スケールが大き過ぎる
これでこの章ラストです!
いやー長かった。次の章が書けたらまたちょっとずつ出すと思います。今回はスタートダッシュって事で。
Another side 解説
唐突の話は変わるが聞いて欲しい。この世界は無数に存在する一個だ。平行世界は存在するがそれとはまた違う。北欧神話の世界樹を想像してもらうとわかりやすいだろう。世界樹は九つの世界を内包するという感じの話だ。
実際には『世界』が「世界」を六つ持っている。そして「世界」は九つの世界を持つ。そして世界は無数の世界を…そう小世界とも言うべきものを持っている。そして今主人公がいるのは六つある「世界」の一つだ。
稀に小世界よりも強い実力を持つ存在が現れる。その存在は「世界」によって殺される。それは戦闘によるものか、暗殺か、偶然か、はたまた寿命か。大抵が暗殺されて死ぬ。世界よりも上の「世界」が手を下すのだ。たまに小世界ごと殺すこともあるが、それは数少ない。
よくある勇者と魔王の物語なんて、勇者に力を貸していたのが「世界」で小世界よりも強い存在が魔王だって事がある。
まあいずれにせよ小世界よりも強い存在は邪魔なので、「世界」が手を下すのだ。だが世界よりも強い存在は?或いは「世界」よりも強い存在は?答えは「問答無用で魂を消される」だ。これを行うのは『世界』とはいえ、数が数えきれないほどの量の魂が存在して、尚且つその内の一つを潰すなんてとんでも無く難しい。
そして案の定例外的な存在が現れる。それも多数。そして『世界』は思いついた。コイツら同士で殺し合ってもらい、少なくなったら消そうと。何度も何度も繰り返して少なくなったら消す。完璧だと思った。だが結論としてこれは蠱毒の儀式にしかならなかった。最後の方に残ったのは『世界』でさえ容易には壊せない魂ばかりとなった。
ここまでくればもう分かるだろう。その潰せなかった魂の一つがタクミだ。
Another side 解説 END
と、そんな情報を思い出た。ついでとばかりにその『世界』が作った世界、通称地獄での出来事も思い出せた。それは、
「世界よりも強くなって見下そう!でしたっけ?」
「ふふふ、覚えている様で何よりだ。ああステータスは見とけよ。私でさえも驚いた」
「了解です。それで、他のメンバーは?レイは、いなかった気がするんだが」
「他のメンバーは私含めて五人だ。悪魔、力、魔術師、隠者、そして私「月」だよ。愚者くん?」
「へえ、審判と女教皇がいないのか。アイツらは早そうなんだが」
大アルカナに当て嵌めた二十二人、「世界」以外の全てに対応した者を当ててる。地獄の最後に残った面子だ。『世界』が勝手に当て嵌めた結果、俺は愚者となった。まあぴったりではある。誰のせいだとは思うが。
「審判は塔か戦車が復活したら出てくるよ。女教皇はあと一歩といった感じかな。レイは死神だよ」
「へ?死神??あの鎌大好きの骸か?」
「そう。本人は星が復活したら正式になるって言ってたわね」
「……『世界』はどういう風に見てる?」
「復讐されないかビクビクしてる。本人曰く、勝てる戦いはするけど、勝てないと思う敵には挑まない。だそうよ?」
まあらしいというか、世界は前世までに何度か出会ったし話もして誤解は、否、俺の怒りはアイツの言った様に必然だったからこそ堪えないとダメなんだろうな。まあそう思って今はもう『世界』に復讐しようなんて思ってない。
「そうか。まあ良いさ、奴の性格なんて一番よく知ってる」
「そうかもね」
「ああそうだった。疑問なんだが、このダンジョンはどうして作ったんだ?」
「君ともう一人を起こすためだよ。まあ他にも人材がいたらって面白半分だけど」
「じゃあここのダンジョンはまだ使えるのか?」
「そっちか〜。まあ愚者らしい、私の弟子らしい振る舞いだから安心もしたけれど。答えはYESよ。『世界』が処理できない怪物を回される事もあるから気をつけなさいな」
「了解。腕がなるな」
「じゃあ私はもう一人を育てるから。バイバ〜イ」
そして一人になった休息ポイントで思い出す。……ステータスを見ろって言ってたなと。てな訳で、
「ステータスオープン」
ーーーーー
ムラマサ タクミ 二十四歳(固定済) 男
種族:修羅道師(完成個体:戦闘高揚時に角が出現)
職業:グランドマスター、愚者
DRポイント:25,800(+2,500)
new契約者:フギン、ムニン、メグミ、瘴鬼、鳥姫、天華、風月etc.
