無職です。ニートでも引きこもりでもありません!
初めましての方は初めて。
お久しぶりの方はお久しぶりです。
武匠です。
前作品と微妙に絡んでますが、気にせず楽しめるのでどうぞお楽しみ下さい。
二十歳の成人式を迎えてもう四年も経つ。同級生はもう殆どが社会人になって働き始めた。一部は大学院生となったが。…まあどちらにせよ、俺からすれば立派な人生を送っている友人達だと思える。同級生たちがどう言うかはわからないけど、少なくとも俺が考えるに俺自身はなんの役にも立たないクズだろう。
何しろ投資家として活動はしているが、実際には「働いている」とは言い難い者なのだから。親が死にその遺産で投資を始めるなどというラノベじみた事を実際にやるのは驚きでしかない。一応納税はしているし、犯罪には一切手を染めてないのでクズは言い過ぎかもしれない。……と思いたい。
……あーあ。なんでこう人間って生き物は現実逃避が上手いというか、直ぐに思考がズレていくのだろう。そんな事を考えながらも頭の一部では「一体なぜこんなモノ(?)が存在しているのか不思議でならない」という思考は止まらない。
時は今から約四時間ほど前、テレビ速報曰く震度三くらいの地震が発端だ。俺が地震を感じ取った場所はとある中部地方の山、田舎と都会の境目にある我が家で株の売買を丁度終えた時だった。地震大国の日本人なら別に珍しくもなんともない小さな地震。
そんな中、今回の地震はやけに長いなぁと考えテレビをつけた。どこが震源地か?など知りたかったからだ。山が近いので先日の台風で土砂崩れが起きないか心配だという考えも少しはあった。ニュース速報ではなんの変哲も無い地震、土砂崩れの心配も少なく、問題無いそうだ。実につまらない。失敬、平凡な日常だ。
「そう思ったんだけどなあ」
では実際のところどうなのか。何となく嫌な予感がするなぁと思いつつも、晩ご飯を作るべくキッチンに立ち野菜炒めを作るために野菜を刻みフライパンで炒める。家で好きなものを食べれるというのは素晴らしい!などと思い機嫌が良くなっていた。が、そんな中にパリンッと窓ガラスが割れる音がし、火を止めて音の発生した場所に移動した。
この時の俺の幸運は三つ。一つは我が家が山の中にあるために誰にも見られることを心配しなくていい事。二つ目は野生の生き物が居るので慎重に動けた事。そして最大の幸運は用心して包丁を持ったまま移動した事だろう。
何故か?それは窓ガラスを割られた場所に行った時、そこには緑色の肌、120センチほどの身長、禿げた(?)頭部に小さな角、そして窓ガラスの破片が刺さり汚い青色の血が流れている生き物がいたからだ。
俺はまず最近のテレビでの企画を疑った。なんやかんやで昔より過激っぽくなりつつあるテレビの番組を見ていれば、真っ先に特殊メイクやコスプレを疑うだろう。だが同時にこれは違うと思った。
「ゴブゥ!」
しゃがれた声で大丈夫か!的な感じでいるもう一体のその様子がとても緊張感あるものだったからだ。無論まだ可能性としてはドッキリの疑いはあるだろう。だが、その寸劇というか、様子を見てこれは違うなと半ば確信していた。
理由?第一に人の家の窓ガラスを割った事。流石にテレビとはいえこれは酷いだろう。
第二に結構ガチで痛がっているから。もし仮にこれが演技ならば俺は今後テレビに出てる演技を得意とする者たちをカケラも信用できなくなるだろうレベルだ。
そして決め手の三つ目。俺が包丁を持って近づいてもどこからも誰も止めに来ないから。普通に考えて包丁を持っている人間が近づけば誰でも止めに来るだろう。
「何者か知らんがとりあえず動けなくするぞ」
警告はした。ってな訳で素早く悶えている生き物の手足の腱があるだろう場所を斬りつけた。その行動に特に忌避感は無い。昔やってたしな。そして切り付けた後どうするか考える。というか観察する。
右手には棍棒を持ち、血?が流れるのも厭わず逃げようとする姿は馬鹿としか思えない。何となくファンタジー小説でお馴染みのゴブリンかと思うが、そう仮定すれば納得できるが納得いかない。
姿形はファンタジー小説で登場するものの特徴は完璧なまでに納得できる。しかし何故ファンタジー小説で登場する生き物が居るのかは説明がつかない。
ついに現実とゲームとの区別がつかなくなったのかと嘆いていればゴブリン(?)が動かなくなり、消滅した。
「え?嘘、マジック??……どういう事!?」
そう思わず叫んだ俺を誰が責めれようか。そして混乱しているところに拍車がかかる。
『new!モンスターを倒しました。
GET!称号【先駆者】を手に入れました。
GET!共通アイテム、DRカードを手に入れました。
GET!DRカードに50ポイント入りました。
ボーナスGET!あなた専用のダンジョンが出現しました。
ボーナスGET!スキルが三つ自由に選べます。』
と声が響いたのだ。
思わず耳鼻科に「幻聴が聞こえたんですが」と電話して速攻で診てもらったよ。何の異常も無かったケド。
やっぱり幻聴だったのかと思い耳鼻科での支払い時にポケットから財布を出した時に見知らぬカードが有ったけど、問題無いよね。そのカードにDRカードと書いてあったけど、問題無いよね。
自分は問題無いと思い込んで、やっぱり心配になって耳鼻科からの帰り、なんとな〜くゴブリン(仮)を倒してしまった場所(裏庭)を見て何か人が三人くらい入れる洞窟の入り口がある事を確認して寝た。
……え?洞窟に入らないのかって?いやいや、普通入らないよ。何があるのかも、もしかしたら株取引で疲れたのかもしれないだけで何も無い可能性だってある。こういう時は寝るのが一番だ。
〜そして現在(19:15)〜
結論から言おう。多分現実だ。一休みしてもう一度裏庭を見てみたが変わらずそこには洞窟があった。そして冒頭に戻って現実逃避をしてみたのだが、悲しいことにそこに洞窟がある事は変わりない。
そんな訳で、登山用の装備に着替え、シャベルとピッケルを背負い、ヘルメットを被り、ガスマスクをして準備をした。ガスマスクは爺ちゃんが何故か持っていた。理由は教えてくれなかった。他にも「色々不思議な物」と評していいのか不思議な物が蔵には多くあるけど、どれも持ってる理由を教えてくれなかった。
さて、そんな普通に見たら不審者まっしぐらな格好だが家の周囲には誰も住んでいない。まあ神社みたいに山を少し登った場所にあるので当然だ。今までは体力作りくらいしか役に立たないと思っていたが、こういった通報待った無しの姿や、邪魔をされないという意味では最適な場所だ。今回はそれを利用した感じだな。
「さあ、あの幻聴が本当なら儲けもの。嘘なら精神科に行く。どっちに転んでも良し!行くぞ!」
いや、精神科はちょっと行きたくないけどね!
その日から約一か月後、世界に激震が走る。ダンジョンとモンスターの出現だ。
ささ、続きをどうぞどうぞ。