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BLEA◯Hの斬魄◯みたいな物と思えば良い。あとは完現術における死神代行◯かな

主人公の呼び方

フギンとムニン→主&『』での会話、我or我ら

美鈴→君、やや女性口調で「僕」っ子

レーツェル→タクミ、女性口調、私

シルヴィア→主人、やや女性口調、私


一応誰が誰だか分かるように、参考程度ですが。

 

 生命霊具。それは強靭な肉体、途方もない技術力、そして人智を超えた知能が無ければ作れない一つの生物の終着点とも言えるもの。要求する肉体は最強種たる竜種の中でもトップクラスの強靱さを持たなければならず、技術力は最低でも人体錬成を確実に成すだけの力量を必要とし、知能は一部神でさえ超えるレベルが要求される。

 未だにどの「世界」でも群がこの技術を持つことは無いし、未来永劫無いだろう。もし持ち得たのなら、地獄に落とされ、『世界』の手によってその魂は全てエネルギーに変換されるだろう。そんな技。個としてその技を持つのは『世界』中でも両手で事足りる人数しか存在しない。

 そしてそのうちの一人が、俺だ。何でこの技術を持ってる人数を知ってるのかはスキル「深淵の叡智」に載ってた。


「――とまあ、色々説明したけど百聞は一見にしかず。これが生命霊具の実物だよ」

「これは…もの凄い生命力溢れる大剣ですね」

「それは元々竜牙の大剣って言ってな、最上位の竜種の牙を使ってできてた武器で、今は『起きろ』…ほら」


 俺がキーワードを言ったら大剣は光になって弾け、俺の背後に巨大な竜となり顕現した。


「これが生命霊具の最大の特徴だ。今回の「緋天(ひてん)の大牙」は大剣モードと緋天竜モード二つに変われる。大剣モードなら意思のある道具として、緋天竜の状態なら従い守る守護竜として変えられる。どっちのモードでも破壊されても時間が有れば邪魔される事なく再生するって点が最大の特徴。擬似的な不死状態になれると考えても良い。今回みたいにキーワードを予め作っておけばある程度の自由も得られる。もういいよ『眠れ』」

「それは……強力過ぎませんか?何か代償があるとしか」

「そう思うよなぁ。強いて言えば作成者と使用者には逆らえないような思考になってしまう事、使用者次第では使いこなせない場合に不快感を感じる事だけだ。生命霊具になる側の負担はね」

「つまりは作成者と使用者には別に負担があると?」

「もちろん。ただまあ場合によっては大した事では無くなるね」


 生命霊具を作るのに必要なのは「基礎となる物」と「基礎に融合する者」と「色々な素材」だ。え?具体的に?ピックアップすれば……「魔力を多分に含んだ基礎となる物に親和性の高い物」「氣を多分に含んだ基礎となる物に親和性の高い物」「呪力を多分に込めれる物(呪物)」「思念石」「基礎となる物に高い親和性を持つ魔石(極大)」などなどと言ったら分かるか?

 ともかく「親和性の高い物」を見つけるのが非常に大変なのだ。しかも「親和性の高い物」同士が反発したらアウト、その上この世に存在するかも不明な素材を何処からか見つけ出し、親和性が高いか調べ、物同士が反発しないか確かめ……と色々工程があり過ぎるのだ。

 ただし、これには術者本人は問われない。つまりは抜け道が存在する。生命霊具を作りたいのなら「基礎に融合する者」が素材を探せばあっという間にこの工程の九割九分が終了する。何しろ親和性が高いか否かは本人ならば引き寄せることができるのだから。わざわざアレルギー反応を起こす物の近くにいる者はほとんどいない。それと同じだ。


「つまりは、私が私を触媒にして召喚をすれば良いのか?」

「話が早くて助かる。…ほら、そこに立っていれば自動で集まるからな」

「そうか。作成者と使用者の負担はこれだけなのか?」

「いいや違う。非常に残念ながら後大きく二つ存在する。ちなみに親和性の高い物を探すのはこうして友好的な存在じゃ無いと難しいから、コイツ(緋天の大牙)を作るのは非常に、非っ常に苦労した。もうやりたくないと思うレベルだよ」