称号:愚者、世界最巧、『世界』代理者殺し、神龍殺し…
HP :55,405,938/55,405,938→60倍
MP :32,387/32,387→453,418/453,418
筋力 :11,880 →237,600
耐久 :5,183 →77,748
敏捷 :24,650 →492,996
器用 :43,659 →1,571,724
魔力 :32,387 →453,418
対魔 :24,290 →364,355
特殊スキル
「愚者」(new全経験の引き出し・new愚者の瞳・戦闘訓練空間・極限世界・逆境・事象拡大・隔離工房)
「ダンジョン攻略者」(ドロップ品自動収集・ドロップ率10倍・ドロップ量10倍)
「その他」(統廃合・弱点攻撃時確殺・スキル売買)
感知系スキル:new経験察知・new経験予測・new経験感知
耐性・無効化スキル:new経験則による無効&耐性
極意スキル:new経験の極意
ーーーーー
うわーいスキル欄が見易くなったー。じゃなくて!んん〜?………ああそういう事か。過去世含めて今まで経験した全ての技術を引き出せれると、ただし肉体が耐えられる範囲内で。そういう事か。
「ただ、俺って愚者の瞳なんてスキル持って無かったぞ?早速困った。…使えるか?」
そう言ってマジックバックに意識を向けると、
ーーーーー
マジックバック レア度:空想級
マジックアイテムの強化を何度か行われて制限が一切無くなった収納系マジックアイテム。数多の戦いを切り抜けてきたので壊れない、邪魔にならない、非実体化が可能の三要素が進化して追加された。
効果:所有者固定、無限収納、不壊、非実体化、思念変化
ーーーーー
と「鑑定」の結果が出てきた。って事はつまり万能眼も含まれているのか。ホッとしたわ。あとは今ダンジョンの外がどうなってるのかだが…召喚できる奴が増えとるがな。
あー、前世を思い出したからか。式神調伏が使えない理由は既に式神の枠を潰していたからだと。たしかに前世を思い出す度に使える様になっていたしね。最古参は、
「式神招来、胡喜媚」
「お久しゅうございます、タクミ殿」
「いや〜久しぶり。先ずはごめんな、長い間縛ったままで」
「何をおっしゃりますか。既に死にゆく体を魂として縛った故に私が生きられているのです。やはり妲己姐様の目に狂いはありませぬ」
胡喜媚は妲己、つまりは玉藻御前の義妹で、地獄の時代に色々あって死にかけていたところを師匠から言われて助けたのだ。そしてその後に式神になってもらったのが、同じく死にかけていた王貴人を式神にしたのだ。ってな訳で、
「そうかもね。最近王貴人に会ってないだろう?式神招来、王貴人」
「お久しぶりですぅ」
「久しぶり。義姉妹同士で話をした方がいいと思ってな。呼んd「よくやった。さあ我が義妹たち、ゆっくりと話そうでは無いか」」
「お姉様!はぁい、今行きますぅ」
「妲己姐様!それでは失礼します、タクミ殿」
「……ま、あとで話そうかね」
呼んだら速攻で転移陣を使った師匠に連れて行かれた。まあ数えるのも億劫になる年月話していないのだからここで水を差すのはお門違いだろう。うん。王貴人は一応俺に一言あっても良いんじゃないかな?義姉を見習いなよ。まあ言わないけど。師匠が怖いし。
「さて、式神招来も使える事が確認できたし次だな。うーん、あ!いっけねえ。外の様子を知りたいって考えたんだった。サモン、ムニン」
『んん?本当に主か?もしや進化したのか?』
「そんなとこ」
『いやはや、実に気軽に言うが進化は中々できるものではないのだが…まあ良い。それで何か用か?』
「実はさ地上だとどんな事が起きてるのか知りたくってさ。進化の反動で一週間くらい寝込んだっぽいんだよ」
