俺は人間をやめるぞ!(多分)
二話目です。次回から一話ずつ投稿ですね。
題名はジョジョ◯奇妙な冒険から。
「グルルゥ、グオォォォン!!!」
雄叫びに硬直の効果は無いようで、すぐに近くのコボルトに切りかかった。二体目は腕を振り下ろそうとしていたので腕を掴んで一瞬引っ張り押し込む。引っ張られると思ったのか重心を後ろにしたコボルトはあっさりと後ろに倒れ、そのコボルトの後ろにいたコボルトごと倒れた。
金的を食らわせ悶えている隙に俺からみて右側にいるコボルトの手を取り背負い投げ。地面に叩きつけた時にソードブレイカーで首を切り裂き、金的から未だ復活できてないコボルトの足の裏を切る。最初に一撃で沈んだコボルトが消えてスペースができた場所に行きコボルトの鳩尾にソードブレイカーを刺す。
左右同時に襲いかかってくるコボルト、鳩尾を刺された事で死期を悟ったコボルトが噛みつこうと口を開けて前のめりになる。チャンス!噛みつこうとしたコボルトの足を払って自分の後ろに倒れこみ左右のコボルトの攻撃の盾にする。
「ギャンッ!?」と鳴いて死にかけている盾にしたコボルトの頭を捻り、鳩尾にあるソードブレイカーを盾にしたコボルトごと横に回転しながら抜く。
横に転がった先でコボルトの脛を切り倒す。立ち上がりながら足を掴んでジャイアントスイング。そのまま未だ金的と足の傷で悶えているコボルトに投げつけた。立ち上がろうとする投げられたコボルトの首を切り裂き、重なっているコボルトを跳び箱に見立てて後ろからの攻撃を回避。
前方にいるコボルトを思いっきり殴る。頭が爆散して血が飛び散るが気にしない。
「クハ!」
思わず笑ってしまいながら左側にいるコボルトの手を引っ張り自分と位置を変える。そして俺と同じように重なったコボルトを跳び箱に見立てて追いかけて来たコボルトの攻撃の盾にする。盾にしたコボルトの首を切り、盾に攻撃したコボルトも同じく首を切りつける。
ふと嫌な予感がしたのでその場を移動して避けると、後ろからコボルト(強)が剣を持って盾ごと切りかかって来た。本来ならソードブレイカーの名に相応しく防ぐべきだが、生憎とそんな方法は習って無いし今挑戦しようとは思わない。お互いの隙を見つけようと睨み合うように硬直した時、空気を読まずに襲いかかってくるコボルトがいた。
「ナイスタイミング!!」
腕を引っ張って肩の部分をソードブレイカーで力任せに切り落とす。切った腕をコボルト(強)に投げつけ、コボルト(強)はそれを剣で弾いた。ナイス判断!
ソードブレイカーで襲いかかって来たコボルトの頚動脈を刺して蹴飛ばす。コボルト(強)は再び剣で弾こうとしたが、重かったようで弾けていない。その隙を逃さず眉間にソードブレイカーを刺した。代わりに持っていた剣を適当に近くにいたコボルトに投げつけ直ぐにソードブレイカーを抜く。
剣で傷ついたコボルトの首を切り裂き、重なった状態からなんとか脱出したコボルトの目に血をかける。目が潰れて暴れるコボルトを無視して次のコボルトに向かう。若干距離があったので側転蹴りで頭を叩き割る。嫌な感触だが無視だ!周りをパッと見て倒した数を思い出す。
「11倒した。残りざっと十五体!!」
自分で言ってちょっと気疲れするが、直ぐに大声をだしてなんとか気合いを入れ直す。
左側のコボルトの顎に裏拳を正確に叩き込み、右側に居るコボルトには足払いをかけて首を切り裂く。その場で身体を回転させて裏拳をくらったコボルトの首にソードブレイカーを突き刺す。回転した事で後ろにいたコボルトを正面にして腹を殴る。左腕でコボルトの首を掴んでへし折り、もう一度腹を殴って放り投げる。
直ぐにソードブレイカーを首を切り裂き回収、そのコボルトを蹴飛ばして倒す。そして倒した事で後ろのコボルトも倒れそのまま首を切り裂く。クラウチングスタートの要領で素早く奥にいるコボルトに突撃。首を切り裂きその場で回転、横にいたコボルトの側頭部にソードブレイカーを突き刺して直ぐに抜く。
その二体の後ろにいたコボルト(強)が剣を突き刺して来たので避ける。避ける。避ける。避ける!