 残りの負担は術式部屋と言うか術を施すために必要な空間作りだ。その空間は100m×100mで、その隅から隅までびっちりと術式を書く必要があり、唯一の救いはある程度のテンプレが存在する事だ。しかし全て単一の存在による丹精込めた手彫りじゃ無いとダメ。

 空間は空間でないと、つまりは石材などの物質だとダメ。唯一大丈夫らしいのは空間石って言う他にもたくさん用途のある石、つまりはこんなに大量に入手するのは困難極まる&勿体ないから無し。空間を彫るのは神経を使うどころの騒ぎじゃ無い。がまあここは気合いでどうにかする。

 そして削る為の道具は一個のみ。鑑定しながらやったところ武器に宿る僅かな魔力量などが武器によって変わるから、だそうだが本当に困る意味は武器一個のみの理由だ。魔力量などが変わるから、そういう理由となると作業の最中でも同じだ。つまりは一度も空間から出る事なく彫り終えないといけない。

 そしてダメ押し。彫る深さは均一じゃ無いといけない。これは空間を彫るという異常性から、尋常じゃない集中力を強いられる。空間は場所によって硬さ、柔らかさ、傷の残り具合などが変化する。もうね、アホじゃねえの?ってレベルで難しい。お陰で『鬼斬(おにぎり)』を習得したレベルだ。


「あの」

「ん?ああ君のために作る空間は今から約一週間かかるから「あら。使うのは(レーツェル)が宿る刀よね。ならもっと極限状態になるはずだからもっともっと早く終わるわよ」…だそうだ」

「何故嫌そうなのよ」

『半妖精よ、貴様は生命霊具を作った後の状態を知らんからそんな事を言えるのだ』

「美鈴と呼んで、烏」

『心得た。そして美鈴よ、あれは正しく極限状態。寿命が主には無いから良いが、もし仮に寿命があれば死んでしまう(おこな)い』

『我ら使い魔からすれば、本来ならば止めるべき所業なのだ』


 大抵の事を面白いと笑う二匹が言うと真面目さが伝わるな。まあ仕方ない。事実、一回目は死ぬかと思い、二回目は止められた。三回目は止めこそしなかったが止めたいと言う気持ちは凄く伝わった。他の使い魔からもな。


「なら何でそんな事を提案したのよ。止めるべきことを勧めている様にしか感じないわよ」

『その通りだが、主が求めたのは最善手。ならばそれを教えるのが我らの勤めよ』

『然り。そして何より死合いをしてる主と同じ空気だった。それが意味するのは極限の命の綱渡りを楽しんでること他ならない』

「そ。まあイメージできなくは無いわ」

「そうねえ。タクミはMっ気と言うか、そう言うのがあるのは間違いないわ」

「酷い誤解を生む言葉!美鈴もそんな目で見ても悲しくなるだけだからやめて!!」


 もうドン引きって顔をされたので結構なショックを受ける。Mっ気は嘘じゃ無いのかもしれんが、少なくともMでは無いのだ!…多分。


「ともかく!それについては成長しているのを実感できるのは嬉しいだけだから。そしてレーツェルは精神の精霊だ。あとは分かるだろう?」

「精神をより長く確実に研ぎ澄ませることができる?」

「正解。だからまあ結果的に早く終わるって意味」

「では使用者のデメリットは?」


 使用者のデメリットは当然意思のある物なのだからそれ相応の力量を求められる。もし仮に物の方が使わせてやろうとすれば使えるが、それは使いこなしたって訳じゃ無い。どうしても相応の力量が存在しない限り、使用者がこれを使いこなせるものじゃない。

 そして相性の問題だ。意思のある物なのだから当然だわな。もし最大限拒否された場合、そいつの魂がすり潰され純粋なエネルギーに変換される。まあ理論値なのでそこまではいかないが。