そう、師匠と話終えて腕時計を見れば一週間が過ぎていたのだ。まあ進化の反動と考えれば納得できるが、それでもダンジョンが出現して更には魔物放出が発生したのだ。地上の出来事が気になる。
『だからか、どうも反応が薄いと思っていたのだ。先ず魔物放出だが、終わったぞ。そして隣国は国土の約七割以上が魔物が出る森に変わった』
「へえ、まあ予想通りっちゃ予想通りだね。にしても魔物が出る森か〜、核でも撃ったか?」
『然り。まあ無効化された故にどこにも問題は発生していないな。そして何がキッカケになったのか調査したいが、その調査で同じ事が起きたら堪らんと皆おっかなびっくり調査中だ』
「うーん、じゃあ日の本にチクるか?」
『誰がだ?フギンは断固拒否だぞ。私もだが』
そりゃそうだ。第一にフギンとムニンは烏だ。よ〜く観察したら鳥研究会とかが普通のカラスとの違いを探すだろう。そしたら今後の活動にも関わる可能性がある。だからフギンとムニンは無し。メグミに任せるのは今のダンジョン攻略を中断させる事になるからパス。つまりは、
「だろうな。俺がやるよ。どっか適当にダンジョン攻略してたらみっけたってな」
『それが妥当だろうが…どう伝える?』
「石碑を作成する。異世界の文字を使ってな」
『うーむ…………ふむそうだな。それが良いとフギンも結論付けた。できるならば石碑をダンジョンにばら撒くのがベストだが、次点で例の森の中にばら撒くのが良いとでた』
「そうか、じゃあそうする。内容は、どうしよう?」
『考えて無かったのか。まあ主らしいが…………だそうだ』
「いや聞こえんし」
『分かった。ではこの通り複数作るのだ。そして…』
そうしてムニンに、というかフギンの言葉をそのままにムニンが伝えた内容を竜の鱗に色んな文字体で書いていく。本人だとバレない様に俺の筆記体とは違う文字だ。まさか早速過去世の感覚をこんな形で使うことになるとは。
ああ、ちなみに竜の鱗という事情も理由があった。ただ単に竜の鱗に書くだけならば「物質鑑定」のスキルに作成者の名が出ないそうだ。ところが竜の鱗じゃなく、俺が錬成して作った物に書くとバレる可能性が出てくる。まあスキルの段階が違い過ぎて今世の中に出てる「物質鑑定」のスキルがどのくらいの精度なのか疑問だが。
「こんな感じでいいのか?」
『うむ。こっちのばら撒く用の物はカラスを使うとしよう。そしてそっちはよろしく頼むのである』
「いや別にいいけどね。あ、日の本だけじゃ無くて他の国にも言った方がいい?」
『否、やめた方が良いだろう。現在日の本は国力競争に負けている。伝える時に流暢な外国語で話せば簡単には分かるまいて』
「お、フギン。久しぶり〜」
『お久しゅう、主殿。この珍妙な仮面をすれば完全に分からぬ。しからば、ある程度ならばどこの者かは不明のまま、最高ではダンジョンからの使者ともとれるだろうとて』
「了解。髪は白髪にして、格好はコート脱いで、靴以外はいつもの戦闘服で良い?」
『であろうな』
「よし!じゃあ行きますか。転移」
そうして約一週間ぶりのお風呂に入った。フギンとムニンはもう仕事に戻った。これから面白くなるからこうして居たら時間が惜しいとの事。
そして一人で格好を確認中、ふと気になった。そう言えば刀とか装備品が変化しているよな、戦闘中は気にならなかったけど。と、なり鑑定する事にした。幸い台本は作ったので台詞を忘れる事はないポーチに入れて。
良し。先ずは五十層クリア時に進化した「暗黒龍の紋章付きコート」「禁紋の手袋」「纏刃の進化刀」の三つから。
ーーーーー
古代龍の紋章付きコート レア度:道師級
暗黒龍のロングコートが数多の戦闘を超えて進化した最終形態。背中には刀と短刀がクロスされたものが円で囲まれた龍紋が描かれており、それは神以上の存在にしか見えない。使用者の望む形にも変われ、他の服を吸収して変化する事も可能になった。