「チッ、俺の嫌がること分かってるのかコイツ。なら得意な土俵に引きずり出すのみ!!」
避けた瞬間身体を反転させて来た場所に戻る。殆ど死体が魔石に変わっている中未だに二体のコボルトが倒れてる姿は中々に笑えてくる光景だ。っとそんな事考える暇はない。直ぐにコボルト(強)が後ろから剣を振り下ろしてきた。
「ありがとう!それは慣れてます!」
身体をまたしても反転、剣を受け流しながら距離を詰めて鳩尾にソードブレイカーを突き刺した。受け流して刺された事で落としたコボルト(強)の剣を使って向かってくるコボルトを切り捨てる。俺の扱いが悪いのか直ぐに折れてしまうが、振り向いてソードブレイカーを抜くと同時に左手で全力パンチ。爆散はせずに骨を折った感触を残して後ろからの攻撃を避ける。ついでとばかりに首を切り裂き左手でソードブレイカーを構え直す。
「はあはあ、ククッ。ふぅ〜、行くぞ!」
未だ足掻いている重なったコボルトの上にいる金的と足の裏を切られた事で碌に動けない個体の首を通り魔のように切り裂き、右腕でラリアットをしてコボルトをよろけさせる。素早く右手にソードブレイカーを持ち替えて首を切りつける。そして重りから解放されたコボルトの側頭部を突き刺して残りは、ボスコボルトと取り巻きのみとなった。
「……残り五匹と一体。いざ尋常に死ねえ!」
デカい個体の取り巻きたちが突撃してきた。一体はしゃがんで顎からソードブレイカーを突き刺し、もう一体は足払いをかけて片手で他二体に投げつける。ソードブレイカーを回収し、最初の個体を盾に突進。
「グルオォォ!!」
嫌な予感がしたので左手で持っていたコボルトを背負い投げをして、直ぐに後ろに飛ぶ。すると投げたコボルトが真っ二つになって消えた。あまりにも強い&頑丈&切れ味の良い敵の武器に一瞬気圧されるが、秘策はある。
『大丈夫じゃねえ時ほど、笑え。それは絶対武器になる』
「クハハッ!走馬灯とか洒落にならねえな!!」
「グルルル、グオォォォン!!」
何を思ったか側にいたコボルトをデカい個体が残りのコボルトを切り殺す。この場に残ったのはデカい個体のコボルトと俺だけ。隙を伺って、俺はポッケから唐辛子をいくつも煮詰めて作った特性液の入った瓶を取り出して投げる。隙を晒した俺に瓶を無視して突っ込んできたコボルトは、瓶の中身をまともに受けた。
「グギャアァァァァ!!??」
「隙ありってな。死ね」
剣を手放しその場でのたうち回るコボルトの首を切った。コロコロとコボルトの頭が転がり、死体が消えた。
「おっしゃぁぁ!!」
『mission clear!
ダンジョン第二層クリアおめでとうございます。
条件:コボルトソードマン二体の討伐。
報酬:第三層への鍵、嗅ぎ分けスキルの獲得』
『extra mission clear!!
条件:初めて到達したボスの広間から出ずに単独でのコボルトとコボルトソードマンの討伐。
報酬:DRポイント50、宝箱(鍵無し)』
『special mission clear!!!!!
発生条件:初見で第二層全てを踏破し、五時間以内にボスの広間に到着すること。
条件:閉じ込められたボスの広間全ての魔物を倒す事。追加されたコボルトジェネラルの撃破。
報酬:DRポイント500、金の宝箱三個、銀の宝箱五個、マジックバック(5tまで)、成長の剣』
「鍵が無いのにどうやって開けろと?嫌がらせかよ。っていうかやっぱりノーマルverの敵じゃなかったんか。めっちゃ強かったぞ」
俺はその場で倒れたい気持ちを抑えてマジックバックとやらに全部詰め込んだ。その辺にいっぱいコボルトの魔石あるからな。ああコボルトジェネラルのドロップ品は拳くらいの魔石と槍だった。なぜ槍?