 あとは理解度の問題だろうな。お互いがお互いを知ることでより大きく成長する。だから基本的には使う必要がある。そして使わないと、どんどん弱くなっていくから新品が好きってタイプの人間じゃ使えない。付喪神を信じるレベルの人間だと丁度いい。


「それだけなのか?」

「だけって言うか?普通なら嫌がる要素なんだが……ああそういえばお前聖剣持ちか」

「ご覧の通り、一つの神剣と七つの聖剣を使う。剣舞、ソードダンサーなんてあだ名が付くくらいには使いこなせるぞ」

「そりゃまた贅沢な使い方だ」

「そうか?……そうかもしれないな」


 聖剣は意志を宿す武器だ。その性質上どうしても二つ以上を使うことは難しい。分かりやすい例えなら、ハーレムを円満に運用するくらい難しい。俺はハーレムなんて面倒だからほぼやったことは無いが、それでも経験が無いかと聞かれればある。だからこそハーレムを円満に運用するのは難しいと言える。

 話がずれたな。ともかく意志を宿す物を複数所持するのは非常に難しい。中には他の装備を認めない物も存在する。そしてそんな物を七つと一つ持つのなら、なおのこと難しい。英雄の資質、と言ってしまえばお終いなのだが。


「それで?自分を触媒にした召喚に成功したのは良いが、基礎となる物は決めたのか?」

「うん、まあ決めたのだが…どうも少し待って欲しいそうだ」

「そうだ?って事はお前武器と話したのか?」

「ああ。だが意思が希薄な所為でしっかりとした会話は難しいのだ。そこで何かやるそうだ」

「……まあいいさ。結論は保留だな。じゃあもう少し生命霊具について教えようか」

「お願いします」


 生命霊具は不滅の性質とモードチェンジの性質、この二つが絶対に付与される。これ自体は聖剣にも付与されているから大したことが無いかの様に感じるかもしれないが、一番の特徴は使い手とともに成長し続ける点だ。逆に使い手が成長しないと成長もしない。

 生命霊具となる者との契約内容によっては不老不死にもなれる。成長はするが、衰えることはない。そんな風に。そしてこれはそう難しい契約術式を使う必要も無いので、大抵生命霊具のなる場合はこれを使う。ただまあ何事にもデメリットが存在するようにこの契約にもデメリットが存在する。それが使い手よりも強くなれ無い事だ。まあ今回は無視しても良いな。あと一つあるが、これも説明を省こう。

 そんな生命霊具を作れる俺の持つ生命霊具は三つだ。多いと感じるかもしれないし、事実多い。一つは先の緋天の大牙。これは竜王に従属を強制した上で、かなり無理を通して作ったある意味疲れた甲斐あってか最強格の武器となってる。二つ目はホムンクルスのメグミがなるのは薙刀で特殊(バフと)効果(デバフ)が多い。そしてフギンとムニンがなるのは「魔法の羽根ペン」の装飾(バフ)だ。


 話はずれたな、ここからが本題。生命霊具以外にも生命の終着点と言えるものが存在する。その内の一つが命魂器。こちらは武器としてではなく、指輪などの装備品限定だ。素材を発見する難易度が格段に違う、素体となる()が限定されてる、作成には知識と相応の力量が必要なのが生命霊具とは違う部分。

 素体となる者の条件がキツく、式神もしくは魂レベルで繋がってる者である事、一定以上の実力――大体「世界」を壊せるレベル。地獄に落とされるくらいの力が必須――がある事、自身の素質に気付き活用している事の三つが必要となってる。

 しかも命魂器は複数素体を必要とするのでもうとにかく大変。だが汎用性については生命霊具よりも高いし、保有するだけで得られる効果は今のところどんな物より良い効果ばかりだ。更にもう一個、素体となる者たちへの効果は不老不死、エネルギー共有、知識共有、デバフ無効が基本だ。これもどんな技術にも引けは取らない。

