゼントですか」

「うん……何がいいかな」

「いい加減指輪とか贈ったらどうです?」

「……重くない?」

「何年付き合ってんですか。むしろ遅くないですか?」


 ヘタレがよぉ、と声には出さずに全力で顔に出した結果、まだもそもそ何か言っていたので今回は別の物を一緒に探すことにした。

 ニレさん美人なんだから、あんまりうだうだしてると誰かに取られますよ?

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