ダンジョンを出たら中身見るので今は鑑定しない。あ、そもそも宝箱の持ち出しってオッケーなのかな。まあアイテム扱いなら大丈夫だろ。何気にマジで金と銀でできてるし。溶かして売ったらいくらになるんだろ。
「ああ゛〜疲れた!速攻で帰ってやる。チッ……もっと強くなってやるよ、爺ちゃんくらいにな!」
愛用と言っても使い始めて時間はそんなに経ってないソードブレイカーを手に俺はダッシュで家へと帰った。
〜ダンジョン脱出タイム、32分〜
Another side
この世界に発生してから僅か2日の間に選出された者たちのうち八名が、つまり約72%ものグランドマスター適性保持者が死亡した。たとえテスターが死んでも復活は無く、ダンジョンも消える事はない。それはこの世界にとっては良くない事だろう。モンスターで溢れてしまう可能性が高いのだから。
だが、残りの三名は我々としてもこの世界としても希望だと言っても過言では決して無い。…いや正確には二名か。一名は既に慢心し始めている。よって死ぬまでにそう時間はかからないだろう。保っても五階層のボス部屋手前までだろう。
最初に死んだ適性保持者は五歳の子供だった。チュートリアルの話を聞かずに進みゴブリンにリンチされて死んだ。酷な話だが仕方ない。
次に死んだのは十八歳の大人だった。この年頃特有の万能感と日本の文化に感化された様で、自分の事をヒーローだと思い込み、第一層のボス部屋で死亡した。
その次はダンジョンに入っても水を入手できず、餓死して死んだ。
次の者は外部に情報を渡そうとして処分した。
他の四名も似たようなものだ。
だが生き残っている三名の内二名は違う。片方は自分の楽しいと思うことをできる様になるため、もう一人はただ純粋に強くなるため。思想は違うが、この二人ならばいつかは道を極めてくれるだろう。そう切に願う。
Another side END
あー疲れた。いくらステータスが上がってきているとはいえ人間の範囲を一脱してないんだ。疲労にさらなる疲労を重ねてどうするよ。馬鹿だろと過去の俺に言いたい。
帰った時間は十七時過ぎ。昼寝には丁度いい時間なので風呂に入ってソファで寝たら思ったより寝てしまい、今は日曜日の午前四時。もうすぐ日の出だ。
「とりあえずマジックバックは消滅しなかったし、中身の宝箱も消えてない。うーん、先ずはステータスオープン」
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竹林 匠 二十四歳 男
職業:乱戦者
DRポイント650
適性:グランドマスター、戦人etc.
称号:先駆者、狂者、冷徹者、無慈悲
HP :204/204 →3085/3085
MP :96/96→187/189
筋力 :36 →108
耐久 :40 →72
敏捷 :45 →126
器用 :66 →198
魔力 :42 →189
対魔 :21 →95
スキル:短剣術、無手術、速読術、先読み、意思感知、虫の知らせ、武の才、時空間魔法、早熟、弱体耐性、ストレス耐性、鑑定、バックスタブ(暗殺術)、罠感知、new確殺、new逆境、new嗅ぎ分け
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「うおー、増えてんなぁ。…あ、無職じゃない!?」
なんか称号とかステータスが跳ね上がってるとか関係無いよ!無職じゃ無くなったよ!!ああ〜どうしてここまで無職という言葉にダメージを受けてたんだろ。まあとにかく無職脱出できたね!やった!!
何気にMPが減ってるけど、減りが少ない。って事は一つにまとめて四次元ポ◯ットに入れれば一個として考えられるのか。…うーん、この際色々実験してみるか。
第一に戦利品の整理整頓と鑑定だ。
先ず昨日までに得た魔石
・ゴブリンの魔石(極小)5個+11個+9個(帰り)
・角ウサギの魔石(微小)1個
→ 角ウサギの肉600グラム
・ゴブリンソードマンの魔石(小)2個+2個(帰り)
・ゴブリンソードマンの剣(新品) レア度:普通3 2個
・ソードブレイカー(要研ぎ直し) レア度:希少
・コボルトの魔石(極小)53個+24個+7個(帰り)
・コボルトソードマンの魔石(普通)2個
・コボルトジェネラルの魔石(大)1個
ここまでは確定品。次は鑑定結果
・コボルトジェネラルのドロップ品
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不定形の槍 レア度:伝説級
基本的に槍ではあるが、質量をそのままに自在に形を変えられる武器。イメージがしっかりとしていれば剣や弓に変える事もできる。
効果:変形、硬度自在、再生
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・マジックバック(5t)
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マジックバック レア度:伝説級
時空間魔法が付与されたポーチ。ポーチの入り口の大きさに関わらず、触れた物に収納と念じれば収納できる。維持に魔力を必要とせず、中に入ってる物のリストもわかる。
効果:容量無視(5tまで)、収納、リストアップ、時間停止
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・成長の剣
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成長の剣 レア度:伝説級
この剣で倒せば倒すほど使用者に合った形状に徐々に変わっていく成長する魔道具。初めは単なるよく切れる剣と大差ないが使う内に伝説級以上の効果を持つ様になることもある。
効果:成長、変形
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・銀の宝箱。
中身は時空間魔法で取り出した。
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スキルオーブ【魔法の才】 レア度:伝説級
使用すれば魔法の才スキルを身につけれる。
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スキルオーブ【全言語習得】 レア度:幻想級
使用すれば全言語習得スキルを身につけれる。
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解体の短剣 レア度:伝説級
伝説級までの生物ならば半自動的に解体できる。活き造りだってできる。コレさえあれば料理が格段に上手くなるだろう。
効果:半自動解体、対象状態理解
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無限ポーション レア度:伝説級
伝説級までのポーションの効果を網羅した減らないポーション。かけるも飲むも自由。味は栄養ドリンクっぽい。
効果:無限ポーション生成、鎮痛作用、容器不壊
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万能訓練の棒 レア度:幻想級
どんな武器の訓練にでも使える変幻自在の棒。重さまでも自在に変えられるが、攻撃しても全くダメージを負わない。
効果:変幻自在、攻撃不可
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・金の宝箱。
中身は時空間魔法で取り出した。
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あsfhじtdct€#*$ レア度:空想級
????????????????????