 そして俺が持つのは一つだけ。式神共通ペンダント。まあ色々効果はあるが、秘密が多いのでその内話すと思う。


 続いて生命の終着点、では無い。ただ単に聖剣の話だ。聖剣は意志を宿す武器だが、単に祝福を得た上で時間をかけた物なだけでつまらない物よ。と、まあこれは武器の概念精霊ヴィヴィアンさんが言ってた事で確かな情報だ。単に祝福が良い方向に向かったから聖剣なんて言われてるけど、モドキは大量にあるオモチャよ。とも。

 まあ考え方によっては数あるうちの中でも残った名剣だとも言えるだろうし、事実「聖なる」という効果を持つという事ではそう多く無い。しかし破壊されればそれまでだし、精霊の階級にもよるが簡単に作れる。「選ばれた者しか〜」なんて文言は聖剣じゃなくても存在する。まあ改良の余地がある武器とも言える。

 では今回シルヴィアに関係する事…つまり「聖剣を強化できるのか?」という点だ。答えは条件を満たした場合可能だ。一定以上聖剣との間に信頼関係があるか、聖剣を使い格上を倒したか、聖剣を作った精霊以外の精霊との相性はどうかが必要となる。まあ基本最後の要素以外は聖剣使いならば満たしているから問題は無いのだが。


「つまりは」

「お前の聖剣をより強くしてやる。もちろん問題はあるがな」

「それは?」

「聖剣が複数存在する事。流石に俺も複数の聖剣は改良したくない。嫉妬があるだろう?」

「……」


 聖剣を複数所持している事の異常性を理解しているのか押し黙るシルヴィア。いや聖剣の嫉妬を知ってのことか。聖剣は意志を宿す武器、故に嫉妬がある。それも強烈なものだが、これをデメリットと捉えるか呪いと捉えるかは本人の意思一つだ。

 俺も過去に聖剣を改良した事がある。だが順番をあまり考えずにやったがために、聖剣の機嫌取りに一年以上を費やした。聖剣には格があり、意思があり、感情がある。故にこそ振るう時にも、改良する時にも順番や折り合いをつけないといけないのだ。正直言って非常に面倒くさい。


「ま、悩めるだけ聖剣の事をよく知ってるって意味だ。存分に悩むといいさ」

「はい」

「ただし、明日までだ。それ以上だと俺にも予定があるから時間はやれない」

「分かりました」


 このクッソ面倒くさい作業は当人以外には立ち入り禁止なお話だ。誰かが、それこそ聖剣を作った精霊でさえ、このお話という名の作業には参加したら話がこじれる。あちらを立てればこちらが立たず、会議は踊る、されど進まずって感じ。まあ地獄の様な時間だった。

 っと話がずれたな。要するに話には手助け厳禁ってことだ。


「それでどうするの?」

「ん?…ああ、特に何もしないぞ。強いて言えば刻む術式を考える程度だがテンプレがあるからなぁ。ま、酒盛りでもするか?」

「私はお酒苦手なんだよね〜」

「私は強いわよ。そんな訳で何かないかしら?」

「ほれ、フギンとムニンが稼いだ金で買ったとにかく高いどこの場所から採れたのかも不明なブドウから作られたワイン」

「ワイン好きじゃないの?」

「まあな〜」


 俺はワインは好きじゃない。別に嫌いな訳ではないけど好きってわけでも無い。理由はもう飽きたから。異世界ものの小説を読む者なら分かるだろうが、とにかく文明が進んでいない場所ではワインが多いのだ。理由は不純物が〜などの理由があるな。まあとにかくそればっかり飲めば飽きもくるというものだ。

 ワインの良し悪しは分かるが、何故文明が進んでも残ってるのか不思議でならない。いや嫌いじゃないけど。過去世を思い出した身としてはワインは飽きるほど飲んできた。しかし日本酒はそう多く無い。似たものは多いが、今世では日本酒が個人的なブームだ。


『だが主、触媒の把握は良いのか?』

「もう終わった。さっき話した時にな」

『では残りは部屋の作成、基礎となる物のみか』

「そうなんだがなぁ」

「いい加減覚悟してみたらどうなの?」

『『「?」』』

「いやだってさ、面倒くさいじゃねえか」

「あら可愛そう」


 揶揄う様に言うレーツェルだが、実際に面倒だと分かって言ってる。まあ実際に揶揄っているのだろうが。なんとなく目線を逸らした先に美鈴とフギンとムニンがコソコソと話し合ってる姿が見えた。なんだ?