効果:所有者固定、隠蔽擬装、上着固定【呪い】、喰らった事のある魔法吸収、耐久十倍、敏捷十倍、被ダメージ九割カット、形態変更、龍紋(刀強化)、快適保持、召喚装備、無限収納(限定)、纏術効果アップ吸収強化、非実体化(効果維持)
ーーーーー
ーーーーー
変紋の手袋 レア度:道師級
秘術の手袋が数多の戦闘を超えて進化した最終形態。掌には武器召喚と錬成陣の紋章が描かれている。手の甲には陰陽が描かれているが、使用者の声に応じて効果の変わる紋章が自動で描かれる。声が無くても変化は遅くなるが可能。武器を吸収した強化することができる。
効果:所有者固定、隠蔽擬装、装備固定【呪い】、紋章実体化、紋章変化、実体化紋章の効果倍増、器用十倍、対魔五倍、快適保持、武具召喚、纏術効果アップ、音声認証、吸収強化、非実体化(効果維持)、縦横無尽の糸(吸収済)
ーーーーー
ーーーーー
ニノ太刀要らずの刀 レア度:道師級
成長の剣が数多の戦闘を超えて進化した最終形態。所有者の使う刀術「ニノ太刀要らず」を具現化した、変化する太刀。太刀には所有者以外読めない文字が書かれており、必要に応じて変化する事で威力が変わったりする。道具を吸収して強化できる。
効果:所有者固定、隠蔽擬装、不壊、文字により変化可能な効果、文字変化、形態変化、召喚、使用時切れ味上昇(永続)、鞘生成(神話)、吸収強化
ーーーーー
ーーーーー
ニノ太刀要らずの刀の鞘 レア度:神話級
数多の戦闘を超えて進化した刀の鞘。まだ進化の余地があり、抜刀術として作られた鞘はもはやエクスカリバーの鞘の様に単体で効果を持つ。血と魔力と氣と呪力が叩き込まれている。
効果:所有者固定、隠蔽擬装、不壊、非実体化(効果維持)、竜魔法吸収、基礎魔法反射、召喚、抜刀術効果アップ、進化
ーーーーー
「おお〜、すんごい事になってるな。鞘がついてくるから何かと思ったら実体化していたなんて」
ニノ太刀要らずは、どれくらい昔につくったのか覚えていないが、刀術限定では無かったはずだ。単純に一個の技で目的を達成させるために完結しているが、目的は通常複数あるので連続して技を出せるようになれば一人前って基準を作ったはいいけど誰も使えなかった技。
無響術なんてものを作ったが、あれもこのニノ太刀要らずの劣化バージョンだったはずだ。虚無術は今のステータスでは使いこなせない。せめて敏捷があと一桁増えないとね。
鑑定を終えて「アイテム登録召喚ベルト」に厳選したアイテムを入れて、準備完了だ。
「さあ、世界で遊ぶ贅沢なゲームの始まりだな!」
前書き通り、これで一章終了です。
達成感凄いっすねw
ここまで読んでもらった読者の皆さまありがとうございます。
次章からはそうバトルシーンは多くないです。完成したらちょくちょく出していきます。ψ(`∇´)ψ
スキル
経験感知→過去世含めて今まで経験した事のある感知方法で感知する。当然、既に覚えている感知方法は使える。統合されて表記されて無いだけ。
ex.ソナー感知をされた事がある→ソナー感知を習得
経験予測→過去世含めて今まで経験した事のある状況に置かれた時に、未来予測に近い形で推測する。
ex.十人に切りかかれた事がある→十人がする行動を全て予測できる。
経験察知→過去世含めて今まで経験した事のある察知方法で察知する。当然、既に覚えている察知方法は使える。統合されて表記されて無いだけ。
ex.殺気を感知された→殺気感知を習得
経験則による無効&耐性→過去世含めて今まで経験した事のある攻撃、状態異常などから習得する。当然、既に覚えている耐性&無効は使える。統合されて表記されて無いだけ。
ex.マグマで焼かれて死んだ→自然現象無効、熱無効、無呼吸活動を習得