効果:所有者固定、隠蔽偽装、???、???、???
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えdxてyjぃあpm レア度:空想級
????????????????????
効果:所有者固定、隠蔽偽装、???、???、???
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@4%^+$yfsgn レア度:神話級
?¿?¿?¿?¿?¿?¿?¿?¿?¿?¿
効果:???、???、???、???、???
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後半鑑定できなくてバグっているけど、それぞれ見た目は「ロングコート」「スポーツ手袋」「謎金属製の玉」だ。
危険かどうかすら不明なので本当はつけたくなかった。そうなかっただ。実は宝箱から取り出したら装着されてしまった。今からダンジョンのタブレット端末に聞きに行くつもりだ。
なんせ今の格好がパジャマにロングコートと手袋に浮いてる玉だからな!
「そうゆう訳なんだが、説明ってして貰えます?」
『可能です』
「是非お願いします」
思わず土下座して敬語で頼み込んだよ。だって一生このままだったら嫌じゃね?一生パジャマにロングコートだぜ?
『解。今の竹林匠様の鑑定スキルでは鑑定効果が弾かれてしまっています。それを防ぐためにはより上位、具体的には最上位のスキルを取得しないと詳細は不明です。ですが鑑定の結果、匠様自身に呪いがかかっていないため害は無いと思われます』
「この服とか手袋、取っても勝手に装着されちゃうんだけど、どういうことですか?」
またしても敬語になるが、致し方ないだろう。解決出来そうな人?には丁寧に腰を低くして聞くべしだと爺ちゃんも言ってた。…多分。
『鑑定できない事にはどうする事もできません』
「………え?どうして??」
『観測できなければ無い物として世界から認識されるからです』
「な、なるほど……悪魔の証明ってやつですかね」
『今回の場合は「存在する」と言う主帳は、世界からすれば「証明できないので却下」されてると考えれば分かり易いでしょう』
つまりはどんなに俺自身があると言ったとしても、客観的な証拠が無いために「無い」という事になってるのだ。難しかったらwikiさんを頼れ。……俺は誰に向かって言ってるのだろう?
まあともかく、
「現状を変えたければ、最上位のスキルを使えという訳ですね」
『そうなります』
「じゃあ神眼スキルを下さい」
『約一日中肉体を改変するために想像を絶する激痛を伴いますが、本当によろしいですね?』
神眼スキルは眼の系統スキルの最上位だ。そして目がよくてもそれを処理する脳が足りて無かったらダメだろう。だからこそ肉体の改変などという恐ろしい事をしないといけないのだろう。それを勝手にやってくれるのなら大歓迎だ。…変なことをされなければ、だが。
「あ、ここって安全ですか?モンスターに襲われたりとかは…」
『そこの心配は要りません。スキルを取得しますか?』
「あ、ちょっと待って下さい」
そう言って無限ポーションを保険に飲む。鎮痛作用目的だ。もしかしたら良くなるかも?程度の期待しかしない。
「…ゴクッ、ゴクッ、ゴクン。はあ〜、じゃあYESで」
『了承しました』
『神眼スキルを竹林匠に付与します。それに伴い肉体を改変します』
先ほどまで端末で書かれていた内容が声になって聞こえた。一番最初に聞いた声と同じだ。と思うと同時に俺は意識を失った。