『主よ、なんのことだ?』

「?何が?」

「レーツェル様と話している事よ」

「ああー、主語を言ってなかったか。親和性が高い物シリーズのうちの一つ魔石の事だよ。実はな直ぐにでも入手できるんだよ」

『それは?』

「魔法銀竜。別名ミスリルドラゴン。百層で出る最上位龍でも今のところ二百回近くトライして三回しか出てないモンスターだ」

『『うわ』』

「それってどれくらい難しいの?」

「さっきのキメラの最低十倍強い敵を百回近く倒して出るかどうか分からないモンスターを倒した末に、出てくるさっきのキメラと比べるのも烏滸がましいくらい強い敵を倒したら出てくるモンスター。強さはさっきのキメラ基準で……二十倍くらい?」

「無理ゲーじゃ無いの?」

「できるんだよなー。クッソ面倒くさいけど」


 胡散臭そうな顔をされるが事実だ。きっかけは最上位龍の素材を求めて百層を五回くらい周った時、古代龍が出現したのだ。油断していたのでダメージを少し受けつつも倒して、あと十周って時に出てきたのだ。その時は昂っていたから一瞬で倒せたけど強い事は強かった。

 そして得られたのは「魔法銀のインゴット百キロ」そして「魔法銀竜の杖」効果は俺の持つ魔法発動媒体と比べても最上位に位置する。素材が手に入ったので作れるかどうか試したが、ここまでの効率性を再現すると他の効果を付与する事ができなかった。それほどの逸品。

 なので当初の予定を遂行後に何周もした。アレほどの性能の物は是非とも欲しい!そう思っていたのが物欲センサーに引っかかったのかわからんが、次出るまで実に133回かかった。お陰で竜種での装備一式が二十個できてしまう量の素材を手に入れたよ。あとは大剣術が素晴らしいと思えるほど上達した。無手術と刀術に短剣術の次に上手いレベルまでだ。


『そうだ!我らで美鈴を鍛えるぞ』

『そうだなムニン。なので我らは不参加で』

「え?え?どういう事???」


 その時は俺の執念によって動いていたが二回目にお目にかかった時以降、メグミとフギンとムニンを連れて戦っていたのだ。……連携を強化する事と敵をよく知ってもらう名目で鬼周回に巻き込んだとも言えるが。なのでこんな反応になるのも仕方ないだろう。


「チッ、まあ良いだろう。目標は…」

『この森制覇』

「期間は?」

『…訓練所使用の許可が出れば十日で可能かと』

「まあ良いけど、本人の意思が無いとダメだぜ?」

『承知してますとも!』


 ムニンと話していた美鈴に目線を向ければ頷いていた。まあ良いのか?なんかあの反応的に脅されて慌てて合わせています感が半端ない。ムニンは脅すタイプじゃないから大丈夫だろうが……まあ良いかな。


「やるんだな?」

「やるよ!やったるわよ!!」

「お、おう。ゴホン、まあやる気があるなら良いよ。はあレーツェル、地獄の周回だ」

「あらあら、「地獄」だなんてタクミからは久しぶりに聞いたわね」

「そうかもな。だが、そうだな……氷上の幻城アタックと同じくらいだと言ったら分かるか?」

「それは…まあ良いわ。私はあの時と同じように支えるだけだから」

「そうか、それはありがたい。じゃあ最終確認だ。転移ポイントはここ。落ち合うのはとりあえず明日午前だ。いいな?」

『『承知』』

「はーい」


 それぞれが返事をしたのを確認して行動に移す。あ、メグミ呼ぼうか。シルヴィアに事情説明をお願いする為にも。装備を渡す為にも。世話をしてもらう為にも。

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